ビールの友といえばコレ!ソーセージ大研究
@nifty編集部による「ビールに合うおつまみの人気ランキング」によると、1位の枝豆、2位の焼き鳥、3位の唐揚げに続き、堂々4位に食い込んだのがソーセージ。
パリッとかじると口の中にジュワッと広がる肉汁と、爽やかなビールのコンビネーションは最高ですよね!
今回はこのソーセージについて、誕生の歴史や、さまざまな種類、ビールにピッタリなソーセージレシピなど、幅広く調べてみました!
◇見てみよう、ソーセージの歴史
冷蔵庫のなかった時代、肉に塩やスパイスを加え、干したり燻製にして水分を減らして長期保存を可能にするために考えられた加工方法がソーセージでした。
その名前のソーセージの語源も、ラテン語で「塩漬け」を意味するsalsusから来ていると言われています。
最も古いソーセージが作られ始めたのは3500年ほど前の中近東やエジプトと言われており、塩漬けのハムのようなものだったと言われています。
その後、ソーセージは中近東からギリシャを経て、ローマ帝国に伝わります。
紀元前8世紀の古代ギリシャの詩人・ホメロスの叙情詩「オデュッセイア」には、兵士たちが脂身と血を詰めた山羊の胃袋を携行食として持っていたという記述が登場します。これは現在のブラッドソーセージに近いものだったようです。
その後、美食で知られたローマ帝国に伝えられたソーセージは大変な人気を呼びます。
ローマ時代には、焼く以外にも茹でたり煮たりといった新しい食べ方が登場し、当時の料理レシピ集「アピシウス」にも複数のソーセージレシピが掲載されています。
また、4世紀にはローマ皇帝コンスタンティヌスがソーセージを贅沢品として禁じる法律を出しましたが、密造を行う者が続出し、全く法律として機能しなかったそうです。
いかにソーセージがローマ人たちに愛されてい方を物語るエピソードですね!
こうしてローマ帝国で花開いたソーセージ文化は、その後、11世紀〜14世紀にかけての十字軍の遠征の時代に、遠征に参加し故郷へ帰還した兵士たちによってヨーロッパ各地へ伝えられます。
そして、各地でその土地の習慣や風土を取り込んだローカルなソーセージが誕生し、現在に至るのです。
◇なぜドイツはソーセージ大国になったのか?
中でも、ソーセージ作りが非常に盛んになったのはドイツです。
その理由については、ドイツの地理的な条件があります。
ヨーロッパ大陸でも北に位置するドイツ。
寒さが厳しいドイツでは、冬になると食料となる作物がとれなくなってしまいます。
そこで、暖かい季節の間に多産で生育の早い豚を繁殖させ、寒くなる前に肉にして冬の間の保存食を作るということが行われるようになりました。
また、肉の部位しが使わないハムとは違い、くず肉や内臓、血まで原料として使えるソーセージは、食べにくい部位も有効活用して家畜を無駄にしないためにとても優れた方法だったのです。
現在では、ドイツにはなんと1500種類ものソーセージの種類があると言われています。
また、ソーセージ職人(ソーセージマイスター)の資格を得るには、8年間の修行期間と国家試験の合格が必要で、ドイツのソーセージの高い品質を維持することに役立っています。
まさに、質、量ともに揃ったソーセージ大国がドイツなのです。
◇ソーセージの基本の作り方
ここで、ソーセージの基本的な作り方をご紹介します。
ソーセージと聞くと難しそうですが、コツを押さえれば案外簡単にできます。
ポイントは、温度。加工中に肉の温度が上がり脂が溶け出すと、できあがりのソーセージの食感が損なわれてマズくなります。
なので、ソーセージ作りのベストシーズンは冬。夏に作る場合は、部屋にクーラーをかけ、氷水に浮かべたボウルの中で肉を練るなど、肉をダレさせない工夫が必要です。
(材料)
豚ひき肉 400g
羊腸の塩漬け 2m
塩 小さじ1
砂糖 小さじ1
氷水 40~50ml
片栗粉 小さじ1
黒胡椒、ナッツメグ、セージ、パセリー 各小さじ1/4
おろししょうが、おろしにんにく 小さじ1/2
(作り方)
1.
塩漬けにした羊の腸を、30分ほど水につけてもどしておく。
絞り袋にソーセージ用の口金をセットして、もどした羊の腸を、端からソーセージ用の口金に通しておく。
2.
ボウルにひき肉を入れ、塩、砂糖、スパイス、氷水を加え、肉がまとまるまで3-4分手早く練る。
この時に、温度計で測りながら、肉の温度が10℃以上にならないよう注意する。肉の脂が溶け出すと、でき上がりのジューシーな口当たりがなくなってしまいます。
3.
腸をセットした絞り袋に1.の肉を入れ、ゆっくり羊の腸に絞り込んでいく。入れる量は8割程度。パンパンになるまで肉を入れてしまうと加熱中に破裂するので注意する。
4.
肉を詰め終わったら、ソーセージをねじってゆく。まずは1/2の長さ、次に1/4と、半分づつの長さにしてゆくと良い。全部ねじり切ったら、ソーセージの端どうしを合わせて、2個ずつ組み合わせて更にねじり、茹でている間にねじれがほどけないよう編み込んでいく。
この状態でソーセージを扇風機などの風に当て、約一時間乾燥させる。
この乾燥工程を入れることで、歯ざわりがパリッと仕上がります。
また、燻製を行う際は、この乾燥工程の後に行うと香りが良くつきます。
5.
大きな鍋に80℃のお湯を沸かし、ソーセージを入れたら20分茹でる。途中ソーセージを返して、全体にまんべんなく火が通るようにする。
茹で上がったらいったん氷水に取り、5分間ほど氷水の中でソーセージを引き締めると、口当たりがプリッと仕上がります。
水気をよく切って、一つづつ切り離してできあがり。食べるときは、よく水気を切ってフライパンで焼いて食べます。
冷凍保存する場合は、茹でて切り離した段階で、水気をふき取ってチャック袋に入れて冷凍保存します。食べる時は、1日ほど冷蔵庫で自然解凍したあと焼いて食べましょう。
◇太さによって名前が違う、ソーセージ
さて、ソーセージのことをウインナーと呼ぶことがありますよね。
また、コンビニのホットスナックで売っているソーセージは、フランクフルトと呼ばれています。
実は、ソーセージは太さによって違った名前で呼ばれているのです。
ここでは、日本で一般的なソーセージの種類について、太さと加工状態から解説します。
・ウインナーソーセージ
豚のひき肉に香辛料を混ぜて作ったタネを、羊の腸に詰めたものがウインナー。日本で一般的な、細いタイプのソーセージです。
人工のケーシング(腸)を使う場合は、径が20mm未満でなければいけません。
ウイーンでドイツ人のソーセージ職人が作り始めたことから、「ウイーン風」ということでウインナーと言われるようになりました。
面白いことに、ウィーンでは同じタイプのソーセージは「フランクフルター」という名前で呼ばれているそうです。というのも、ウィーンでこのソーセージを作り始めたソーセージ職人がフランクフルト出身だったから。
ドイツでは「ウィーン風」と呼ばれ、ウィーンでは「フランクフルト風」と呼ばれているなんて、面白いですね!
・フランクフルトソーセージ
ドイツのフランクフルトで12世紀頃から作られているのが、豚の腸に詰められたフランクフルトです。
人工のケーシングを使う場合は、径が20mm以上36mm未満でなければいけません。
ウインナーより、一回り太いサイズが特徴です。
・ボロニアソーセージ
牛の腸に詰められたソーセージ、または、径が36mm以上の人工ケーシングを使った太いソーセージがボロニアソーセージ。
中には、直径が20センチを超えるような大型のものもあります。
日本では、原産地であるイタリアのボロニアから、ボロニアソーセージと呼ばれますが、現地イタリアでは「モルタデッラ」と呼ばれています。
ウインナーやフランクフルトと違って、食べる前に加熱しなくてもよいのが特徴で、しっとり柔らかな食感です。
ハムのように薄切りにしておつまみや前菜として食べる他、厚切りにしてステーキのように焼いて食べたり、パスタの具など料理に使うこともできます。
・リオナソーセージ
ひき肉以外にピスタチオや粒コショウ、みじん切りのパプリカ、ダイスチーズなどが一緒に入っているものをいいます。
太さの決まりはありませんが、通常はハムのような大型のものが多いです。
名前のリオナ(Lyoner)はフランス第2の都市で美食の街としても知られるリヨンから来ています。
カラフルな色合いなので、お皿にそのまま前菜として並べたり、サンドイッチにして食べると良いでしょう。
・ドライソーセージ / セミドライソーセージ
保存性を高めるために、乾燥させて水分を減らしたのがドライ/セミドライソーセージ。
水分量が重量の35%以下のものがドライソーセージと呼ばれ、代表的なものにイタリアのサラミソーセージがあります。
また、水分量が重量の35%から55%以下のソーセージは、セミドライソーセージと呼ばれます。おつまみで知られるカルパスがこの仲間に入ります。
おつまみとしてそのまま食べるという方も多いと思いますが、味わいが凝縮しているため、少量をチャーハンやパスタの具材などに使うと味わいのアクセントになります。
塩分が大変濃いため、健康の面からも、食べ過ぎに気をつけましょう。
・生ソーセージ
通常のソーセージは製造工程の途中で加熱されますが、生ソーセージはこの工程がなく、生のひき肉に塩や香辛料を加えて練って、ケーシングに詰めただけのものをいいます。
最近では、レトルトパウチにして冷凍された状態で販売されていますので、ソーセージ好きの方はぜひ一度お取り寄せしてみてはいかがですか?
食べる直前に必ず加熱の必要がありますが、作りたてのソーセージの味わいが楽しめてとても美味です。
◇なぜビールとソーセージは合うの?
ホップの苦味と、炭酸のシュワシュワ感が爽やかなビール。
こんなビールは、塩が効いて肉のうま味たっぷりのソーセージがマッチしないわけがないと思いますよね!
実は、ビールとソーセージの組み合わせが美味しく感じる理由は、科学的にも説明できるのです。
食べ物の味の種類には、基本五味と言われる要素があり、それは、
・甘味
・塩味
・酸味
・苦味
・うま味
の5つです。
そして、この5つがバランスが取れているほど、人間はおいしさを感じます。
この点からビールとソーセージの組み合わせを見てみると、まず、ビールが持つ味の要素は、苦味。
そして、ソーセージが持つ味の要素は、塩味とうま味。
また、ソーセージには甘酸っぱいケチャップを添えて食べることが多いですが、このようにソースでさらに酸味・甘味を補うことで、なんと基本五味をバランスよくカバーすることができるのです!
また、生理学的な側面からみると、ビールにはカリウムというミネラルが多く含まれていますが(100mlあたり27mg)。
カリウムには体内の水分を尿として排出する働きがあり、その時にナトリウム(塩分)を一緒に排出してしまいます。
そのため、体はカリウムの多いビールを摂取すると、体内にナトリウムを取り入れようとして、塩辛い食べ物を欲するようになるのです。
なるほど、科学的・生理学的面から見ても、ビールとソーセージは納得の相性の良さなのですね。
◇ビールに合うNO.1 ソーセージレシピはこれだ!
さて、MELLOW magazineが選ぶ、ビールに合うNO.1 ソーセージレシピは、ズバリ、カリーヴルストです!
カリーヴルストの名前を初めて聞く方も多いと思いますが、実はこれ、ドイツの国民食とも言える人気のソーセージ料理。
アイスバインのように正統派のドイツ料理として名前が上がることこそないものの、駅のキオスクや、街や広場のフードコーナーでは必ず見かける、いわばドイツB級グルメの決定版なのです!
ポイントは、ピリ辛のカレーソース。
ピリリとした辛みとカレー風味が食欲をそそるだけでなく、トマトがベースのカレーソースをソーセージに合わせることで、ビールの苦味、ソーセージの塩味とうま味に、さらに甘みと酸味が補われ、全体の味わいのバランスが完璧なものとなります。
ソースはソーセージにかける以外にも、グリルしたお肉などに添えてもとても美味しいので、ぜひ一度作ってみてくださいね。
なお、ソースは一日置くとまろやかになるので、食べる前日に作っておくか、冷蔵庫に作り置きしておくと良いでしょう。
【レシピ】カリーヴルスト
★カリーヴルストソース
(材料)
オリーブオイル 適宜
ニンニクペースト 小さじ1
玉ねぎ 小1/4個
カレーパウダー 大さじ2
チリパウダー 小さじ1
トマトピューレ 大さじ1
トマトケチャップ 200グラム
ワインビネガー 大さじ2
砂糖 大さじ2
醤油 小さじ1
★フランクフルトソーセージ 好みの量
★付け合せ
フレンチフライ(太めのもの)、またはパン
(作り方)
1. 小鍋にオリーブオイルとニンニクペーストを入れ、香りが出るまで熱します。
2. 香りが出たら玉ねぎを加えて炒め、玉ねぎが透明になったら、スパイスを加えてさらに炒める。
3. トマトケチャップ、ワインビネガー、砂糖を加え、弱火でふつふつと沸騰するまで煮込む。仕上がりに醤油をいれてよく混ぜ、火から下ろす。そのまま一晩おいて味をなじませましょう。
4. 食べる時は、ソースを小鍋に入れて温めておく。ソーセージは焼くかボイルして、3センチ程度のぶつ切りにする。
お皿にソーセージを盛り付け、カリーヴルストソースをかける。上から、カレーパウダーを振ればできあがり。
好みで、フレンチフライやパンを付け合わせに、ビールと一緒にいただきましょう。
◇カリーヴルストにピッタリのノンアルコールビールは?
カリーヴルストに合わせて飲んでいただきたいのは、ノンアルコールベルギービールのビアデザミー0.0。
ビアデザミ−0.0は、上面発酵により作られたエールビールを、真空蒸留により脱アルコールしたノンアルコールビールです。
真空状態でアルコールの沸点を下げ、熱による香り・味の劣化を防ぐ32℃という低温で蒸留し、アルコールを除きました。
なので、エールビールの華やかな香りや風味はそのままに、アルコールは0.0%。言われなければ、ノンアルコールビールと気づかず飲んでしまうビールらしさです。
ベルギービール・クラフトビール好きの方はもちろん、普段ラガービールを飲み慣れている皆さんにも馴染みやすいクセのない味わいで、どなたにもご満足いただける本格派ノンアルコールビールです。
ノンアルコールビールBIERE DES AMIS 0.0
ビアー・デザミ0.0
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