ビールに合わせて楽しみたい!新じゃがの魅力
春の訪れを告げるさまざまな春野菜がスーパーに並ぶこの季節。そんな春を彩る野菜の一つが新じゃがです。
今回は、新じゃがの特徴、豆知識や、大人も子供も大好きな新じゃがレシピなど、新じゃがに関する耳寄りな情報をまとめてみました。
◇新じゃが、普通のじゃがいもとどう違う?
毎日の食卓に登場する最も身近な野菜の一つであるじゃがいも。
もともとの原産は、南アメリカのアンデス山脈・チチカカ湖周辺で、紀元前より食用作物として栽培されていました。
日本には安土桃山時代に、インドネシアのジャカルタ(ジャガタラ)から伝わり、そのため「じゃがいも」と呼ばれるようになりました。
明治時代の北海道の開拓に伴って本格的に栽培が普及し、現在でも日本全体の生産量の約6割は北海道産です。
一般的なじゃがいもは春に植えられ、秋に収穫されます。茎や葉が枯れ始めるまでしっかり完熟させてから収穫するためデンプンが多く含まれており、食感はホクホクしており、味わいは濃く旨味があります。
また、保存期間が長く、秋から春にかけて長期間食べられるのも特徴です。
それに対して、春先に店先に並ぶ「新じゃが」は、九州などの温暖な地域が産地。
まだ完熟する前の、茎も葉も緑の時期に収穫される新じゃがは、サイズは小ぶりで、こすればむけてしまうほど薄い皮と、水分量が多く柔らかくてみずみずしい食感が特徴です。
◇新じゃがに含まれる栄養素は?
じゃがいもは炭水化物の塊のようなイメージがありますが、実はビタミンC、カリウム、クロロゲン酸などの栄養素を豊富に含んでいます。
野菜に含まれるビタミン類の栄養素は皮と身の間の部分に最も多く含まれるので、薄い皮のまま食べられる新じゃがは、栄養素を無駄なく摂取できる優秀野菜なのです。
・ビタミンC
免疫力を高めたり、美肌の素であるコラーゲンの生成に不可欠なビタミンC。
ビタミンCは野菜の収穫後、時間が経つと減少していきますが、収穫後すぐに出荷される新じゃがには、なんと一般的なじゃがいもの4倍ものビタミンCが含まれているといわれています。これはなんと同量のリンゴに含まれるビタミンCの9倍。温州みかんに匹敵するビタミンC量です。
また、ビタミンCは熱に弱い栄養素ですが、じゃがいもに含まれるビタミンCは、デンプンに守られているため加熱に強いのが特徴です。
・カリウム
ヒトの体に最も多く含まれるミネラルがカリウム。
カリウムには、腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中へ排せつする働きがあります。ナトリウムとともに体内の余分な水分を排泄してくれるため、血圧を下げたり、むくみを改善する効果があります。
・クロロゲン酸
クロロゲン酸は、じゃがいもの皮に含まれているポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用が特徴です。
クロロゲン酸には、脂肪の燃焼を促進しダイエットを促したり、血糖値の上昇を抑え糖尿病にかかりにくくしたり、また、体内の活性酸素を取り除く効果があるのでがんや老化の予防に効果があるといわれています。
◇美味しい新じゃがの見分け方と、保存方法
新鮮さが命の新じゃが。美味しい新じゃがを選ぶには皮に注目しましょう。
じゃがいもは収穫から時間が経つと、皮がコルク化して厚くなり水分量も低下してしまいます。なので、指でこすればはがれそうなほど皮が薄いものを選ぶのがグッド。
また、水分が多い新じゃがは、傷があるとそこから傷んでしまいます。表面がなめらかでピンとハリがあり、傷やシワがないものを選びましょう。
保存方法ですが、傷みやすい新じゃがは、普通のじゃがいものような長期保存ができません。
また、じゃがいもは収穫後に光が当たると皮が緑色に変色しますが、この部分にはソラニンやチャコニンという有毒成分が含まれるため食中毒の原因となります。
なので、新じゃがは食べきる分だけ購入するようにし、どうしても保管が必要な場合は、新聞紙などにきっちり包んで常温の薄暗い場所で保管し、1週間をめどに食べきりましょう。寒さに弱いため、冷蔵庫での保存はNGです。
◇美味しい調理法のポイントとおすすめメニュー
新じゃがを美味しく楽しむには、調理法がポイント。
デンプン量が少なく、水分が多い新じゃがは、粉ふき芋やポテトサラダのような、マッシュしてホクホクした食感を楽しむ料理は向きません。
しかし、煮崩れしにくいため煮物にしたり、一口サイズを生かした素揚げ、シャキシャキした食感を楽しむ炒め物などには最適です。
小ぶりで皮をむく必要がないため、丸ごと調理できて手間がかからないのも嬉しいですね。
ここでは、新じゃがの美味しさを味わえるレシピを紹介します!
★新じゃがのシャキシャキ サラダ
新じゃがの爽やかな食感が楽しめるサラダです。美味しく作るポイントは加熱時間。新鮮な新じゃがは生食も可能なので、湯で時間はごく短くてOK。ゆですぎて食感を損なわないよう気を付けましょう。
(材料)2人分
新じゃが 中サイズ 2個
ツナ缶 1個
酢・塩・こしょう適宜
(作り方)
・新じゃがは皮付きのまま洗って、スライサーでスライスし、千切りにする。5分程水にさらしてアクを洗い流す。
・沸騰したお湯に新じゃがを入れ、20-30秒程度ゆで、すぐざるにあげて水けを切る。
・水けを切った新じゃがにツナ缶を加え、酢・塩・こしょうで調味して出来上がり。
★新じゃがの甘辛煮
デンプンが少ないため、煮崩れしにくい新じゃが。皮付きのまま炒め煮する甘辛煮なら、香ばしい皮のかおりとホクホクしっとりとした食感が楽しめます。
(材料)2~3人分
小粒の新じゃが 1袋(500グラム程度)
小ねぎ 2本
白ごま 小さじ1
砂糖 大さじ1
みりん、酒 各大さじ3
しょうゆ 大さじ3
炒め用サラダオイル
(作り方)
・新じゃがは皮付きのままでOK。たわしなどで表面をこすりよく洗い、ざるにあげて水けを切っておく。
・フライパンに中火でサラダオイルを熱し、新じゃがを炒めて全体に焼き目を付ける。
・フライパンに砂糖、みりん、酒を加え、1カップ水を加えて、蓋をして10分程度煮る。
・鍋にしょうゆを加え、再度蓋をしてさらに10分ほど煮る。仕上がり際に、蓋をとって強火で水分を煮飛ばす。じゃがいもに串をさしてすっと通る固さになったら出来上がり。小口切りにした小ネギと、白ごまをまぶしていただく。
★新じゃがとベーコンの炒めもの
新じゃがのシャキシャキした食感が楽しめる、ベーコンを加えた洋風の炒め物です。新じゃがは皮のまま調理できるので時短にも!
(材料)2人分
新じゃが 中サイズ 2個
ベーコン 50グラム
しょうゆ 大さじ1.5
炒め用サラダオイル、こしょう
(作り方)
・新じゃがは、手でこすりよく洗い、皮付きのまま5ミリ角の拍子切りにする。ベーコンも5ミリ幅に切る。なお、時間を置くとじゃがいもが変色してしまうので、必ず炒める直前に切ります。
・フライパンにサラダオイルを熱し、新じゃがを炒めます。2,3分炒めたらベーコンを加え、新じゃがに透明感が出てくるまで炒めます。シャキシャキした歯ざわりがなくならないよう、
仕上がり際にしょうゆを加え、フライパンをあおりながら水分が飛ぶまで軽く加熱する。こしょうで味を調えて出来上がり。
みなさんも、新じゃがの特徴を生かしたレシピで、栄養豊かな旬の味わいを楽しんでくださいね!