イタリアワインのブドウ品種「ネッビオーロ」について
イタリアワインについては、「イタリアワインの魅力!王様のバローロと個性溢れるローカルワインをおさえよう!」という記事でもご紹介していますが、今回は、イタリアのブドウ品種「ネッビオーロ」にスポットを当てていきたいと思います。
ネッビオーロとは、どんなブドウ?
ネッビオーロは、ピエモンテ州の最高級品種で、ピエモンテ州以外でも 高品質ワインの原料として使用されています。ネッビオーロ種には、
・ランピア
・ミケ
・ロゼ
・ボッラ
の四タイプがあり、、そのうちのランピア種が最も生産量が多いです。 ミケは生産量こそ少なく、高品質で、ロゼとボッラは現在ほとんど栽培されていません。
ネッビオーロはワインにすると、口当たりはソフトですが、しっかりとした酸と骨格のはっきりしたタンニンを感じることができ、長い熟成によって、バラやスミレ、数々のスパイス、トリュフやなめし革などを連想させる複雑で深みのある香りになっていきます。
色合いは深いガーネットで、熟成が進むにつれて美しいオレンジ色へ変わっていきます。見た目はトロリとしていて、うっとりするような美味しそうなオーラを放ちます。他品種とのブレンドもありますが、単一品種でワインが造られることが多いです。
ネッビオーロと言えば、バローロとバルバレス
・イタリアワインの王様と称えられるバローロ
・バローロと並ぶ最高級のバルバレスコ
この2つのワインに使われているのが、ネッビオーロです。
つまり、イタリアワインの王様のブドウ品種と言えます。
バローロは、「どっっしりとした重厚な味わいで長期間の熟成にフィットしたワイン」と「なめらかで口当たりの第一アロマがはっきりと表れるワイン」があります。
ネッビオーロとレチョート
レチョートとは「耳たぶ」という意味で、主にヴェネト州のヴァルポリチェッラ地区で伝統的に作られてきた甘口ワインです。
秋に収穫したネッビオーロを翌年の2月頃まで風干しをして、耳たぶくらいの柔らかい干しブドウのの状態になるまで乾燥させてから、醸造します。
ネッビオーロとアマローネ
アマローネは、限られた生産者がごく少量生産し、かつては王侯貴族しか口にできなかったと言われるほど 贅沢に造られた稀少なワインです。
ローマ時代から培われてきた伝統製法で、干したネッビオーロを苦みのある辛口のワインに仕立てあげます。
ネッビオーロは晩熟性のあるブドウ
ネッビオーロは、ピエモンテ地方に霧が発生する10月半ばまで収穫を待たなければならないことに、名前が由来しています。イタリア語で霧はネッビア。
ネッビオーロの晩熟性が、バローロやバルバレスコ以外の産地で栽培を難しくしていると言われています。
大器晩成型の高品質ブドウがネッビオーロなのです。
しかし、近年は、地球温暖化によって、世界中のブドウが放っておいても完熟しすぎるほどに完熟する傾向があるため、ネッビオーロのような晩熟なブドウこそが、これからの気候にはフィットしたブドウで、イタリアを超え、世界中で栽培される可能性もあります。
最後に
イタリアワインについて、これまでも記事にしていますが、
・ワインであるバローロ
・ブドウ品種であるネッビオーロ
・産地であるピエモンテ
をセットで覚えると、より理解が深まると思います。厳密には、バローロもバルバレスコも産地なのですが、大きくはピエモンテ州です。
こうやって、ワインでよく言葉と言葉の関係性を結び付けると、ワインについて腑に落ちた感覚になっていきます。ぜひ、今回の記事だけでなく、以下のイタリアワインに関する記事もご参照頂ければと思います。
<参考>
「イタリアワインの魅力!王様のバローロと個性溢れるローカルワインをおさえよう!」
「すぐ分かる「ピエモンテ」!ワインでよく聞く「ピエモンテ」って何?」