今年もボジョレヌーボーの季節がやってきた!
一年に一番のワインイベントといえば、やはり11月3週目木曜日のボジョレーヌーボーの解禁日ですよね。
バブル期のような異常な盛り上がりはないものの、今でも、季節の風物詩として毎年とりあえず今年のボジョレーは買ってみる、あるいは、レストランやワインバーではオーダーしてみるという方も多いのでは?
今回のMELLOW magazineでは、皆さん一度は飲んだことのあるだろうこのボジョレーヌーボーについて、ブドウ品種や味わいの特徴、独自の製法、ぴったりマッチする食べ物などを詳しく解説します。
◇そもそもボジョレーヌーボーって何?
フランス語では、Beaujolais Nouveauと書くボジョレーヌーボー。Beaujolaisは地名、Nouveauは「新しい」という意味のフランス語でつまり、フランスのボージョレ地区で生産される新酒ワインのことを言います。
ボジョレー地区は、フランスのブルゴーニュ地方の一番南に位置しています。
ブルゴーニュといえば、コートドールと呼ばれる北部エリアがピノノワールやシャルドネの世界的銘醸地として知られていますが、ボジョレーも実はそのブルゴーニュ地方の一部なんですよ。
◇ボジョレーヌーボーといえばこの品種!
ブルゴーニュ南部に位置し、気候も北部と比べ温暖なボジョレー地方。
ピノノワールやシャルドネが作られる北部と違い、ブドウは主にガメイという品種が栽培されています。
発芽や成長が早く、涼しい気候でもよく育ち豊作となるガメイはもともと、緯度が高く冷涼なブルゴーニュ地方の全域で栽培されていました。
しかし、石灰岩土壌の北部ブルゴーニュでは、収穫されるブドウの品質が良くなく薄いワインしかできなかったことから、1395年にはブルゴーニュ公爵により、ブルゴーニュ北部でのガメイの栽培禁止令が出されてしまいます。
その後、ガメイはブルゴーニュ南部に移植されますが、ガメイはブルゴーニュ南部の痩せた花崗岩土壌によく合ったため、ボジョレーの主要栽培品種として定着しました。
現在では世界で収穫されるガメイの半分以上はボジョレー産で、ボジョレーワインの大半をガメイのワインが占めています。
ガメイの特徴は、大きな果粒と薄い果皮です。
果汁に対する皮や種の比率が少なくなるため、皮や種に含まれる色素のアントシアニンや渋みの元となるタンニンが少なく、軽めの赤ワインができあがります。
◇軽やかな味わいは、作り方に秘密あり
通常、赤ワインを醸造する際は、ブドウから絞ったジュースに果皮や種を漬け込んだままアルコール発酵をすすめ、その状態で数日〜2週間程度置いておき、アルコールの力で赤い色素や渋みの元であるタンニンをしっかりと抽出します。これにより、熟成に耐える良質の赤ワインができあがるのです。
また、発酵終了後のワインは樽などに詰められ、半年〜2年ほどの熟成期間を経た後、ようやくリリースされます。
ところが、新酒であるボジョレーヌーボーは、ブドウの収穫から2ヶ月あまりでリリースされるため、通常の赤ワインづくりのように醸造工程に時間をかけることができません。
そこで、ボジョレーヌーボー作りでは、短期間で飲みごろのワインを作ることのできる炭酸ガス浸漬法(カルボニックマセラシオン)という特殊な方法で醸造します。
炭酸ガス浸漬法は、その名の通り、発酵時に発生する炭酸ガスを利用して発酵させる方法です。
密閉したタンクにブドウを詰めていくと、ブドウ自身の重みでタンクの下部のブドウが潰れ、まずアルコール発酵が始まります。アルコール発酵により炭酸ガスが発生しますが、空気より重い炭酸ガスはタンクの下部にどんどん溜まっていきます。
タンク内のブドウが二酸化炭素に囲まれて酸素が遮断されると、細胞内醗酵と呼ばれる発酵が始まります。ブドウ自身が持つ酵素により、ブドウに含まれるブドウ糖が、アルコールと炭酸ガスに分解されるのです。
炭酸ガス浸漬法で作られるワインは、発酵期間が数日程度と短いため、タンニンの抽出は少なく渋みは控えめですが、炭酸ガスがブドウの果皮に浸透するため色素はしっかりと抽出されます。
味わいは、細胞内醗酵に由来するバナナやチューインガム、シナモンを思わせる甘い香りがあり、また、酸素に触れない発酵のため酸化が抑えられるので、摘みたてのブドウの果実味が保持されてとてもフレッシュなのが特徴です。
半面、発酵期間の短さは赤ワインらしいコクや深みの欠如につながり、「薄い」「水っぽくて美味しくない」と、物足りなく思う方も多いようです。
ボジョレーヌーボーは、解禁日に間に合わせるために航空便で輸送されるため輸送コストが高く、一般的なワインに比べると価格が高額です。
そのため、この炭酸ガス浸漬法による味わいの特徴が、価格の高さに対して味わいが今一つという評価にもつながっているようです。
◇ボジョレーヌーボーの味わいと、ぴったりマッチするフードを知りたい!
華やかな赤色に、バナナやイチゴキャンディーのような甘い香りとフレッシュなベリーの果実味、豊かな酸味と、渋みの少ない軽やかな味わいのボジョレーヌーボー。
こんなボジョレーヌーボーには、ペアリングするお料理も、通常の赤ワインに合わせるようなボリュームたっぷりのステーキや肉料理より、優しく繊細な味わいの料理が向いています。
例えば、イチジクの生ハム巻き、クランベリーなどのドライフルーツをトッピングしたサラダ、野菜のグリルといった、フルーツや野菜を使ったお料理はボジョレーヌーボーの軽やかさにピッタリです。
お肉であれば、ビーフよりもポークやチキンが良くマッチします。
華やかなベリー系の風味のあるワインなので、例えば、冷凍ベリーで作った甘酸っぱいソースをかけたローストポークなどはとても好相性です。
また、酸味の豊かなワインなので、チキンのトマトソース煮込みなど、酸味のあるトマトソースを使ったお料理と合わせても美味しくペアリングできるでしょう。
チーズなら、カマンベールやブリーのようなまろやかな味わいの白カビタイプや、クリームチーズのように癖のないフレッシュチーズがよく合いますよ。
◇ボジョレーヌーボーを美味しく飲む適温は?
ライトボディのボジョレーヌーボーは、通常の赤ワインよりやや冷やして飲むと、より美味しく感じられます。飲みごろ温度は、10-12℃くらいです。
冷えたワインはグラスに注ぐことで1℃ほど温度が上昇するため、10℃まで冷却して開栓すればちょうどです。
冷蔵庫で冷やす場合、およそ10分で1度冷えるので、室温から10を引いた数に、10分をかけた分がおよその冷却時間の目安です。
急いでいる場合は、ワインクーラーに水と氷を入れて冷やすと良いでしょう。ワインクーラーの場合、およそ1分で1℃冷えるので、室温から10を引いた数が理想的な冷却分数となります。
◇ボジョレパーティーにも一本あると便利なノンアルコールワイン
年に一度のボジョレーヌーボー解禁は、ボジョレーファンでなくてもやっぱりウキウキとしてしまうもの。
ワイン好きや美味しいもの好きの友人知人を集めて、好みのワインやお料理を持ち寄ってホームパーティーをしてみてはいかがでしょう?
そんな時に、あると便利なのがノンアルコールワインです。
妊娠・子育てなどでアルコールを我慢中の女友達や、車で来る遠方の知人も気兼ねなくパーティーに誘って、みんなで盛り上がる事ができますよ。
また、アルコールが飲める方も、途中にノンアルコールワインを挟めば、飲み過ぎを防いでパーティーを楽しむことができますね。
MELLOW magazineがおすすめするのは、ベルギー王国ネオブュル社のノンアルコールワイン ヴィンテンス・シリーズ。
ヴィンテンス・シリーズは、本物のワインを減圧蒸留法より蒸留し、ワイン本来が持つアロマ・フレーバーを守りつつアルコールのみを蒸発させて作ったノンアルコールワインです。
発酵由来のワインらしい風味がしっかり残っており、ブドウジュースとは一線を画した本格的な味わいのノンアルコールワインです。
MELLOW storeのヴィンテンス・シリーズは、全部で4種類。
お好みの味わいを見つけてくださいね!
ヴィンテンス メルロー(ノンアルコール赤ワイン)3本セット
→ tore.com/view/item/000000000204″>MELLOW storeで見る
赤いベリーの果実味に、ほんのりとしたロースト香。程よいタンニンに、かすかに感じるスパイシーさ。優しい味わいで、まろやかな口当たりのノンアルコール赤ワインです。
ヴィンテン スオリジン レ・ギャレ(ノンアルコール赤ワイン)3本セット
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ブドウ栽培から醸造、瓶詰までをワイン作りの専門家・エノロジストが監修し、品質にこだわり抜いて作られたヴィンテンス・オリジン シリーズの赤ワインです。
ブラックベリーやブルーベリーのしっかりとした果実味、ソフトな口当たりながらボリュームや力強さも感じられるノンアルコール赤ワインです。
ヴィンテンス シャルドネ(ノンアルコール白ワイン)3本セット
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橘類と青リンゴのフレッシュなアロマとフレーバー。果実味の中に感じるキリリとした酸に、上品なオークのニュアンス。爽やかな中にもコクが感じられる、すっきりとクセのない味わいのノンアルコール白ワイン。甘くないので食事にも合わせやすいです。
ヴィンテンス オリジン テッラ・オーストラリア(ノンアルコール白ワイン)3本セット
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ブドウ栽培から醸造、瓶詰までをワイン作りの専門家・エノロジストが監修し、品質にこだわり抜いて作られたヴィンテンス・オリジン シリーズの白ワインです。
香しいドイツ系品種の香りに、豊かな酸味。フルーティーで華やかな味わいのノンアルコール白ワインです。
2020年には、世界的なワインコンクールであるブリュッセル国際コンクールのノンアルコール部門で金賞を獲得。味わいも折り紙付きです。
【こちらもご覧ください!MELLOW magazine過去記事】
・飲んでみよう!世界の新酒ワイン
・高級ワインと安物ワイン、いったい何が違う?!
・ノンアルコールワイン好きにも知ってほしい、ワインのボディについて!