2021/7/15 posted
楽しむ・学ぶ
暑い夏は、やっぱりキリッと冷えたビールが最高ですよね!
今回は、夏に向けてビールの美味しい飲み方を大研究。
ベストな温度は?
グラスに移したほうがいいの?
など、普段のビールをもっと美味しく飲むコツが満載ですよ!
◇美味しいビールを選ぶには、鮮度に注目!
ビール大国として知られるドイツでは昔から「ビールは醸造所の煙突が見える場所で飲め」と言われているそうです。
これは、そもそもビールは、工場から出荷されたばかりの作りたてを飲むのが最も美味しいということ。
ビールはとてもデリケート。熱や光や振動にさらされることで品質がそこなわれてしまいます。
その昔、輸送手段や保存方法が発展していなかった時代は、長い時間をかけて遠くまで運ばれたビールは品質が低下し美味しくなくなってしまったため、このように言わることとなったのでしょう。
現在では、輸送・保存方法の進歩によって状況は改善し、ビール工場より遠く離れた自宅でも美味しいビールが飲めるようになりました。
しかし、やはり製造日から間もない作りたてビールの美味しさは格別です。
次回ビールを購入する際は、商品の製造年月日を確認してできるだけ新しいものを選んでみましょう。
また、ビール工場に見学に行って飲む、工場で直接購入する、作りたてビールを工場から通信販売で購入するなども、チャンスがあれば是非試してみてくださいね!
◇美味しさをキープする保管方法
現在日本でのビールの賞味期限は製造年月日より1年とされています。
賞味期限内であれば品質の劣化はなく飲めますが、美味しさをできるだけキープするには、購入後の保管方法がとても大切です。
品質を維持する保管方法のポイントは3つ。高温、光、振動を避けること。
それぞれ解説してみましょう。
・高温を避ける
ビールは温度変化に弱く、特に高温に置かれると風味が著しく低下します。
特に、30度を超える温度にさらされると、カードボード臭(段ボールに似た臭い)や、老化臭(甘ったるいモッサリした臭い)などの酸化臭が生じるので要注意。
お店でビールを購入して持ち帰る際は、車内など暑い場所に長時間置くのは避けましょう。
自宅で保管する際は、冷蔵不要のビールであっても、室内に置きっぱなしにするのは避けたほうが良いでしょう。
冬季であれば暖房の入らない廊下や納戸、夏季なら冷蔵庫で保管が安全です。
また、酵母が生きているタイプのビールの場合、必ず冷蔵保存が求められます。室内に放置すると発酵が進んで味が劣化し、王冠からビールが吹いてしまうことも!
いつもと違う銘柄を購入する場合は、必ずラベル表示を確認して、しかるべき温度で保管しましょうね。
・光を避ける
瓶ビールは、茶色や緑の瓶に入っていますよね。実はあの瓶の色は、光によるビールの劣化を軽減するためのもの。
ホップに含まれる成分の一部は、緑~紫外線の波長に反応し異臭を発生します。その光線をカットするために、ガラスをあのように着色しているのです。
ちなみに、瓶ビールを光に当てた場合、日光臭(スカンク臭)という、スカンクのおならや小動物のフンの臭いに似た不快な異臭が発生するので要注意です!
なお、日光だけでなく、蛍光灯の光でも劣化は進んでしまいます。
なので、光が完全に遮断されるアルミ缶にはいった缶ビールと違い、瓶ビールの場合は光の入らない場所で保管したいものです。
冷蔵不要の瓶ビールであっても、できれば冷蔵庫など、完全に光がシャットアウトされる場所に保管すると安全ですね。
・振動を避ける
もう一つ、保管の際に避けたいのが振動。
振動を与えると瓶や缶の中で炭酸ガスが分離した状態になります。
この状態で開栓すると、急速に炭酸が抜けてしまい味わいのバランスが崩れてしまうのです。
冷蔵庫で保管する場合は、ドアポケットのような開け閉めによってたびたび振動する場所は避けて、振動のない場所に保管しましょう。
また、買ってきた直後のビールは冷えていてもすぐに飲まないほうがよいです!
買ってきた直後のビールは、運んでくる途中の絶え間ない振動で、瓶や缶の中で炭酸ガスが分離してしまっています。
炭酸を落ち着かせるために、最低でも一日程度冷蔵庫においてから飲むのがベターですよ!
◇ビールを最高に美味しくする温度は?
スーパーで一般的に売られているのは低温発酵させるラガーというタイプのビールです。
爽やかな口当たりが特徴のラガービールが最も美味しく感じる適温は4℃~8℃の間。夏は低めで、冬はすこし高めの温度にするのがよいでしょう。
家庭用の冷蔵庫の場合は、室温のビールを入れて4時間程度冷やすと大体の適温になります。
なお、グラスに注いで飲む場合は、グラスの熱でビールの温度が高くなってしまうため、グラスもしっかりと冷やしておくのが良いですね。
これに対して、最近流行のクラフトビールなどは、常温で発酵させるエールというタイプのビールです。
ホップや発酵に由来する華やかな香りの成分をふんだんに含んだエールビールは、香りが揮発しやすくなるちょっと高めの8℃~13℃程度が適温。
エールビールの場合は、冷蔵庫から取り出して、常温のグラスに注ぐとちょうど飲み頃温度になりますよ。
◇グラスに注ぐと、いつものビールがワンランクアップ!
家でビールを飲むときは、お手軽に、缶や瓶をプシュッと開けてそのまま飲むという方が多いと思います。
しかし、美味しくビールを楽しむためにぜひともお薦めしたいのが、グラスに注いで飲むことです。
まず、缶や瓶の飲み口は小さく、ビールの持つホップや麦、発酵に由来する豊かな香りを十分に堪能することができません。
また、通常、ビールは品質維持のためガスが多めに入った状態で工場から出荷され、グラスに注いだ時にちょうど良い味わいとなるように作られています。
なので、缶や瓶から直接飲む場合、炭酸が強すぎて荒い口当たりになってしまいます。他に、缶臭さ・瓶臭さを感じてしまう場合もあります。
なので、そのビールのもつポテンシャルを十分に発揮させるには、グラスに注いで飲むのがベストなのです。
ビールの味わいによって適するグラスの形状は異なり、爽快な飲み心地が特徴のラガービールの場合は、口が大きく開いたビールジョッキやタンブラー、ピルスナータイプのグラスが適しています。
クラフトビールなどのエールビールの場合は、ワイングラスのように飲み口がすぼまったチューリップタイプのグラスがお薦めです。
香りがグラスの中にとどまるため、エールの特徴であるフルーティーな香りを十分に堪能することができますよ。
◇ビールを美味しくする三度注ぎ
また、グラスに注ぐことのもう一つの利点が、泡を立てることができる点。
ビールの泡の正体は、ホップに含まれる苦味成分であるイソフムロンが、麦に由来するタンパク質と結びついたもの。
ビールをグラスに勢いよく注いで炭酸の泡を出すと、この物質が炭酸の泡を包み込んでビールの泡となります。
つまり、グラスに注ぐ際にしっかり泡をたてることで、クリーミーな口当たりを楽しめるだけでなく、ビールの苦味をマイルドにすることができるのです。
また、しっかり立てた泡は、ビールを覆う蓋の役目を果たすため、炭酸や香りが長持ちします。
しっかりした泡を立てるには、注ぎ方がポイントになります。
おすすめするのは、ドイツやチェコで伝統的に行われている注ぎ方である「三度注ぎ」。
やり方は以下のとおりです。
1.
グラスは寝かせず垂直に立て、少し高い位置から、ビールを勢いよく注いでグラスがいっぱいになるまで泡を立てる。
泡が落ち着き、グラスの半分程度に減るまで数分待つ。
2.
泡が落ち着いたら、グラスをやや斜めにし、缶や瓶の口をグラスの縁につけ、静かに泡の下にビールを注ぎ込む。
徐々にグラスを起こして、泡がグラスの口より1センチ程度盛り上がるまで注いで、泡が落ち着くまで少し待つ。
3.
仕上げに、垂直にグラスを立てた状態で、もう一度上からビールを注ぎ入れて、飲み口より2センチ程度盛り上がるまで泡を立てたら完成。
なお、クリーミーな泡の口当たりと、爽快なビールの味わいがバランスよく楽しめる黄金比率はビール:泡=7:3と言われています。
三度注ぎで注ぎ終わった時に、ビールと泡のバランスが7:3になるよう目指しましょう。
三度注ぎで作った泡はモコモコと盛り上がりきめ細やかで、ビールを飲み終えるまで消えにくいのが特徴です。
なお、グラスに汚れ(油分)が付着していると、いくら注ぎ方を工夫しても泡が消えてしまいます。
ビールグラスは使用前にしっかり洗って、汚れが付着しないよう、フキンなどは使わず自然乾燥させるのがベストですよ。
普段、家ではビールはそのまま飲んている方も、一度正しい注ぎ方でビールグラスに注いで楽しんでみてください。
いつものビールが本来持っている味わいを、100%引き出して堪能できますよ!
◇ビールに合うおつまみは?
ビールを開ければ、どうしても欲しくなるのはおつまみですよね。
お酒と食べ物を組み合わせるフードマリアージュの観点から言うと、お酒の味わいと似た味の要素を持つ食べ物か、もしくは正反対の味の要素を持つ食べ物を組み合わせると相性が良いと言われています。
例えば、日本でビールに定番のおつまみといえば、思いつくのは枝豆。
サッパリした豆の味わいに、よく塩を効かせた味付けはサッパリ爽快なラガービールと好相性です。
また、唐揚げもビールに良く合う組み合わせ。
濃厚な味わいの鶏もも肉を油で揚げて塩コショウを効かせた唐揚げは、爽やかな口当たりのラガービールと正反対。お互いにない要素を補い合うベストパートナーです。
料理でいうと、
・焼き魚など、シンプルな食材に塩気を効かせた料理
・餃子のようにガーリックや、黒胡椒・チリペッパーなど香辛料を使った料理
・揚げ物、グリルした肉などオイリーでボリュームある料理
などがビールと好相性です。
なお、「ビールに合うおつまみと言えば?」を尋ねた調査によると、人気おつまみランキング・トップ5は以下のとおりでした。
1位 枝豆
2位 焼き鳥
3位 唐揚げ
4位 ソーセージ
5位 餃子
やはり、上記の要素を持ち合わせたおつまみの人気が高いことがわかります。
おつまみ選びの参考にしてくださいね!
◇美味しいノンアルコールビールはこれだ!
健康のためにノンアルコールビールを楽しみたいけれど、スーパーで購入する国産のノンアルコールビールにはいまいち不満足な方におすすめなのが、MELLOW STOREで取り扱い中の、ベルギーのネオブュル社製造のノンアルコール・ベルギービール「ビア・デザミー0.0」。
ビア・デザミー0.0は、ベルギーの伝統的な上面発酵により作られたブロンドエールをベースに作られたノンアルコールビールです。
一旦醸造したビールを、真空蒸留設備を使い32℃という低温で蒸留し、ビールらしいアロマを残したままアルコールを0.0%まで除きました。
なので、ノンアルコールにもかかわらず、本物のビールを思わせる味わいが特徴です。