暑さを乗り切る、夏バテ防止対策
梅雨明けし、各地で気温が30度を超える日が続くようになりました。
この時期、心配になってくるのが夏バテ。
今回は、夏バテの原因、夏バテしないために気をつけたい事柄、夏バテを防止してくれる食べ物など、夏バテ対策の数々をご紹介します!
◇夏バテの症状と、夏バテ原因とは?
毎年、暑い時期になると
・体がだるい、疲れが取れない
・無気力、思考力の低下
・食欲不振
・体がむくむ
・頭痛、めまい
・下痢・便秘
などの体調不良に悩まされることはありませんか?
これは夏バテと呼ばれる状態です。
夏バテは、夏の暑さに体が順応できず、その結果、さまざまな体調不良が生じてしまうことを言います。
夏バテには、複数の要因が関わっていると言われていますが、大きな原因として次のようなことが挙げられます。
【原因その1】温度差による自律神経の乱れ
ヒトの体温調節には、交感神経と副交感神経という二つの自律神経が関わっており、これらの神経が血管を拡張・収縮させたり、心拍を増加・抑制させることで体温を調節しています。
しかし、気温が高い屋外と、冷房が効いている室内を行き来すると、急激な温度の変化に自律神経の働きが乱れ、体調不良を引き起こしてしまうのです。
【原因その2】暑さによる睡眠不足
暑い夜は眠りにつきにくいもの。実は、睡眠状態に入るには、深部体温と呼ばれる体の内部の温度が下がる必要があるため、室内が暑いとよく眠れなくなるのです。
ヒトの体は、睡眠中に体の疲労を回復し、脳を休めて活力を取り戻しますが、熟睡ができないと、心身ともに疲労が蓄積していってしまいます。これが夏バテを引き起こします。
【原因その3】発汗による脱水状態
また、暑さによる発汗で、体内の水分・ミネラルが不足して起きる脱水状態も夏バテ原因の一つです。
実は、汗をかく目的は、汗が皮膚の上で蒸発する際の気化熱によって体温を下げるため。しかし、気温の高い夏は大量の汗をかくため、水分・ミネラルが汗と一緒に排出されて脱水状態が引き起こされる恐れがあります。
私たちの体の約60%は、水分とミネラルからなる体液で満たされています。
体液は、全身の細胞への栄養素・酸素の供給や、老廃物の排出、臓器の温度の調整など重要な働きを行っていますが、脱水状態に陥るとそれらの働きがスムーズに行われなくなります。
その結果、食欲不振やだるさ、頭痛、めまいなど夏バテの症状が出てくるのです。
◇夏バテを避けるために、気をつけたい生活行動
それでは、夏バテしにくい体を作るために、毎日どのようなことに気を付けて生活すればよいのでしょうか?
【予防法 その1】しっかり水分をとる
気温が高く、運動などをしなくても汗をかきやすい夏。室内にいたり、喉の渇きを感じていなくても、体は脱水状態に陥ってしまう場合があるので、しっかり水分補給をしましょう。
大人が一日に必要な水分摂取量は1~1.5リットル。甘いジュースなどは避け、発汗により失われてしまうミネラル類を補うため、麦茶・ルイボスティー・コーン茶などミネラルを含んだノンカフェインのお茶や、ミネラルと糖分を含んだスポーツドリンクをこまめに摂取するのがよいでしょう。
また、食事の際はお味噌汁を飲むことで、水分やミネラルが補えるだけでなく、たんぱく質や必須アミノ酸、汁に溶け出した具のビタミン類も無駄なく摂取できますよ。
【予防法 その2】エアコンの活用を!でも冷やしすぎはNG
エアコンは体に悪いので使わないという方もいますが、暑すぎると体調を崩すため、適度な使用をおすすめします。
ただし、屋外と室内の温度差が大きすぎると、体温調整をつかさどる自律神経のバランスを崩してしまいます。エアコンの温度設定は、屋外の気温より5℃以上低くならないようにしましょう。
【予防法 その3】睡眠をしっかり取ろう
睡眠は心身の疲労を回復する働きがあります。夏バテ予防のためには、夜更かしは避けて規則正しい生活を心がけ、睡眠を十分に取って翌日に疲れを残さないようにしましょう。
規則正しい生活のためには、睡眠リズムを整えることが大切。起きてすぐにカーテンを開け、窓辺で朝日を浴びましょう。
太陽光が体内時計をリセットし、夜に自然な眠気を催すようになります。
また、室内が暑いとよく眠れなくなるため、夜の間もエアコンは切らないのがベター。
眠る直前に、28度前後の高めの温度設定にしてつけっぱなしにしておけば、室温は眠りについてから徐々に上昇するため、朝まで快適に眠ることができます。
【予防法 その4】入浴時は湯船につかる
ぬるめのお風呂(38度前後)にゆったりつかることで、心身がリラックス。夏場に乱れがちな自律神経の働きも安定し、安眠にもつながります。
忙しいからとシャワーだけで済ませず、時にはゆったり湯船につかりましょう。
【予防法 その5】軽い運動を行う
定期的な運動で適度に汗をかくことで、自律神経が活性化。体力もつき、夏バテに負けない体を作ることができます。
なお、自律神経のバランスを整えるためには、ハードな運動よりも、ウオーキングやスロージョギングなど軽い運動のほうが適しています。
真夏の運動は暑い時間帯を避け、早朝や夜に行いましょう。朝のラジオ体操も、夏バテ防止にピッタリですよ!
◇食べて予防!夏バテ防止フード
食欲が低下しがちな夏。それにはきちんとした理由があります。
意外に聞こえますが、気温が上がる夏は、冬と違って体熱が外に奪われないため、体が余分な熱を作り出す必要がないので基礎代謝が低下します。そのため、自然と食が細くなる傾向があるのです。
また、暑さのために、口当たりの良い冷たい飲み物やアイスクリームについつい手が伸びたり、食事も冷たい麺類が増えるなど、炭水化物がメインの、栄養素を欠いた食生活になりがちです。
このような食生活では、カロリーは取れても、体に必要なたんぱく質やビタミン・ミネラルなどの栄養素は十分に取れないため、さらに夏バテを促進してしまう恐れがあります。
たくさん食べられないのであれば、食べる内容が大切!
夏バテ回復に効果的な栄養素を多く含んだ食材を、食欲をアップさせるよう工夫して調理してみましょう。
夏場におすすめの食材としては、豚肉、うなぎ、レバーや、豆腐・納豆をはじめとした大豆製品など、疲労回復に特に有効な栄養素として知られるビタミンB群を豊富に含む食材がよいでしょう。
中でもビタミンB1は炭水化物からエネルギーを作り出す際に欠かせないビタミンで、筋肉に蓄積された乳酸の代謝を高めるなど、肉体的疲労の回復に効果があります。
自律神経の乱れを調整する働きもあるため、夏バテ対策にぜひ取り入れたい栄養素です。
ちなみに、これらの食材を調理する時にニンニクを使うと、ニンニクに含まれる成分アリシンが、ビタミンB1の吸収を助けてくれます。
穀物の場合は、胚芽部分にビタミンB群を多く含んでいるため、主食は玄米ご飯や胚芽パンにするとよいでしょう。
また、発汗により不足しがちなミネラルを補える食材も、夏バテ対策にぜひ取り入れたいものです。
特に、細胞の浸透圧を維持をして水分を保持する働きのあるカリウムは、不足すると倦怠感・疲労感を引き起こすため、夏バテ対策にぜひとも取りたいミネラルです。
カリウムは、とろろなどのいも類、ほうれん草・小松菜・ブロッコリーなどの野菜類、果物なら夏場が旬のメロンやブドウに豊富に含まれています。
ほかにも、強い抗酸化作用があり、紫外線ダメージから肌を守ったり、疲労回復に効果が期待できるビタミンCも、夏に積極的に摂取したい栄養素です。
レ少しモンやいちごなどのフルーツに含まれるイメージが強いビタミンCですが、実は野菜にも豊富に含まれており、旬の夏野菜であればピーマンやゴーヤがビタミンC豊かです。
また、口当たりが良く、食欲をがき立てるように、調理法にも工夫してみましょう。
食欲増進の助けになってくれるのは酸味。レモンや梅干しなど、ビタミンCやクエン酸を含む食材を味付けに使うと、疲労回復に役立つだけでなく、酸味が唾液の分泌を促すため、消化を助けてくれます。
また、ニンニクやネギなどの香辛野菜、カレー粉や唐辛子などの香辛料も食欲をアップさせてくれます。特に、香辛料はインドや中国では薬として使われてきた歴史も長く、夏場に弱った胃腸の調子を整えたり、食欲不振を改善する効果がありますよ!
【おすすめレシピ】
★暑さに打ち勝つ!豚とろろ丼★
疲労回復に役立つビタミンB群を含む豚肉を素揚げにして、食欲をそそるしょうがとニンニクを使った香ばしいタレを絡めました。
汗をかいて失われがちなカリウムを山芋のとろろで補う、夏にピッタリのどんぶりです。
(材料)一人分
豚こま肉 100グラム
片栗粉 適宜
調味料として 砂糖、しょうゆ、酒、各大さじ1、おろししょうが、おろしニンニク各小さじ1
山芋100グラム
レタス 1枚
ごはん1膳
トッピング用 白ごま 適宜
(作り方)
・調味料の材料を器に混ぜ合わせておく
・レタスは千切りにしておく
・豚肉に片栗粉をまぶす。フライパンに油をひたひたに熱して、豚肉を揚げ焼きにする。
・余分な脂を捨て、混ぜ合わせた調味料を加えて、照りが出るまで煮る。
・どんぶりにご飯をよそい、レタスの千切りを乗せて、豚肉を盛り付ける。仕上げに白ごまをトッピングしてできあがり。
◇夏バテ対策なら、ノンアルコールビールとワインを!
汗をたくさんかいて体内の水分が不足しがちな夏には、ビールやワインなどアルコールを含む飲み物は避けたほうが良いとご存じですか?
というのも、それはアルコールがもつ脱水作用のため。
アルコールは体にとって有害な物質のため、摂取すると体はすぐに肝臓でアルコールの分解を始めますが、その時、アルコールの分解・排出のために体内の水分が使用されるのです。
発汗で体の水分が不足しているところに、さらにアルコール分解のために水が必要になれば、体はますます脱水症状に陥り、危険な状態になってしまいます!
また、ビールや赤ワインなどカリウムをたくさん含むお酒の場合、カリウムが腎臓でのナトリウムの再吸収を阻害して尿量を増やすため、水分の排出をさらに促してしまいます。
特にビールは、原料として含まれるホップにも利尿作用があるためダブルで危険。ビールを1L飲んだ場合、1.1L の尿が排出されるといわれているほど利尿作用が強いのです。
なので、夏場の飲酒には注意が必要です。
喉が渇いたところに水分補給代わりにお酒を飲むのはNG。きっちり水分補給をしたうえで、節度を持った量を楽しみましょう。
また、アルコールを含まないノンアルコールビールやノンアルコールワインなら、脱水症状の心配なく、安心して楽しむことができますよ!
◇おすすめノンアルコールビールとワイン
MELLOW STOREがこの夏おすすめするノンアルコールビールは、ネオブュル社製のベルギー・ノンアルコールビール「ビア・デザミー0.0」。
ベルギーの伝統的な上面発酵により作られたブロンドエールを真空蒸留設備を使い32℃という低温で蒸留し、ビールらしいアロマを残したままアルコールを0.0%まで除いた、ベルギー・ノンアルコールビールです。
軽めのボディとスッキリした飲み口は、暑い季節にピッタリ。
ビール通にも納得の味わいです!