どうしてあんなに黒い?黒ビールの秘密
深いコクと苦みがクセになる黒ビール。
最近では一般的なスーパーのビールコーナーでも必ず、海外の有名ブランドや国産メーカーの作る黒ビールが並んでおり、根強いファンのいるビールです。
今回は、この黒ビールについて、黒い色を出す方法、黒ビールの種類、黒ビールならではの美味しい飲み方などを、幅広くリサーチしてみました。
◇黒ビール、あの色はどこから来るの?
近年、クラフトビールがブームとなっていますが、クラフトビールには黄金色からアンバー、茶色、黒と、実にさまざまな色合いがありますよね。
実は、ビールの色合いを決めているのは、麦芽の色なのです。
ビールの主原料は、麦芽、ホップ、酵母に水。
そもそも、なぜ麦そのものでなく、わざわざ麦を発芽させた麦芽を使用するのでしょうか?
それには、アルコール発酵のメカニズムが鍵になっています。
そもそも、酵母は糖を食べて、炭酸(二酸化炭素)とアルコールに分解します。これが、いわゆるアルコール発酵と呼ばれる働きです。
ところが、酵母が利用できるのは、単糖類と呼ばれる小さな分子の糖だけ。
麦に含まれるでんぷんは分子のサイズが大きすぎて、酵母はアルコール発酵のための材料にすることができないのです。
そこで、アルコール発酵に先立って、麦のでんぷんをまず単糖類に分解する必要があります。
このために使われるのが、麦が発芽するときに発生するでんぷん分解酵素のアミラーゼ。
このアミラーゼを得るために、ビール作りをする際は、まず麦を発芽させて麦芽にする工程が必要になるのです。
麦芽を作るには、まず麦を水に浸けて発芽させ、芽が出たところで発芽を止めるために乾燥させます。
この時に行われるのが、焙燥という作業です。
発芽によって発生した酵素アミラーゼをたっぷり含む麦芽を、酵素の働きを失わせない80℃程度の熱風にさらし、時間をかけて乾燥させます。
こうして、ビールを作る基本の麦芽であるベースモルトができあがります。
ところが、ベースモルトだけでは、ビールの味わいに香ばしさを与えたり、黄金色や琥珀色などの色合いをもたせることはできません。
そこで、乾燥を終えた麦芽をさらに高温で焙燥し、糖分をキャラメル化させて色づけます。
こうして色づけた麦芽をベースモルトに少量配合することで、ビールにさまざまな風味や色をつけることができるのです。
焙燥の度合いにはさまざまな程度がありますが、黒ビールに使われるのは、こんがりと茶色く色づくまで焙燥したチョコレートモルトや、黒く焦げるまで焙燥したブラックモルトです。
これらのモルトが、ビールに茶色〜黒い色や、チョコレートやコーヒーのような風味を与えるのです。
◇こんなにたくさんある!世界の黒ビール
さて、日本で黒ビールというと、やはり有名なのはアイルランドのギネスビールに代表されるスタウトです。
しかし、実は黒ビールにはスタウト以外にもさまざまな種類があるのです。
ここでは、黒ビールの代表的な4つのスタイルをご紹介いたします。
・シュヴァルツ(ドイツ)
ビールは発酵方法により、下面発酵酵母を使うラガースタイルと、上面発酵酵母を使うエールビールの二つに大きく分かれます。
シュヴァルツ、そして、後に説明するドゥンケルは、いずれもドイツ生まれの下面発酵で作られる黒いラガービールです。
シュヴァルツはドイツのバイエルン州生まれ。あの詩人ゲーテが愛したことでも知られる黒ビール。
黒ビールならではのコーヒーやチョコレートのようなアロマはしっかり感じるものの、ラガービールならではのスッキリとキレのある喉越しと控えめな苦みで、黒ビールなのにとても飲みやすいのが特徴です。
ちなみに、日本の大手ビールメーカーが発売している黒ビールは、ほぼこのシュヴァルツスタイルです。
中には「〇〇スタウト」という名前で販売されている品もあり混乱しますが、本物のスタウトとは全く別物ですのでご注意ください。
・ドゥンケル(ドイツ)
ドゥンケルも、シュヴァルツと同じくドイツ生まれのラガースタイルの黒ビール。南ドイツのミュンヘン生まれのビールです。
デュンケルはドイツ語で「暗い」という意味。
その色合いは、シュヴァルツほどに黒くなく深みある茶色で、苦味もマイルド。
苦味が少ない分、麦芽の甘みが感じられるバランスの取れた味わいで、ラガービールならではの爽やかな喉越しもあり、とても飲みやすい黒ビールです。
・ポーター(イギリス)
イギリス生まれの、上面発酵で作られた黒いエールビールがポーター。
ポーターが誕生したのは、18世紀前半のロンドンです。
当時のロンドンでは、売れ残って古くなり味の落ちたブラウンエールを売るために、古いブラウンエール、新しいブラウンエール、ペールエールの3つを混ぜ合わせた「スリースレッド」(英語で3本の糸、という意味)という安いビールが売られており、庶民の人気を博していました。
ところが、注文を受けるたびに3種類のビールを混ぜ合わせるのは、パブの従業員にとって大変手間がかかるもの。
そこに目をつけたのが、ロンドンの醸造家ラルフ・ハーウッド氏。
3種類のビールを混ぜ合わせた味わいの「エンタイア」(英語で、全部揃った、という意味)というビールを作り販売を始めたところ、大ヒットとなりました。
安価に喉を潤してくれるこのビールを好んだのは、ポーターと呼ばれていた港で荷物運びをする港湾労働者たち。
そこから、このスタイルのピール自体が、ポーターという名前で呼ばれるようになったと言われています。
ポーターの色合いは、ブラウンから濃い焦げ茶色。こんがりとローストしたブラウン麦芽に由来するコーヒーやチョコレートのような香ばしい風味と甘みに、上面発酵に由来するコクと厚みのある複雑な味わいがポーターの魅力です。
香ばしい風味とコクを十分に堪能するには、あまりキンキンに冷やさず、ややぬるめの12℃程度の温度で飲むのが良いでしょう。
・スタウト(アイルランド)
「黒ビールといえばスタウト」と、まるで黒ビールの代名詞のように思われているスタウト。実は、もともとスタウトはポーターをコピーして作られた後発のビールスタイルで、アイルランド生まれの黒ビールです。
18世紀のロンドンでのポーターの爆発的な人気は各地に飛び火し、ロンドン以外の地域でも盛んにポーターが飲まれるようになりました。
そこで、ロンドン以外のブリュワリーでもポータースタイルのビールを作ろうとしましたが、水質の違いなどからうまく製品化にこぎつけることができませんでした。
そんな中、アイルランドのギネス社が開発に成功した黒ビールがスタウトでした。
スタウトの魅力は、ポーターよりもさらにシャープな苦みと、アルコール度が高く力強い味わいです。
ポーターは黒い色を出すためにチョコレート麦芽を使っていますが、スタウトの場合、発芽させない麦をそのままローストした「ローストバーレイ」を使っています。
これは、スタウトが作られ始めた当時は麦芽に対して税金がかけられていたため、税金対策として麦芽の使用量を減らすために考えられた方法でした。
しかし、このローストバーレイによりスタウトは、焦げた麦の風味がポーターよりいっそう強く感じられるワイルドな味わいとなったのです。
また、スタウトはベースとなる麦芽に糖化能力の高い淡色麦芽を使用しているため、ポーターよりもアルコール度が高く濃厚な口当たりとなります。
ロースバーレイと淡色麦芽、この2つのポイントによって、あのスタウトの個性的な味わいが生み出されたのです。
こうしてもともとポーターに対抗して誕生したスタウトですが、その味わいはいつしか本家のポーターを上回る人気をよび、ポーターの故郷のロンドンに逆輸入されるほどになりましま。
そして現在では、スタウトスタイルの生みの親であるギネス社は、世界的に知られるビールメーカーとなったのです。
ちなみに、皆さんご存じのさまざまな世界一を認定した「ギネスブック」はもともとこのギネス社が発行を始めたものです。
1950年代初期に、当時のギネス醸造所の最高責任者であったヒュー・ビーバー卿が仲間と狩りを楽しんでいた時に、「最も速く飛べる鳥は何か?」という議論になり、そこから、さまざまなジャンルの一番を集めた書籍を作ればビールのプロモーションになるのではと思いつき、Guiness World Recordsという書籍を発行したのが始まりだそうです。
なんと、元はビールの販売促進のための書籍だったとは、オドロキですね!
さて、スタウトの美味しい飲み方ですが、スタウトもポーター同様、冷やしすぎるとコクや香ばしさが感じられなくなってしまうため、冷やし過ぎないのがポイントです。適温は、ポーターよりさらに高めの15℃程度と言われています。
冷蔵庫から出したてのビールの温度はおよそ7℃程度。
なので、スタウトの場合、冷蔵庫から出して少し室温になじませた方が美味しくいただけます。冬場の場合は、暖房のない冷暗所に保管ししておけば、冷やさなくてもちょうど適温になりますよ。
◇黒ビール、アッと驚く美味しい飲み方いろいろ
個性の強い黒ビールですが、皆さんはどんなおつまみと楽しまれていますか?
ビールとお料理のペアリングの基本に、飲むビールと似ている色合いのお料理を合わせるという方法があります。
黒い色合いの黒ビールには、牛肉のように調理すると黒っぽくなるお肉がピッタリ。
黒胡椒をたっぷり振ってステーキにしたり、黒ビール煮込みなどにしてみましよう。
また、黒いソースと合わせるのもよいです。
プラウンソースで煮込んだシチューや、バルサミコソースをかけたグリル料理、中華であれば黒酢のあんを絡めた炒めものも好相性です。
それから、よく合うのが燻製品です。
スモークチーズ、スモークナッツ、スモークした魚介類などの燻製の香りは、黒ビールの香ばしさとよくマッチしますよ。
また、予想外に好相性なのが、甘いものやクリーミーな食べ物。
黒ビールのコーヒーやチョコレートのような香りは、甘い味わいに実にマッチします。
イギリスやアイルランドには、黒ビールで作ったケーキがあることからも、甘い味付けとの相性の良さがよくわかりますね。
また、黒ビールはチョコレートとも好相性。特にオレンジピールをダークチョコで包んだ「オランジェット」との相性は抜群です。
チーズであれば、クリームチーズやカマンベールのような濃厚でクリーミーなタイプが、黒ビールの香ばしさを引き立てます。
また、面白い飲み方としては、黒ビールにバニラアイスを浮かべるビアフロートがあります。
「えーっ、ビールにアイス?」と思われるかもしれませんが、その味わいは、まるでアイスクリームにエスプレッソをかけたアフォガードのよう。
ぜひ試してみていただきたいメニューです。
◇濃厚黒ビールに疲れたら、ブロンドエールのビア・デザミー
コーヒーを思わせる苦みと、コクのある味わいが魅力の黒ビール。
美味しいけれど、何杯も飲むのはちょっとつらいかも…。
そんな時におすすめなのが、ベルギービールのビア・デザミーです。
色合いはピルスナーを少し濃くしたような黄金色。
ホップの香りや苦味は控えめで、しっかりと麦芽の香りが感じられる味わいに、副原料に使用したオレンジピールがフルーティーさをプラス。
爽やかな飲み口は、重たい黒ビールを飲んだ後の二杯目に最適です!
また、酔いが回ってきたら、ビア・デザミーから作ったノンアルコールビール ビア・デザミ−0.0で、本格的なエールの味わいを楽しみながら中休みはいかが?
真空蒸留設備を使い32℃という低温で、フレーバーの熱劣化を抑えながら蒸留し脱アルコールしたので、エールのフルーティーな味わいはそのままにアルコールは0.0%。
ビールのおいしさを楽しみながら、アルコールの過剰な摂取を控えることができますよ!
ベルギー・ネオブュル社「ビア・デザミー」
【アルコール入り】
BIERE DES AMIS ビアー・デザミ・ブロンド 330ml ×24本セット
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【ノンアルコール】
BIERE DES AMIS 0.0% ビアー・デザミ0.0パーセント 12本セット
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【こちらもご覧ください!MELLOW過去記事】
・今さら聞けない、クラフトビールって何?
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・人気No.1クラフトビール、IPAについて知りたい!