【ヴィン・サント】デザートワインの種類:イタリア
ヴィン・サントの概要
ヴィン・サントは、イタリアで最も希少で高価デザート・ワインです。ヴィン・サントはイタリア中央部でほぼ全生産を占める土着のワインです。また、通称「聖なるワイン」と呼ばれ、トスカーナ地方、ウンブリア州の代表的な食後酒となっています。中でもトスカーナのキアンティ地区で造られるものが最も有名です。
ヴィン・サントはブドウを麦わらのマットの上に並べて、水分が約70%減少するまで、最長6ヶ月間ほど陰干ししてから使用します。ブドウを陰干しする手法をアパッシメントと呼びます。収獲したブドウをそのまま天日で乾燥させると、糖分を高まります。
収穫したブドウは、麦わらのマットでアパッシメントされることで、レーズン状になります。そして、乾燥させたブドウを圧搾し、オーク樽や栗の樽で醸造します。発酵は非常にゆっくり進み、完了するまでに4年程掛かる場合もあります。
色は黄金色の輝きを放ち、ナッツのような香ばしい香りと、梅酒のような甘い口当たりで、酸味のバランスの良い上品な味わいが特徴のデザートワインになります。
ヴィン・サントの一般的なスタイル
ヴィン・サントには、白と赤の2つのタイプがあります。
白いヴィン・サント…最もポピュラーなタイプで、ドライイチジクとアーモンド、トフィーのアロマがあります。主にマルヴァジア・ビアンカ種とトレビアーノ種からつくられます。
赤いヴィン・サント…Occhio di Pernice/オッキオ・ディ・ペルニーチェと呼ばれる珍しいヴィン・サントになります。キャラメルとコーヒー、ヘーゼルナッツのアロマを持ち、サンジョベーゼ種で造られます。
ヴィン・サントのワイン選び
ヴィン・サントの主要産地はイタリアのトスカーナ州とウンブリア州ですが、シチリア島にも、陰干ししたブドウを使った「パッシートタイプ」と呼ばれる甘口の優れたワインがあります。
ヴィン・サントとイースター
ヴィン・サントは伝統的にイースターの時期にアーモンド風味のビスコッティに合わせてよく飲まれています。イースターとは、キリストの復活を祝うお祭りで、復活祭と呼ばれます。イタリアの復活祭の昼食は前菜からデザートまで、たくさんの料理を3時間程度かけて食べ続けます。
ヴィン・サントのアロマ
第1アロマ…香水、ラベンダー、オレンジの外皮、イチジク、レーズン、ドライアプリコット
第2アロマ…クリーム、トフィー、ハチミツ
第3アロマ…焦がした砂糖、キャラメル、トーストしたアーモンド、ヘーゼルナッツ
ヴィン・サントの美味しい飲み方
<美味しく飲めるグラス>…小さめの白ワイン用(120ml)グラスが最適です。
<美味しく飲める温度>…約13~16℃。
<美味しく飲める期間>…一般的に最長15年保存が利きます。