【ビオディナミワインの豆知識】自然派スピリチュアルワイン!?
ビオディナミとは、土壌のエネルギーと自然界に存在する要素の力を引き上げ、ぶどう樹の生命力を高める農法です。
科学的な根拠のある技術を農法に取り入れるというよりは、哲学や世界観を取り入れた農法で、スピリチュアルな農法とも言えます。
簡単に言えば、ビオディナミ的に考えて作るワインが、ビオディナミワインということです。
ビオディナミのルーツは?
ビオディナミはオーストリアの哲学者かつ科学者であるルドルフ・シュタイナーが、1924年に行った講義が原点とされています。
ルドルフ・シュタイナーは、当時、哲学的な方法を通して物質世界と精神世界の断絶を埋めることを目標にしていました。
人間は意識の進化の基礎となる霊的な現実を直接知覚することが可能であること、人間には超感覚的存在としての側面があるという論理を確立するために、ルドルフ・シュタイナーは、人智学を提唱します。
最終的に農業に目を向け、完成したのが「農業再生のための精神的基礎」という全8回の講義で、これが、ワインのブドウ畑におけるビオディナミの考えのルーツとなっています。
ビオディナミワインを初めて作った人って?
ビオディナミワインの発掘者とされるのが、ニコラ・ジョリーです。ニコラ・ジョリーは、1980年代にフランスのロワール地方の端にあるクレ・ド・セランという畑でビオディナミ農法を始めます。
ジャンルとして確立されているビオディナミですが、当時は、ワインにビオディナミを取り入れることは、異質だとと思われていた風潮がありました。
有機農法であるビオワインですらも、イメージが良くなかった時代です。
現在は環境への配慮、安全かつ自然のままであることに価値が置かれています。自然を想い、大切に扱おうとするビオディナミは、すっかり社会に定着しています。
ニコラ・ジョリーは、「ビオディナミでは、ブドウとブドウが必要とする波動を結び付けてくれます。ラジオの周波数を合わせるようなものです。その植物を生かしてくれる波動に植物を合わせるのです。有機農法では、自然が仕事をするに任せます。ビオディナミなら、自然にもっと多くの仕事をしてもらうことができます」と指摘しています。
このことから、ビオディナミは、有機農法よりもさらに自然に深く入り込んでいこうという農法であることが理解できるかと思います。
ビオディナミの考え方って?
ビオディナミは農場全体を1個の生命体系と見なし、それを月の満ち欠けや宇宙のリズムといったもっと大きな枠組みのなかで位置付けることです。
ビオディナミとビオ
ビオディナミワインはビオワインの一種です。ビオは、「最も有害とされる農薬を使わない」農法で、有害性の低い酸化防止剤や銅は使われます。
ビオディナミと認定されるためには、その農法は、まずビオであることが前提になります。
ビオワインの規定
・100%有機農法で作られた農産物(ブドウ・砂糖、アルコール、濃縮搾汁)を使用している
・特定の製造法の制限あるいは禁止
・醸造段階で制限されている添加物・補助物質の一覧およびその遵守
・流通するワインに含まれる亜硫酸のレベルの制限
ビオディナミの定義
ビオディナミはブドウの病気に対する捕らえ方が従来の農法と異なります。
ビオディナミは病原体も自然環境の一部であり、病気の発生はこの環境自体が何らかの理由でバランスを崩したサインと考えます。言ってみれば、東洋医学的な考えです。病原体があるから、それを消滅させる薬を投与するという考えであれば、西洋医学的ですよね。
つまり、ビオディナミワインは、畑の自然環境を何か科学的なモノをプラスして調整するのではなく、自然の力で調整していきます。肥料を変えたり、微生物の働きを活性化させたりといったことが行われます。
さらに、これがビオディナミの顕著な特徴とも言えますが、ビオディナミは、月の満ち欠けのリズムに特に注意を払います。
ビオディナミワインは長期熟成できるの?
ワインの長期熟成を考えるうえで大事なのは、保存剤としての酸化防止剤である亜硫酸の量です。亜硫酸は微生物による参加と空気による酸化を防いでくれます。
ビオディナミのワインは、通常の農法で造られたワインよりも生命力に溢れているため、その生命力がプラスにもマイナスにも敏感に働きます。ビオディナミのワインは、一定のオンで、15度以下で保存することが鉄則で、理想の温度は12度です。
そもそも通常の農法で造られるブドウからできるワインに含まれる亜硫酸でも、人体に影響がない微量です。メルシャン社のワイン情報サイトによれば「亜硝酸塩は体重50kgの人が毎日9リットルずつ90日間ワインを飲み続けても、慢性毒性の症状は起きない」という動物実験データがあるようです。
また、長期熟成の環境にも拠りますが、多くは一時的に保管して、2年以内に飲む必要があると言われています。
最後に
ビオディナミは、一風変わったワインですが、日本でも書籍では、精神世界へ迫るものが上位へ食い込むなど、今の日本の風土に合っているワインかもしれません。特にスピリチュアル好きな方には、ピンとくる一本が見つかり、ワインによって、人生がさらに好転するかもしれません。
ワインを探す際は、ビオディナミにも注目してみて下さい。