シャンパンってどうやって造られるの?シャンパンの製造工程
シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインです。
品種は、黒ブドウのピノ・ノワール種、ピノ・ムニエ種、白ブドウのシャルドネ種の3品種のみ。
そこで、今回はお馴染みのシャンパンが、実際にどうやって作られているのかを解説していきたいと思います。
1、収穫
9月半ば~10月にわたって収穫を行います。ポイントは、ブドウが傷まないように丁寧に手摘みをするということ。
その場で未成熟なブドウや傷んでいるブドウは取り除き、すぐに圧搾所に届けられます。
圧搾(あっさく)
圧搾とは圧力でしぼることです。特に、強い圧力を加えて物質の密度を高めることを言います。
シャンパーニュ地方では独自の底の浅い大きな円型の圧搾機が使われ、黒ブドウの場合は、果皮の色が果汁に付かないように、慎重に手早く絞られます。
1度に4000kgのブドウから高級シャンパンの原材料となるキュヴェと呼ばれる1番搾りを2050リットル、プルミエール・タイユと呼ばれる2番搾りと、さらに3番搾りを搾ります。ちなみに、3番搾りはシャンパンの製造に使うことは禁止されています。
ロゼのシャンパンの場合は、黒ブドウの果皮を色が少し付くようにして製造するケースもあります。後から、赤ワインを混ぜて、ロゼにする方法もあります。
3、一次発酵
圧搾を行った後は、ブドウ品種毎に別々の樫樽やステンレスタンクに入れられ、何度か澱引き繰り返しながら、約10週間を使ってじっくり発酵させます。
一次発酵によって、リザーブワインとなる白ワインが作られます。リザーブワインは、良い葡萄が収穫された年に造られた優れたブレンド用のワインです。ブドウの中に存在する糖分がアルコールに変わることで、白ワインになり、この段階では圧搾した果汁に含まれていた糖分はほぼ消費済みとなります
リザーブワインは、様々なシャンパンのブレンドの基礎となりますので、リザーブワインをどれだけ確保できるかが、シャンパン造りい大きな影響を与えます。
4、調合
収穫の次の年の2月頃に、異なる品種、異なる畑、異なる収穫年のおリザーブワインを30~50種類、各醸造家のブランドイメージに沿って、ブレンドしていきます。
熟練のブレンド職人が慎重に調合を行います。
5、瓶詰め
調合したワインに、発酵を促進するため、酵母とショ糖の入ったリキュールを添加します。そして、瓶詰めにして、密閉し、石灰岩の地下貯蔵庫で寝かします。
6、瓶内二次発酵
シャンパンのシャンパンたる所以である瓶内二次発酵。別名シャンパーニュ方式と呼ばれるこの工程は、約2ヶ月間かけて、ゆっくりとワインを二次発酵させます。瓶内の酵母が糖を分解し、アルコールと炭酸ガスが発生、この緩やかな発酵の間に、ワイン独自の香りがより複雑になり、普通のワインから独自の泡を持つシャンパンへと変化していきます。
7、最終熟成
澱と共に寝かせることによって、酵母が分解作用で取り込んだ旨味がワインに徐々に戻されていきます。
・2年で70%
・6年で100%
ノン・ヴィンテージのシャンパンは、瓶詰めより15ヶ月、ヴィンテージは3~5年、プレステージ(特級)は5~7年寝かせることが、規則で決められています。
熟成期間が長ければ長いほど、香りが豊かになり、味に厚みが増し、炭酸ガスがきめ細やかに液体に溶け込むようになります。
8、倒立
逆V字型をしたピュピトルといわれる専用の澱下げ代に、瓶口を下げて並べます。瓶口を下にして澱をためることで、その後の澱抜きの作業で、澱が抜きやすくなります。
9、動瓶
瓶の中の澱を瓶の口に集めるために、ピュピトルに差し込んだ瓶を、毎日8分の1ずつ回転させて、同時にピュピトルの脚を徐々に開いて、瓶の傾斜を上げていきます。
動瓶の作業を5~6週間繰り返すことで、澱がボトルの口の部分に集まってきます。ジャイロパレレットという動瓶を行う機械があり、ジャイロパレレットを使う醸造所が増えています。
10、澱抜き
瓶口をマイナス20℃の塩化カルシウム水溶液に漬けて、詮を外します。この作業で、たまった澱の部分のみが内部のガス圧によって飛び出し、澱だけが取り除けるというわけです。
11、リキュール添加
瓶内二次発酵の際の糖分は、完全に分解されているため、この段階までは糖分がゼロです。なので、シャンパンの原酒に糖分を加えて、味わいを美味しくしていきます。
12、打詮
コルクを打って、耐圧用の針金で固定します。普通のワインと違って、シャンパンのコルクの形は、きのこの形になっています。シャンパンは気圧が高いため、ガス圧に耐えられて、なおかつ、カス漏れをしにくくするために、コルクがきのこの形になっています。
13、ラベリング
最後にラベルを張れば、シャンパンは無地、製造完了!出荷を行い、流通されることになります。
最後に
以上、シャンパンはどうやって造られるのか、シャンパンが造られる工程を見てきましたが、いかがだったでしょうか?
シャンパンは限られた土地の限られたブドウで、高度で丁寧な独自の製法で造られるからこそ、特別で格別なのです。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。