お酒は眠りを浅くする!?快眠のための飲み方を学ぼう
暑く寝苦しい季節ですね。こんな時は、お酒の力を借りて眠りにつこうかなと思う方もいらっしゃるのでは?
確かに、たくさんお酒を飲んでいつの間にか眠り込んでしまった…という経験は、どなたも一度ならずあると思います。
一見、眠りを誘うイメージのあるお酒。しかし、実はお酒は睡眠の質を損なってしまうということはご存じですか?
今回は、お酒が睡眠に与える影響、快眠のための飲み方、そして、暑く寝苦しい夜にスムーズに眠りにつくための方法について調べてみました。また、 快眠をサポートするノンアルコール飲料も紹介します!
◇寝酒が大好き、日本人
皆さんは、眠れない時に不眠の解消のためにどうされていますか?
2002年にフランスの製薬会社が行った欧米やアジア10カ国・約3万5000人を対象とした調査によると、日本人で不眠に悩んでいる人の割合はおよそ20%。しかし、医師を受診して睡眠薬を処方してもらうという人はわずか8%。そして、不眠を解消するためにお酒の力を借りるという人の割合はなんと30.3%にも上りました。
ちなみに、「お酒の力を借りる」と回答した人の10カ国の平均は19.4%。
日本人の場合、カフェインを避けたり、お医者さんに相談して睡眠薬を飲んだりせず、お酒に頼って眠りにつこうとする傾向が非常に強いのです。
◇なぜお酒を飲むと眠くなる?
では、なぜお酒を飲むと眠くなるのでしょうか?
アルコールによる眠気の誘発には、いくつかの要因が複合的に働いています。
まず、お酒によって神経がリラックスする仕組みについて見てみましょう。
私たちの脳内にはGABA(ギャバ)という神経伝達物質が存在しています。最近では、ストレスを軽減する効果があるということで、GABAを配合したチョコレートが販売されているため、ご存じの方も多いかもしれませんね。
脳内の神経細胞の表面にはGABA-A受容体が存在し、ここにこのGABAが結び付くことで交感神経の働きが抑制されます。その結果、神経の興奮が落ち着き、ストレスが軽減したり、眠りを誘うといわれています。
お酒を飲んで腸から吸収されたアルコールは血液に乗って脳に到達しますが、アルコールは脳内でこのGABA-A受容体の機能を増強し、GABAによる神経の抑制効果を強める作用があります。
また同時に、アルコールには、グルタミンと結びついて神経の興奮を引き起こすNMDA受容体の機能を阻害する働きがあります。
このような神経系への作用により、お酒を飲むとリラックス感が増し眠気が誘発されるのです。
もう一つ、アルコールが眠気を誘う仕組みに大きく関係しているのが、アデノシンという物質です。
アデノシンは、脳や筋肉を動かすエネルギー源となるATPという物質の、いわば燃えカス。起きて活動する間、活動エネルギーを作り出すためにATPが分解され続け、その間、アデノシンは徐々に脳に蓄積されていきます。
アデノシンには、神経に強い覚醒や興奮をもたらす神経伝達物質であるヒスタミンの働きを抑制する作用があります。そのため、起きてから活動時間が経過して、一定量を越すアデノシンが脳にたまってくると、神経の興奮が抑制されてヒトは眠気を感じ始めます。この働きにより、毎日の睡眠のリズムが作られているのです。
ところが、アルコールにはこのアデノシンの分泌を促進する作用があるため、お酒を飲むと急激なアデノシンの増加で神経の働きが抑制され、眠気が誘発されます。
このように、複数の要因が関わって、お酒による強い眠気が引き起こされるのです。
◇お酒は、実は眠りを浅くする
さて、お酒によって眠気が引き起こされる理由はわかりましたね。
しかし、お酒の力を借りて眠りについた場合、実は、眠りが浅くなったり、途中で目覚めてしまうことが増えるのはご存じですか?
自然な状態では、ヒトの睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に訪れるリズムを持っています。
ノンレム睡眠は、脳も肉体グッスリと眠って休息している状態。体の疲労回復のために重要な睡眠です。
それに対しレム睡眠は、筋肉が弛緩して体は眠っているが、脳は覚醒に近い状態の睡眠です。このレム睡眠の時間帯に、ヒトはその日1日の記憶や感情の整理を行っているといわれています。
自然な状態の睡眠では、一晩の間に90分のノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルが4、5回繰り返され、それによって心身の疲れを回復しているのです。
ところが、お酒を飲んで眠りにつくと、前述したアルコールによる強力な催眠作用により、まず最初のノンレム睡眠とレム睡眠が通常より深い状態になります。
しかし、眠っている間に体内でアルコールの代謝が進むに伴い、アルコール分解時の中間物質であるアセトアルデヒドが生じます。アセトアルデヒドには強い覚醒作用があるため、その後のサイクルではレム睡眠、ノンレム睡眠ともに通常時よりずっと浅くなってしまうのです。
このように、アルコールには確かに入眠効果があります。しかし、アルコールによる睡眠では通常の睡眠パターンが大きく乱れ、特に後半の睡眠が浅くなるため、朝まで眠っても身の疲れが十分に取れなかったり、また、十分に休息が取れていないにもかかわらず途中で目が覚めてしまう事が増えるのです。
また、アルコールには耐性があり、毎晩お酒を飲んで眠りについていると、体がアルコールに慣れるにつれ当初得られていた入眠効果が弱まってきます。
そのため、眠りにつくために必要なお酒の量が急速に増えていってしまうのです。
コンビニやスーパーなどで手軽に手に入るお酒ですが、お酒に頼って眠りにつくことは眠りの質を損なうだけでなく、アルコール依存症や肝障害などを招くリスクも高めてしまるので避けたいものです。
◇睡眠を損なわないお酒の飲み方は?
さて、お酒が睡眠の質を損なうということはわかりましたね。
では、睡眠に影響を与えないようにお酒を楽しむにはどうしたらよいのでしょうか?
睡眠への悪影響を防ぐには、ベッドに入るときにアルコールが体から抜けきっていることが重要です。
アルコールの分解に要する時間は、体重1キログラムあたり1時間でアルコール約0.1グラムという式から計算できます。
例えば、健康を損なわない飲酒量として推奨される一日のアルコール量は20グラム。これは、ビールのロング缶1本(500ml、アルコール5%)に含まれるアルコール量と同量です。このアルコールが分解されるのに要する時間は、体重68キロの男性であれば約3時間、体重52キロの女性であれば約4時間。ベッドに入る3~4時間ほど前には飲み終えれば大丈夫です。
適量のお酒であれば、就寝前は避け、晩酌として楽しむのであれば問題ないでしょう。
また、アルコールの吸収を穏かにするため、空きっ腹での飲酒は避けたいもの。
夕食と一緒に、あるいは、チーズ・ナッツ・枝豆など、脂質やタンパク質を含むおつまみと一緒に楽しむのがよいでしょう。
また、飲酒時は適度な水分を取ることを意識しましょう。
アルコールの吸収を穏やかにするとともに、アルコールが分解される際の脱水状態の予防にもつながりますよ。
なお、アルコールの分解に要する時間は、摂取したアルコール量に対して比例します。
例えば、飲み会で中ジョッキ(純アルコール換算で20グラム)を3杯飲んだ場合、アルコールの分解に要する時間は、なんと男性で9時間、女性で12時間近くもかかる計算です。
飲みすぎは睡眠を損ない、体も負担をかけてしまいます。飲み会などの時は、1杯目はお酒でも、2杯目以降はノンアルコールビール・ノンアルコールワインやソフトドリンクにして、飲みすぎはくれぐれも避けるように心がけましょう。
◇夏場に快眠するコツは?
では、アルコールの力を借りなくてもよいよう、暑く寝苦しい夜にスムーズに寝付いて朝までぐっすり休む方法をお教えします。
・就寝中は冷房を活用しよう!
夏のスムーズな眠りのポイントになるのは、体温のコントロール。
眠くなると体がぽかぽかと温かくなることから、眠ると体温が上がるイメージがありますが、実はこれは逆。
体の表面の温度に対して、内臓や脳の温度を「深部体温」といいますが、夜になるとこの深部体温が下がることで、体が睡眠モードに切り替わり、自然な眠りが誘発されます。
体が温かくなるのは、手足や体表面の血流を増やして熱を放出することで深部体温を下げ、睡眠モードに入ろうとしているサインなのです。
なので、気温の高い夏場は、冷房で室温を適度に涼しく保つ方が、しっかり深部体温を下げることができるため快眠につながります。
おすすめの室温は26~28℃程度。横になり安静にしているときにやや涼しく感じる温度が適温です。
また、夏は昼にたまった熱が室内にこもって、エアコンをつけても急には部屋は冷えません。寝室に入る30分程度前にクーラーの電源を入れ、あらかじめ涼しい環境を作っておくと良いでしょう。
また、湿度が高いと、汗の気化による放熱ができないため、同じ温度でもより蒸し暑く感じます。
除湿機やエアコンのドライ機能を使用して、湿度は50%程度に調節すると良いでしょう。
さて、エアコンは寝ている間は止める方が良いのでしょうか?
エアコンを止めてしまう、あるいは、タイマーをセットして入眠後切れるようにセットした場合、眠っている間に気温が上がって寝苦しくなったり、脱水症状や熱中症を引き起こすリスクが高まってしまいます。
なので、睡眠中もエアコンは適度な温度で運転し続けるのがおすすめ。
直接エアコンからの風が当たらないよう調整して、体の冷えすぎを防ぎましょう。
・睡眠時の服装は長袖・長ズボンのパジャマを推奨!
暑い季節だからと、パンツ一丁で寝ているという方はいませんか?
涼しそうなイメージのパンツ一丁ですが、実は汗をかいてしまった場合、気化熱によって体表から熱が奪われてしまうため、体が冷えすぎてしまう危険があります。
夏の睡眠時の服装は、長袖パジャマがおすすめです。
汗をかいてもパジャマが吸い取って、緩やかに蒸発させてくれるため、体温の急激な変化を防ぎます。また、エアコンによる冷えすぎからも体を守ってくれますよ。
そして、もう一つ重要なのが衛生面です。
温かい夏は寝具のダニが増えやすい季節。寝具についた汗や古い肌の角質などの汚れはダニの餌になるため、ダニの増殖を促してしまう危険があります。
長袖・長ズボンのパジャマで体を覆えば、直接寝具に肌が触れないため、寝具も衛生的に保てて、また、ダニが原因の肌トラブルやアレルギーも防ぐことができますよ。
・寝る前には、ぬるめの温度で入浴を
床に就く2時間ほど前に、38~40℃のぬるめのお風呂にゆっくり浸かってみましょう。
睡眠前にお風呂で緩やかに体の末端を温めておくと、1時間ほどして体が冷めてきた頃に深部体温もスムーズに下がり、自然な眠りを誘うことができます。
42℃以上の熱いお湯での入浴は、交感神経が興奮して体が目覚めてしまうので避けます。また、入浴でいったん上昇した深部体温が下がり始めるには1時間程度時間を要するので、寝る直前の入浴も避けましょう。同様に、早すぎる入浴も効果がありませんので気をつけて!
◇不眠の心配無用!ノンアルコールビール
「寝る前のお酒が良くないのは分かったけれど、やっぱり仕事を終えて帰宅したら、晩酌でほっと一息つきたいな~」と思われる皆様。MELLOW STOREがおすすめするのは、ネオブュル社のノンアルコールビール。
あらかじめ醸造したビールやワインを、真空蒸留設備を使い32℃という低温で蒸留、お酒らしいアロマやフレーバーを極力残したままアルコールのみを0.0%まで除いたノンアルコール飲料です。
アルコールを含まないので、酔ってしまう心配はゼロ!
お酒を飲めない時にビール気分を味わうのはもちろん、夜遅い晩酌でも、睡眠リズムに影響を与えず、ぐっすり快眠できるノンアルコールビールです。
ベルギーの伝統的な上面発酵により作られたブロンドエールを真空蒸留設備により低温蒸留。ビールらしい味わいを残したままノンアルコール化しました。軽めのボディとスッキリした飲み口の、ビール通も納得のベルギー 産ノンアルコールビールです。