ワインといえばチーズだね!とろけるチーズフォンデュを楽しもう
立春を過ぎても、まだまだ寒い日もあるこの時期、温かい料理が恋しくなりますよね。
温かい料理といえば思い浮かぶのは鍋やおでんですが、普段とはちょっと趣向を変えて、チーズフォンデュはいかがでしょう?
とろーり温かいとろけたチーズに、各自が好みのパンや野菜をディップして食べるチーズフォンデュ。子供ウケも抜群なので、ぜひ家庭に取り入れてみたいお料理ですね。
今回は、チーズフォンデュの歴史やチーズの種類、美味しいレシピなど、今までチーズフォンデュを食べたことがない人にも、その魅力をわかりやすく紹介します。
◇チーズフォンデュは何料理?学ぼうチーズフォンデュの歴史
チーズをワインで煮溶かしてパンなどに絡めて食べるチーズフォンデュ。
チーズフォンデュといえば、スイス料理のイメージがありますが、実際はスイスを中心に、フランスのサヴォワ地方、イタリアのヴァレ・ダ・オスタ州やピエモンテ州、ドイツの山岳地方やリヒテンシュタインなど、ヨーロッパのアルプス山脈地方で古くから親しまれてきた家庭料理です。
1930年代ごろから、スイスのチーズ連合(Swiss Cheese Union)が、スイスチーズの販売促進プロモーションの一環でチーズフォンデュをスイスの国民料理として紹介したことにより、世界的な知名度が上がりました。スイス料理というイメージはここから来ているようです。
◇知っておきたい、チーズフォンデュに使われるチーズいろいろ
・定番チーズ
チーズフォンデュは一種類のチーズで作るのではなく、いくつかのチーズを組わせて作られるのが一般的です。
その中でも、メインになってくるのが次の2種のチーズです。
・エメンタール
トムとジェリーなどのマンガに出てくる、丸い穴の開いたチーズがエメンタールチーズ。スイスのエメンタール地方で作られる、牛乳が原料のハードタイプのチーズで、100キロ近い大きな円盤状に作られる、世界で一番大きなチーズとして知られています。
丸い穴は、チーズの熟成中に発生する炭酸ガスによってできたもの。淡泊でマイルドで優しい口当たりのチーズで、加熱すると甘味がでて美味しさが増します。
・グリュイエール
グリュイエールは、スイスのフリブール州グリュイエールが産地の、牛乳が原料のハードチーズで、大きさは40キロにもなる大型チーズです。
スイスチーズの中では最も生産量が多く、クセが少ないので、チーズが苦手という人にも食べやすいのが特徴です。また、溶かしてラクレットに使ったり、グラタンやキッシュなど調理用としてよく使用されます。熟成が進むと、ナッツのような濃厚な風味とコクが加わります。
エメンタール&グリュイエールの2種類のみでも十分美味しいチーズフォンデュですが、その他にも、次のようなチーズを加えても更に美味しさをアップできますよ!
・ゴーダ
オランダを代表するチーズとして知られるゴーダチーズ。牛乳から作られるセミハードチーズです。
味わいはクリーミーで、クセがなくマイルド。プロセスチーズやスライスチーズの原料としても使用されます。
・コンテ
フランスとスイスの国境地帯にあるジュラ山脈にあるフランシュ・コンテ地方で作られるのがコンテ。牛乳から作られる大型チーズで、サイズは約40キロにもなります。フランスのAOC(原産地呼称)チーズの中では最も生産量が多く、広く親しまれています。
ナッツのような風味と、栗を思わせるホクホク感、ぎゅっと凝縮した旨味が持ち味です。
・ボーフォール
フランスの山岳部に位置するサヴォワ県およびオートサヴォワ県の一部で作られる、牛乳が原料のハードチーズ。
美食家として知られるブリア・サヴァランが「チーズ界のプリンス」と呼んだことで知られるチーズです。
しっとりした口当たりに、優しい甘味、ナッツ・花・フルーツが入り混じった複雑な香りを持ちます。
・個性派チーズ
チーズフォンデュに少量加えることで、個性ある変化球の味わいが楽しめるのが次のようなチーズです。
・ブルーチーズ
青カビの入ったブルーチーズ。有名どころでは、イタリアのゴルゴンゾーラ、フランスのロックフォールをはじめ、各地で作られています。
青カビ由来のピリッとした個性あふれる味わいと、強い塩味が特徴のブルーチーズ。通常のチーズフォンデュに少量加えると味のアクセントになり、適度な塩味が、サツマイモ・カボチャ・イチジクといった甘目の具材を美味しく楽しめるチーズフォンデュになります。
・トリュフ入りチーズ
世界3大珍味の一つ、高級食材の代名詞といえばトリュフ。イタリア料理やフランス料理の香りづけに使われる超高級キノコ・トリュフは、スライスしてごくごく少量トッピングするだけで、料理の味わいを劇的にアップさせてくれる魔法の食材です。
クリームや乳製品ととても愛称が良いので、チーズでもトリュフペーストを間に挟みこんだものや、トリュフを練りこんだものが売られています。
通常のチーズフォンデュに、トリュフ入りハードチーズを少量加えると、ワンランク上の味わいが楽しめますよ!
◇チーズフォンデュ、専門の用具は必要?
チーズフォンデュはせっかく溶けたチーズが固まってしまわないよう、温め続ける必要があります。なので、やはり専用の用具があったほうがよいですね。
チーズフォンデュといってまずイメージするのは、陶器でできたフォンデュポット。溶かしたチーズをフォンデュポットに移し、下から固形燃料の直火で温めるタイプで、価格もリーズナブルです。ポットはチーズフォンデュ以外にも、直火にかけてアヒージョなどを作るのにも使えます。
購入の際は、レンジ対応のタイプを選ぶと良いでしょう。
欠点は火の調整の難しさ。途中で固形燃料が燃えてしまった場合は取り替えが必要になりますし、焦げ付かないよう注意が必要です。また、火を使うのでやけどや火事などに気を付けましょう。
小さな土鍋をお持ちであれば、土鍋とカセットコンロで代用することもできますよ。
また、ホットプレートのような電気式のフォンデュポットもあります。
電源を入れるだけで好きな時間、適温で加熱できて、焦げ付きなどの心配もないのでとても便利。ただし、ヒーター部分が大きいため収納にスペースが必要になるのと、電源がない場所では使えないのが難点です。価格も、直火式に比べると高額になります。
ニーズに応じて、予算に応じて、ご自分に合った器具を選んでみてくださいね!
◇簡単美味しい!チーズフォンデュレシピ
エメンタールやグリュイエールなどのナチュラルチーズは取り扱っているお店を見つけるのが難しく、また価格も高いのが難点。
そこで、今回は、ピザ用チーズを使った、家庭で安価に手軽にできるチーズフォンデュレシピをご紹介します。
途中でブルーチーズをちょい足しして、味の変化を楽しみましょう。
お手軽チーズフォンデュ
(材料)2人前
にんにく 1かけ
ピザ用チーズ 300グラム
片栗粉(コーンスターチ)小さじ2
辛口の白ワイン(お子様向けなら牛乳を使用) 150cc
キルシュ(サクランボの蒸留酒)※大人向け。あれば
ナツメグ少々※あれば
(お好みで、ちょい足し用)
ブルーチーズ 20グラム
作り方
・具材を準備しておく。あらびきソーセージは湯で温めて、水をふき取る。野菜類は茹でる。すべて食べやすい一口大に切っておく。
・ピザ用チーズに、片栗粉をまぶしておく。(チーズの油分の分離防止のため)
・にんにくを半分に切り、断面を鍋に擦り付けて香りをつける。
・鍋にワインを注ぎ、沸騰させてアルコール分を飛ばす。牛乳を使う場合は、沸騰寸前まで温める。チーズを3回に分けて入れ、弱火でダマがなくなるまでしっかり溶かし、ナツメグをふる。
さらに香りが欲しい場合は、キルシュを加える。(アルコールが含まれるため、大人の場合のみ)
・溶けたチーズを、フォンデュポットに移して、温めながらいただく。具材を竹串やフォークに刺してチーズにくぐらせ、小皿にとっていただきましょう!
(ちょい足し)
半分くらい食べたところで、ちょい足しタイム。フォンデュポットに残ったチーズに、ブルーチーズを加えて溶かします。
塩味が効いたブルーチーズ入りのチーズフォンデュは、さつまいも・カボチャなど、少し甘目の具材にピッタリ。変わった具材としては、一口カステラもデザート気分で楽しめます。
◇具材で遊ぼう!チーズフォンデュ
伝統的なチーズフォンデュでは、具はバゲットのみで野菜などは加えません。しかし、家庭で作る場合は、家族の食の好みや、栄養バランスを考えて、様々な具材を用意するとよいですね!
定番具材
・バケット
一口大にカットして、軽くトーストしておきます。
・ソーセージ
炒めると脂っこくなるため、茹でて中まで温めて、水を切っておきます。
・エビ、ほたて
ソテーまたはグリルしておきます。どちらもチーズととても合う具材。
・ブロッコリー、ニンジン、アスパラガス、じゃがいも・サツマイモ、カボチャなど
フォンデュするだけでは加熱ができないため、野菜類はしっかり加熱して、一口大にカットしておきましょう。
いも類やカボチャは、チーズの中で崩れてしまわないよう、やや固めにゆでます。
サツマイモやカボチャなど甘めの具材は、チーズの塩気にピッタリで、予想以上に美味しく楽しめますよ!
・ミニトマト、パプリカ
こちらは加熱しないで食べられる野菜類です。ミニトマトはヘタを取って丸ごと、パプリカは野菜スティックのように切りましょう。バーニャカウダ気分で楽しめて、彩りにもGood!
・エリンギ、マッシュルーム
エリンギはカットして、マッシュルームは丸のまま、軽く塩コショウで下味をつけ、オーブントースターなどで火を通しておきます。下茹ではNG!美味しさがお湯に流れてしまいます。
変わり種具材
・ちくわ
ちくわの穴にチーズをいれた「チーズちくわ」があるくらい、チーズと相性がいいのがちくわ。子供にも大人気の具材です。
同じ練り物であるカニカマや、さつま揚げもチーズフォンデュによくあいますよ!
・厚揚げ
四角くカットした厚揚げをソテーして軽く塩コショウします。ボリューム感があるのにお豆腐なのでヘルシー。予想を超える美味しさです。
・シイタケ
和の食材のシイタケですが、意外にもチーズにマッチ!軽く塩コショウで下味をつけ、オーブントースターなどで火を通しておきましょう。
・アボカト
森のチーズと呼ばれるアボカドは、本物のチーズにもよくマッチします。フォンデュしたとき鍋のなかで崩れないよう、過熟していないものを選びましょう。
・レンコン
レンコンはチーズと予想外の好相性。少し厚みを持たせて切ると、レンコンのしゃきしゃき&むっちりした食感が楽しめます。
・一口カステラ、ベルギーワッフル
デザート気分で楽しめるのがこちらの具材。甘味とチーズの塩気がマッチして、後を引く美味しさです。
◇チーズフォンデュに合わせたいノンアルコール・ワインはこれ!
チーズを溶かすベースとして白ワインを使うだけあり、チーズフォンデュにはやはり白ワインがピッタリ!
MELLOW STOREで販売中のノンアルコール・ワインでは、ヴィンテンス・シャルドネがおすすめです。
一口含むとまず感じられるのがレモンのような柑橘と青リンゴのさわやかな香り。しっかりとした酸が効いていて、飲み口はすっきりです。
上品に感じる樽のニュアンス。ほのかなクリーミーさがあるので、チーズフォンデュはもちろん、バターやクリームを使ったお料理にピッタリです。
クセのない味わいでどなたにも飲みやすい辛口ノンアルコール白ワインです。