2020/10/25 posted

秋の食材・鮭とワインを楽しもう

美味しい食べ物がいっぱいの秋。サンマと並ぶ秋を代表する海の恵みといえば、秋鮭が挙げられますね。
今回は、美味しい秋鮭の選び方や、秋鮭の美味しさを最高に引き出すレシピなど、秋鮭について徹底的に解説します！

◇秋鮭とは？普通の鮭とはどう違う？

スーパーマーケットなどでは一年を通じて見かけるおなじみの食材の鮭。
ですが、同じように見えても実は種類があるのをご存知でしたか？
ここでは、代表的な鮭の4つの品種をご紹介します。

・白鮭
日本でとれる鮭がこの白鮭。白鮭という名前の由来は、身の色がやや白いことから言われています。
鮭は川で生まれ、海に出ていき数年間回遊しながら成長して、産卵のために故郷の川に戻ってくることが知られています。産卵シーズンの秋になって、故郷の日本近海まで戻ってきた白鮭が「秋鮭」という名で呼ばれているのです。
秋鮭は産卵を控えており、卵や精子を蓄えることにエネルギーが使われるため身は脂肪が少なく、さっぱりとした味が特徴です。
なお、鮭は産卵のために川を登り始めると味が変わってしまうため、秋鮭として販売されているのは、近海の海で捕獲された鮭です。
また、数は少ないですが、白鮭は秋以外の時期にも回遊してきて捕獲されることがあります。これは「時鮭」「時不知（ときしらず）」などと呼ばれ、脂がよく乗ってふっくらとして美味しいといわれています。

・赤鮭
北アメリカ、ロシアやカムチャッカなどで捕獲される赤鮭。産卵期に燃えるように色が赤くなることから赤鮭と言われています。養殖ができないためすべて天然もので高価です。身はさっぱりしていますが、しっかりとした味わいがあります。

・銀鮭
年間を通じてスーパーなどで手に入るのがこの銀鮭。チリでの養殖がほとんどです。脂が乗って身が柔らかく、お弁当の焼き鮭などの加工品にもよく使用されます。

・トラウトサーモン
トラウトサーモンは実は鮭でなく、遺伝的に近縁の淡水魚ニジマスを品種改良し海水で育てられるようにしたもので、チリやノルウエー産の養殖品が主です。身がしっかりしているため、回転寿司やお刺身用としてスーパーで売られるなど、生食されることが多い品種です。

なるほど、一口に鮭といっても色々な種類や、味わいの違いがあるんですね。

◇秋鮭の栄養価を知りたい

鮭はとても栄養豊富。タンパク質やビタミンB群、ビタミンA、C、D、Eなど各種ビタミンを含むほか、鮭に特徴的な栄養素としてDHA・EPAやアスタキサンチンを豊富に含んでいます。

ＥＰＡ（エイコサペンタエン酸）
ＤＨＡ（ドコサヘキサエン酸）
ＥＰＡ、ＤＨＡはいずれも必須脂肪酸の種類。人体では合成できず、食物から摂取する必要がある成分で、青魚などに多く含まれています。
EPAは血液をサラサラにする効果があり、血栓で血管が詰まって起きる脳梗塞や心筋梗塞などの疾患を防ぐ作用があるといわれています。また、血中の中性脂肪を低下させる作用があり、生活習慣病対策に注目の栄養素です。

DHAは脳をはじめとする神経組織に多く含まれる栄養素で、脳の神経細胞の働きを助ける作用、目の網膜の機能を保つ作用が有名ですね。その他にも、炎症を抑えたり血流をよくする作用があります。
ヒトの母乳にはたくさんのDHAが含まれていますが、子供の神経組織の健やかな発達に必要な成分であるだけでなく、加齢とともに減少するため、高齢者が脳の機能を健康に保つためにも積極的に摂取したい栄養素です。

アスタキサンチン
鮭は実は白身魚だってご存じですか？
鮭の身の赤い色は抗酸化物質として知られるアスタキサンチンという色素によるもので、鮭が餌となるエビやカニなどを食べて、そこに含まれるアスタキサンチンを体に蓄積することで身が赤くなるのです。なので、鮭の身にはアスタキサンチンが凝縮しています。

人間が生命活動を行う上で発生するのが活性酸素です。強い酸化作用をもつ活性酸素は細胞を傷つけるため、ヒトの体は活性酸素を無毒化する酵素を分泌していますが、加齢とともにこの分泌量が減ると、体は活性酸素のダメージを受けやすくなります。中年になると様々な生活習慣病に悩まされたり、しみ・しわが増えてくるのはこのため。
アスタキサンチンは抗酸化物質として知られるビタミンEの1000倍といわれる強い抗酸化作用を持っており、生活習慣病を防ぎ、アンチエイジング効果が期待できるといわれています。

このように、鮭には中高年の世代が特に積極的に摂取したい栄養素がたくさん含まれているのです。

◇秋鮭を美味しく楽しむレシピ

産卵前の秋鮭は、脂が少ないのが特徴。そのため、鮭の栄養素をたっぷりとりながら、カロリーを抑えることができるのが魅力です。
脂が少くサッパリした味わいのため、バターでいためたり、油で揚げて脂分を補うのが美味しく食べるポイントです。
例えば、こんなメニューはいかがでしょうか？

・秋鮭のムニエル
小麦粉をまぶしてバターで焼くムニエル。バターのコクが、秋鮭の味わいを引き立ててくれます。

・秋鮭の包み焼き
アルミホイルに玉ねぎの薄切りを敷き、秋鮭の切り身を乗せて、好みのきのこや野菜をトッピング。ホイルでくるみフライパンで蒸し焼きにして、ポン酢をかけていただきます。
食べる前にバターをひとかけ乗せると美味しさがアップ。

・秋鮭の南蛮漬け
秋鮭に衣をつけてさっと揚げたあと、千切りにした玉ねぎ、ピーマン、人参とともに甘酢に漬け込みます。
油で揚げることでコクが増して、サッパリした秋鮭も大満足の味わいに。

◇秋鮭をベストマッチするノンアルコールワインを知りたい！

一般的に魚に合わせるなら白ワインと言われますが、鮭の場合はロゼワインや、軽めの赤ワインもよくマッチします。
特に相性ピッタリなのがピノノワール。タンニンが少なく繊細な味わいのピノノワールは、秋鮭の優しい味わいを引き立ててくれますよ！
バターやクリームソースを使った鮭料理なら、少しミルキーな味わいのあるシャルドネがベストマッチします。