うきうき心おどる桜色。春だから楽しみたいロゼワイン

春になると、お花見シーズンに合わせてワインショップの店頭に並ぶのが、ピンク色が華やかなロゼワイン。
日本では春以外はあまり注目されることのないロゼワインですが、実はここ最近、世界的にロゼワインが大流行中なんです。
特にフランスでは、なんとロゼワインが白ワインの生産量を抜き、全ワインの消費量の30%以上がロゼワインとなるほど愛されています。
今回は、ワイン、ノンアルコールワイン好きならぜひ押さえておきたいロゼワインの楽しみ方、そして、世界の様々なロゼワインの種類について調べてみました!
◇ロゼワインとは?味の特徴や、マリアージュするお料理は?
「ロゼ」はフランス語で薔薇を現す言葉。薔薇の花びらを思わせる色彩から、ピンク色のワインをロゼワインと言います。
実際のロゼワインは、「玉ねぎの皮」と表現される薄いオレンジ色から、サーモンピンク、ベリーのような濃い赤色まで様々。使うブドウや製法によって色合いは様々です。
味わいですが、ロゼワインは赤ワインの原料である赤ブドウを原料に、白ワインに近い製法で作られているため、赤ワイン思わせるコクと、白ワインの爽やかさの両方を兼ね備えているのが特徴です。
特に辛口ロゼワインは、和食・生ハムなどのオードブル・パスタ・中華料理から、軽めの肉料理まで、様々な食事とマッチするオールラウンドプレイヤー。
少人数で料理に合わせて何本もワインを開けられない時などは、ロゼワインがおすすめですよ。
美味しく飲む適温は、7〜14度程度。ワインクーラーで氷水で冷やすなら20分、冷蔵庫なら4時間程度冷却が飲み頃の目安です。
◇どうやって作るの?ロゼワインの製法について
では、美しいピンク色を引き出すロゼワインの製法を見てみましょう。主な方法は、マセレーション法、ダイレクトプレス法の2つです。
・マセレーション法
赤ブドウから果汁を絞り、果皮や種を漬け込んで、色素が適度に抽出されたところで果汁だけを絞りとって発酵させます。
色合いや味わいをワインメーカーがしっかりコントロールできるため、良質な高級ロゼワインにはこの方法がとられることが多いです。
また、似た方法で、セニエ法があります。
フランス・ボルトー地方では、赤ワインの味わいを濃くするためにセニエという方法が取られます。
これは、赤ブドウの果汁を絞り、色素やタンニンを引き出すために果皮や種を漬け込んでいる途中で、果汁の一部を抜き取る方法。
残した果汁はそのまま果皮や種とともに発酵させて赤ワインに、抜き取った果汁がロゼワインとして再利用されます。
いわば、濃厚な赤ワインを作る際の副産物として生まれるロゼで、ボルドー産のロゼワインは主にこの方法で作られています。
マセレーション法やセニエ法はいずれもブドウからの色素やタンニンがしっかりと引き出されるため、色が濃く、しっかりとした味わいのロゼワインになるのが特徴です。
お肉などボリュームある料理と合わせて楽しむなら、このタイプのロゼがおすすめです。
・ダイレクトプレス法
赤ブドウを圧搾した果汁を、果皮の漬け込みをせずにそのまま発酵させる方法で、白ワインと同じ作り方です。
色素やタンニンの抽出が少ないため、スッキリ爽やかな味わいで淡いピンク色のロゼワインとなります。
サラダやアンティパスト、エビ、サーモンなどに合わせるなら、このタイプのロゼをオススメします。
これら以外に、例外的なロゼワイン製法として、ブレンド法と混醸法がありますか、その量は多くありません。
・ブレンド法
基本的にロゼワインは赤ブドウから作られ、赤ワインと白ワインを混ぜてロゼにすることはワイン法により禁じられています。
例外は発泡ワインで有名なフランスのシャンパーニュ地方。シャンパーニュでは、白ワインに少量の赤ワインをブレンドしてロゼにすることが許されており、主に発泡ワインの製造に使われています。
・混醸法
赤ブドウと白ブドウを混ぜ合わせて圧搾した果汁を使って作られるロゼで、ドイツのロートリングと呼ばれるロゼワインで使われる方法です。
◇こんなにある!世界のロゼワインいろいろ
ロゼワインの製法を見たところで、次は世界の有名ロゼワインを見てみましょう。
さすがロゼワイン大国だけあり、フランス産には有名なロゼワインが数多くあります。
まずは、フランス3大ロゼと呼ばれる、プロヴァンス・ロゼ、タヴェル・ロゼ、ロゼ・ダンジュをご紹介します。
・プロヴァンス・ロゼ(フランス プロヴァンス地方)
フランスを代表するロゼワイン産地といえば外せないのが南仏プロヴァンス地方。フランス全体で生産されるロゼの35%はプロヴァンス産です。また、有名ハリウッドスターがプロデュースしていることで知られるロゼワインの産地でもあります。
プロヴァンス・ロゼの特徴は、サーモンピンクの淡い色彩と、南仏の太陽を浴びて完熟したブドウから作られるしっかりとした味わい。特に、ミネラリーで爽やかな味わいのバンドール産のロゼは、プロヴァンスロゼの中でもブランドとして有名です。
・タヴェル・ロゼ(フランス コート・デュ・ローヌ地方)
南ローヌに位置するタヴェルは、ロゼワインの生産のみが許されている珍しい産地です。
色合いは濃く、オレンジががった濃いサーモンピンク。アルコール度が高い辛口で、骨太で飲みごたえがあるので、高級な肉料理や、味の濃い中華料理などと合わせるととても美味しく楽しめます。
早飲みタイプが一般的なロゼの中で、10年ほどの長期熟成に耐えるポテンシャルを持つのもタヴェル・ロゼならでは。
ロゼワインはとかくカジュアルなイメージですが、タヴェルはワイン通の方にこそ飲んでいただきたいロゼワインです。
・ロゼ・ダンジュ(フランス ロワール地方)
フランスのロワール地方の都市アンジュで作られるロゼワインの中でも、アンジュ土着のグロローというブドウ品種を使って作られるのがロゼ・ダンジュ。
色は淡いサーモンピンク、口当たりは優しくほんのり甘口のロゼ・ダンジュは、お酒は苦手という女性にも人気のロゼワインです。
・マテウス・ロゼ(ポルトガル)
ポルトガル産のほんのり甘くて微発泡のマテウス・ロゼは、日本で本格的なワインブームが始まるずっと前から輸入されていたワインです。
ある程度の年齢層の方なら、マテウスの下膨れのボトルを見ると懐かしく感じるのでは。
日本で、ロゼワイン=甘口というイメージがあるのも、マテウス・ロゼの印象が強いからかもしれませんね。
・ホワイト・ジンファンデル(アメリカ)
1970年代にアメリカ・カリフォルニアで生み出され、またたく間に大ヒット商品となったのがカリフォルニア土着の赤ブドウ・ジンファンデルを原料に作られるホワイト・ジンファンデル。
赤ワインの醸造中に誤って早く果汁を抜き取ってしまい、仕方なくその果汁を発酵させたところ、エレガントなピンク色の爽やかなワインができあがったのが最初と言われています。
ジンファンデルは大変糖度が高いブドウです。なので、アルコール度を低めに作ったホワイト・ジンファンデルにはたくさんの残糖が含まれており、ほんのり甘口。とても口当たり良く、ワイン初心者にも飲みやすいロゼワインです。
その人気は根強く、アメリカでのホワイト・ジンファンデルの販売量は、ジンファンデルから作られる赤ワインのなんと6倍にもなるそうですよ。
◇ノンアルコールのロゼワインはあるの?
一旦ワインを醸造し、そこかワインらしいアロマを失わないよう低圧・低温で蒸留してアルコールを除く”デュク・ドゥ・モンターニュ “は、一旦発酵のプロセスを経るため、ノンアルコールながらもお酒らしい味わいが豊かなのが特徴。
また、アルコールを除去したためどうしても減ってしまう味わいのボリュームを、炭酸の刺激が補ってくれます。
ジュースのような甘さもなく、スッキリとより本物のスパークリングワインに近い味わいが楽しめますよ。
ぜひ試してみてくださいね!