医食同源、食べて体を温めよう!
寒さが身に染みる季節になってきましたね。
「沢山着込んでも、まだ寒い」「冷え性で困っている」という悩みをもっている皆さんも多いのでは?
外から温めて不十分なら、体の中から温めよう!ということで、今回は中国3000年の歴史に基づく中医学を参考に、寒い冬を乗り切る助けになる体を温める食材や食べ方、そして気になる体を温めるお酒の飲み方を調べてみました!
◇ 食養生で未病を癒やす
中国で古来から行われてきた伝統医学の中医学には、「未病」という概念があります。
未病とは、現在は病気ではないものの、これから病を発症する可能性のある状態のこと。そして中医学では、未病を癒やし、病気にならない体づくりをする予防医学が大変重要視されています。
今から3000年ほど前の周の時代、医師の位は4つに分けられ、一番地位が高いとされていたのが「食医」と呼ばれる医師でした。
食医の仕事は、食べ物を通じて体質の改善を行い、病気を未然に防ぐこと。その仕事は、実際にかかってしまった病気を治す医術より優れたものとされ、主に当時の皇帝などに仕えていました。
このように、中医学では伝統的に食べ物による食養生に大きな価値が置かれているのです。
◇ 温める食べ物と、冷やす食べ物
中医学のバックグラウンドになっているのは、陰陽五行説という中国古来の哲学ですが、この理論に基づき、体を温める作用の強さに基づいて食べ物を、熱性、温性、寒性、涼性、平性の5つに分類しています。
このうち、冬に積極的に取りたいのは、体を温める作用のある熱性・温性の食べ物です。
熱性・温性の食べ物を簡単に見分ける目安になるのは、まず食べ物の色。
黒、赤、オレンジといった暖色系の食べ物は熱性・温性であることが多いです。例えばお肉なら、豚肉よりも、牛やマトンのようにしっかりとした赤い色が付いたものの方が温める作用が強くなります。
逆に、青、緑、白など寒色系の食べ物は体を冷やす傾向があります。葉物野菜などは、冬場は控えめにしましょう。
次に、水分と固さ。水分が少ない食べ物は体を温め、水分が多い食べ物は体を冷やしやすい傾向があります。
例えば、大豆は平性ですが、加工して水分を沢山含んだ豆腐になると涼性となり体を冷やします。柿は寒性で体を冷やす作用が高いですが、天日で干して干し柿にすると温性となります。
そして、もう一つのポイントが産地や季節。寒冷地原産の食べ物や冬野菜には体を温める作用があるものが多く、反対に暑い地域原産や夏が旬の食物は体を冷やす作用が強いと言われています。
この季節は、ハウス栽培されたトマトなどは買わず、これから旬を迎えるカボチャなど季節の野菜を口にするとよさそうですね。
また、特に体を温める作用が高い熱性食品といえば、しょうが、シナモンなどのスパイス類。寒い時期にしょうが湯を飲んだり、ホットワインに様々なスパイスが入っているのは体を温める作用を利用しているのです。
また、ネギ、玉ねぎ、にんにくなどの香辛野菜も体を温める作用がとても強いので、冬のお料理にぜひ活用してみましょう。
◇ 体を温めるお酒の飲み方は?
ワイン好きの方が気になるのは、やはり体を温めるお酒でしょうか。
アルコールは中医学的には熱性に分類されます。アルコールが分解される際の中間物質であるアセトアルデヒドには血管を広げる働きがあるため、アルコールを摂取すると一時的に血管は広がり血行が良くなるため体はポカポカに。
しかし、温まったことにより汗をかいてその後からだが冷えるという作用があったり、様々な飲み方があるため、体を温めるお酒・冷やすお酒を考えるときは、飲み方や、アルコール以外に含まれる物質についても考慮する必要があります。
体を温めるお酒・・・日本酒
日本酒に多く含まれるアデノシンという物質は、血管の拡張を促す働きがあり、アルコールの作用と相まってからだはポカポカに。冬に飲むなら、更に体が温まりやすくなる熱燗にしましょう。
体を温めるお酒・・・赤ワイン
赤色の食物は体をあたためる働きがあると言われますが、赤ワインに含まれるポリフェノールは血液をサラサラにする作用があり、血流を良くします。なお、ポリフェノールは赤い色素に含まれるため、白ワインには含まれませんのでご注意を。
ポカポカ度を更にアップさせたいなら、ジンジャーやシナモン、クローブなど体を温める作用のあるスパイスを加えたホットワインがおすすめです。
体を冷やすお酒・・・ビール、ハイボール
水分が多く、炭酸を含んで口当たりのいいビールやハイボール。たくさん飲めてしまうこと、また冷やして飲むこともあり、体を冷やふす原因となるので、この季節、冷え性の方は避けるほうが良いでしょう。