ワインカクテルを楽しもう!その2 フーゴ
夏に向けてピッタリなワインカクテルをご紹介するシリーズ・第二弾はフーゴ。
日本ではまだ馴染みのないカクテルですが、優しいエルダーフラワーと爽やかなミントが香る味わいはこれからの暑い季節にオススメです。
◇ブーゴってなに?
フーゴは歴史の新しいカクテルで、その誕生は2005年。
北イタリアの南チロル地方の都市、Naturns(イタリア語ではNaturno)のバーテンダー・Roland Gruber氏により、イタリアの定番ワインカクテル“スプリッツ”のアレンジ版として作られたのが始まりです。
もともとのレシピは、イタリアのスパークリングワインであるプロセッコと、レモンバームというレモンの香りがするハーブのシロップを使って作られていました。
しかし、レモンバーム・シロップはどこでも入手できる品ではないため、ヨーロッパでよりポピュラーなエルダーフラワーのシロップを使って作られるようになり、現在のフーゴになりました。
南チロルはイタリアの中でも、ドイツ語が話される地域ですが、このカクテルの美味しさは人気を呼び、すぐに国境を飛び越えて、同じくドイツ語圏の隣国オーストリア、スイスやドイツまで伝わり、今ではドイツ語圏の国々を中心とする夏の定番人気カクテルとなっています。
◇精霊のハーブ、エルダーフラワー
日本では馴染みのないエルダーフラワーですが、ヨーロッパではとても一般的なハーブの一種です。
エルダーフラワーはエルダー(西洋ニワトコ)という木の花。
エルダーはヨーロッパでは各地で聖なる植物と考えられており、ケルト神話では人間界と魔界をつなぐ扉、北欧では聖霊の宿る木とされています。
また、ハリーポッターに出てくる「ニワトコの杖」もエルダーで作られているんですよ。
3mから10mを超える高さに成長するエルダーの木は、初夏にクリーム色の小さな花を沢山咲かせます。これがエルダーフラワー。
ほのかにマスカットのような香りのあるエルダーフラワーは、医学の父ヒポクラテスの記した書物に薬用植物として紹介されているほか、その薬効の高さから、庶民の薬箱、精霊のハーブなどと呼ばれてヨーロッパ全土で愛されてきました。
では、エルダーフラワーの薬効を見てみましょう。
◇エルダーフラワーの薬効は?
エルダーフラワーの薬効の中でも、注目すべきなのが以下のような効果です。
・風邪・インフルエンザ、花粉症の緩和
エルダーフラワーに含まれる注目の成分が、フラボノイドの一種ケルセチン。
ケルセチンは強い抗ヒスタミン作用を持ち、鼻水・鼻づまりや喉の痛みなどを改善すると言われています。
インフルエンザの症状を緩和するという実験結果もあるそうです。
また、花粉症や気管支喘息もヒスタミンが原因ですが、ケルセチンの抗ヒスタミン作用はアレルギーの症状緩和にも効果的と言われています。
ヨーロッパではケルセチンを含んだ抗ヒスタミン剤が医薬品として認定されているほどです。
・デトックス効果
エルダーフラワーに含まれるブラボノイドやポリフェノールには、利尿・発汗作用があります。加えてエルダーフラワーは腎臓を強化することから、身体に溜まった老廃物の排出をサポートしてくれます。
むくみの解消・予防にも効果が期待できますね。
・リラックス・安眠効果
マスカットのようなほのかな甘い香りのエルダーフラワー。
エルダーフラワーにはリナロールなど鎮静効果のある芳香成分が含まれており、不安や緊張をほぐし、リラックス作用に優れています。眠る前に飲むめば安眠効果も期待できます。
日本ではまだマイナーなエルダーフラワーですが、輸入食材店でコーディアルというシロップとして入手可能です。
これからの暑くなる季節、冷房で夏風邪など引いてしまった時にその効果を試してみたいですね!
◇フーゴのレシピ
(用意するもの)
・ワイングラス、氷
・エルダーフラワー・シロップ
・辛口プロセッコ(辛口スパークリングワインで代用可能)
・生ライム
・生のペパーミント
(作り方)
・ワイングラスに氷を入れ、洗って1/8の櫛形に切ったライムを絞る。皮はそのままグラスへ。
・スプーン1杯のエルダーフラワーシロップを注ぐ。(シロップ量はお好みで加減を)
・シロップにプロセッコを注ぎ、優しくかき混ぜる。好みで炭酸水を少量加えて味を調節してもok。
・ペパーミントの葉を添える。葉をグラスに入れる前に、葉を指で軽く潰すとよく香りが立ちます。
今年の夏は、爽やかな気分を満喫できるワインカクテル・フーゴを楽しんでみてくださいね!
アルコールが苦手な方には、当ショップのノンアルコール・ワインカクテル、ヴィンテンス・アイス” フーゴ”をどうぞ!