夏にぴったり!爽やかスパークリングワインの基礎知識
暑ーい夏に飲みたくなるものといえば、サイダー、ビール、そしてスパークリングワイン。
◇シャンパンって、スパークリングワインの事じゃないの?!
スパークリングワインといえば真っ先に頭に思い浮かぶのがシャンパン。
発泡したワインの一般的な呼び名として使われることも多いシャンパンですが、実はスパークリングワインの生産地の名前だってご存知でしたか?
まずは、世界の代表的なスパークリングワインの名称と、その生産地を見てみましょう。
☆シャンパーニュ(シャンパン)/ フランス・シャンパーニュ地方
シュワシュワの発泡ワインは一般的に「シャンパン」と呼ばれることが多いですが、シャンパン(正しくはシャンパーニュ)は実は、フランスのシャンパーニュ地方で作られるスパークリングワインの名称です。
シャンパーニュを名乗ることを許されるのは、特定の地域で、フランスのワイン法によって決められたブドウ品種やブドウ栽培方法、製造方法・熟成期間にのっとって生産されたワインのみ。いわば高品質の証明と言えます。
シャンパーニュの泡を作るには、ワインに砂糖とイーストを添加して瓶内で更に発酵させ(二次発酵)て、泡の元である二酸化炭素をワインに溶け込ませます。そのため、大型のタンクで発泡のための発酵を行う大量生産のスパークリングワインと比べると、なめらかな口当たりのきめ細やかな泡が特徴です。
また、発酵・熟成から生じる独特のパンやブリオッシュのようなかぐわしい香りを持っています。
しかし、ネックとなるのが価格。製造工程に手がかかることと、また、シャンパーニュというブランド価値が人気を呼ぶため、価格は大変高価です。
☆カヴァ / スペイン カタルーニャ地方
スペインのカタルーニャ地方で作られるスパークリングワインがカヴァ。
名前のカヴァは、スペイン語で洞窟(Cava)の意味。年間を通じて温度がひんやりと一定に保たれる洞窟でカヴァ作りが行われてきたことから、いつの間にかワインそのものの名前になりました。
シャンパーニュと同様に、瓶内で二次発酵を行うので泡はなめらか。また、法律で9ヶ月以上の熟成が義務付けられており、品質も高いのですが、ブランド的な人気で価格が高いシャンパーニュと比較すると、価格ははるかにリーズナブル。安くて本格派の美味しさが魅力のスパークリングワインです。
☆プロセッコ / イタリア・ヴェネト州
美食の国・イタリアはヴェネチア近くの街・トレヴィーゾを中心とする地域で生産されているのがこのプロセッコ。世界で最も生産量の多いスパークリングワインです。
シャンパーニュやカヴァとの大きな違いは、泡を作るための発酵方法。
シャンパーニュやカヴァは、瓶内で二次発酵を行い泡の元となる二酸化炭素を発生させ、かつ、長期間熟成させるのに対して、プロセッコは大きな密閉式のタンクでワインを短期間で二次発酵して泡を作ります。
そのため、発酵に使用するイースト菌にワインが長期間接触するシャンパーニュやカヴァに特徴的な、イースト由来のパンのような発酵・熟成香はなく果実の香りがイキイキと感じられます。
また、プロセッコはシャンパーニュやカヴァに比べるとアルコール度が低く(11%程度)残糖が多いため、ほのかに甘みを感じるのも特徴。
暑ーい季節には、ほんのり甘口でフレッシュ&フルーティーな爽やかプロセッコをぜひ味わってみましょう!
☆番外編、赤のスパークリング
ここまでに紹介した3種類は、世界3大スパークリングワインと呼ばれています。
これらは主に白(一部はロゼ)のスパークリングでしたが、世界には赤ワインのスパークリングワインもあるんです。
・赤のスパークリング ランブルスコ
美食の国・イタリアの中でも、パルメザンチーズや生ハム、バルサミコ酢など産出する美食のメッカ・エミーリア=ロマーニャ州で作られるのがこのランブルスコ。
渋みが少なく、低アルコールでやや甘さを残した味わいのたとても飲みやすく、赤ワインが苦手と言う人でも美味しく飲めるワインです。価格がリーズナブルなのも嬉しいポイント。
様々な食事と幅広く好相性なワインなので、イタリアンレストランに行ったときや、お家でイタリア料理を作る時には是非ランブルスコを合わせてみてくださいね!
・赤のスパークリング スパークリング・シラーズ
新興ワイン生産地・オーストラリアを代表するブドウ品種といえばシラーズですが、オーストラリアにはこのシラーズを使った赤のスパークリングがあります。
きめ細やかな泡に、柔らかなタンニンとほのかな甘さと深みを感じる口当たりは、前菜からメイン、デザートまでどんな食事とも驚くほどにベストマッチ。
ワイン輸出国として知られるオーストラリアで、なんと生産量の6割以上が国内で消費されていることからも、その美味しさがうかがえます。
◇食前酒に最適!食中酒としても最高!
食前酒として楽しまれることも多いスパークリングワイン。
スパークリングワインの泡(炭酸)には胃を刺激し、食欲を増進させる作用があるそうです。なるほどー、理にかなってるんですね。
また、さまざまなお料理と抜群の相性を見せるのもスパークリングワインの特徴。
一般的には、魚には白ワイン、お肉には赤ワインと言われますが、スパークリングワインの場合、炭酸が料理の味わいとのバランスをとってくれることから、どんなお料理ともオールマイティーに合わせられます。
豊かなミネラルが感じられる白ワインベースのスパークリングワインなら、特に魚料理にぴったり。
また、泡が口の中をすっきりと洗い流してくれることから、脂っこい料理、中華料理や肉料理の美味しさもアップさせてくれますよ。
◇スパークリングワインを美味しく楽しむには、グラス、そして温度
美味しいスパークリングワイン。その美味しさを最大限に引き出すために気を使いたいポイントが2つ。
それは、グラスと温度です。
☆フルートはNG?! すぼまったグラスで美味しさアップ
スパークリングといえば、レストランなどで良く見かける縦に長ーいシャンパンフルートを思い浮かべます。
美しく立ち上る泡がよく見えるシャンパンフルートはいかにもスパークリングワインにぴったりですが、トップの部分が開いているため、香りを十分に楽しむことができないのが難点。
特に、シャンパーニュなど、豊かな熟成香のあるスパークリングワインを楽しむ際には、トップの部分がすぼまったタイプのシャンパングラスを使うと芳醇な香りを堪能できます。
また、グラスのリム(唇に当たる部分)は薄い方がベター。ワインの味わいをより敏感に感じられます。
避けたいのはクープ型グラス。パーティーでシャンパンを注いだり、ホストクラブなどでシャンパンタワーをするときに使われるグラスというとイメージが浮かぶと思います。
少量づつ注ぐことができるため、パーティーなどで使われることが多いグラスですが、空気に触れる面積が広くきめ細やかな泡が立たないため、スパークリングワインの本来の美味しさを味わうには不適切といえます。
また、超NGなのはビールやチューハイを入れるようなタンブラー。
トップ部分が開いていて面積も広い為、アッというまに炭酸が抜けてしまい、香りも飛んで行ってしまうため、本当のスパークリングワインの美味しさを楽しむことができません。
お家飲みの時であっても、せっかくの美味しいスパークリング、100%の美味しさを引き出すために、いいグラスで飲みたいですね。
☆温度も大切
スパークリングワインは、キリッと冷やすと、いきいきとした泡が口の中ではじけとてもフレッシュで爽やかな、キレのある味わいになります。
ただし、温度が低すぎてしまうと、甘みや香りを感じにくくなるので要注意。
ちなみに、スパークリングワインが最もおいしく感じられる適温は、6~8度と言われています。一般的に、冷蔵庫の冷蔵室の温度が5度程度なので、冷蔵庫から出して少し室温になじませる程度がちょうどよさそうですね。
◇流行のアイススタイルって何?
ここ最近、ヨーロッパでは、スパークリングワインに氷を浮かべて飲む、カジュアルなアイススタイルが流行中です。
アイススタイルでスパークリングワインを楽しんで、暑~い夏を涼しく過ごしてくださいね!
当店のノンアルコールワインなら、アイススタイルで飲むために作られたノンアルコール・ワインカクテル、ヴィンテンスICEシリーズがおすすめです。