酸っぱいパワーで夏の健康維持!もっと食べよう、お酢
夏といえば、暑ーい屋外と冷房で冷え切った室内の温度差による自律神経の乱れや、寝苦しさからの睡眠不足による夏バテが心配な季節です。
夏バテの代表的な症状といえば疲れと食欲不振。
今日は、夏バテ解消の強~い味方になってくれる食材であるお酢について調べてみました。
◇食欲増進の強~い味方
実はお酢とワインは深い関係にあるってご存知ですか?
ワインは果実をアルコール発酵することで作られますが、できあがったアルコールをさらに発酵させることでできるのがお酢なんです。
お酢の原料として主に使われるのは、ブドウやりんごなどの果実、そしてお米・麦などの穀物類。また、変わったところでは蜂蜜やホエー(ヨーグルトの上澄みの液)を使うビネガーもあります。
果実や穀物に含まれる糖類を一旦アルコール発酵し、さらに酢酸菌という菌で発酵させることによりつくられます。
お酢の酸味の元となっているのは、この発酵作用によりつくられる酢酸。
酢酸の酸味は味覚を刺激し、食欲をコントロールする脳の中枢神経に働きかけて食欲をアップさせる効果があります。
それだけでなく、酸味により唾液や胃液など消化液の分泌が促され、消化を助けます。
さらに、酢酸のもつ抗菌作用で腸内の悪玉菌が減って腸内環境が整うため、消化・吸収活動をスムーズにしてくれます。
◇酸っぱさが疲れ知らずの秘密
お酢には酢酸以外にも、クエン酸、グルコン酸、りんご酸、酒石酸など様々な有機酸が含まれます。
中でもクエン酸は、人体を動かすエネルギーを生み出す元になる物質・ATPを作り出すための化学反応「クエン酸回路」の一番元になるに物質。
クエン酸をしっかり摂取することでクエン酸回路がよく機能し、活動のためのエネルギーが生み出されます。
なお、お酢の主成分である酢酸も、体内に入るとクエン酸と同じように働きます。
また、酢酸には体内のエネルギーの貯蔵物質であるグリコーゲンを再合成する働きがあります。
ポイントは、酢酸と一緒に糖質を摂取すること。
運動の後などグリコーゲンを沢山消費した後は、お酢に砂糖や蜂蜜を加えて作ったドリンクをとってみましょう。
速やかにグリコーゲンが再補充されて、疲労回復の助けになります。
エネルギッシュな活動のため、積極的にお酢摂取してクエン酸・酢酸を取り込みましょう。
◇アミノ酸がたっぷり、穀物酢
水分を除くと、人間の体の半分はタンパク質から構成されています。このタンパク質を作り出す元になっているのがアミノ酸です。
アミノ酸は数百種類存在しますが、ヒトの体を構成しているのは、この内の20種類。
食物に含まれるタンパク質はヒトの消化活動により低分子の分解されアミノ酸となり吸収され、そのアミノ酸が体内でタンパク質に再合成されて、ヒトの体を作っています。
いわば、アミノ酸はヒトの体を作る原料と言える重要な物質ですが、米や麦などのタンパク質を含む食品を原料とする酢は、このアミノ酸を豊富に含んでいるのが特徴です。
特に、アミノ酸の含有量が多いのはお米や大麦が原料の黒酢。
人体を構成する20のアミノ酸のうち、体内では合成できず食品から摂取しなければならない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸といいますが、黒酢はなんとこの全ての必須アミノ酸を含んでいます。
もち米を原料とする中国産の香醋も、黒酢と同じように豊富なアミノ酸を含んでいますよ。
普段使うお酢の代わりに黒酢を使ったり、黒酢ドリンクを飲むことで、酢酸にプラスしてアミノ酸も取り入れれば健康効果が高まりそうですね!
なお、見た目は黒酢に似ているバルサミコ酢ですが、こちらはブドウが原料のため、残念ながらアミノ酸はほとんど含みません。
しかし、酢酸に加えて、ブドウ由来の抗酸化物質ポリフェノールや、水分の代謝に関係するカリウムを豊富に含むため、また別の健康効果が期待できそうですね。