酔いのメカニズムを知って、お酒をもっと楽しくしよう!
新入学・新入社の季節ですね!
そして、この時期に毎年報じられる残念なニュースが、新歓コンパなどでの一気飲みによる事故。
今日は、体に優しいお酒の飲み方についてリサーチしてみました。
◇酔いを感じるメカニズム
アルコールは通常の食べ物や飲み物とは違い、消化作用を経ずに、胃(摂取したアルコールの約20%)や小腸上部(約80%)から直接吸収されれます。
吸収されたアルコールは血液に溶け込み、静脈を通って肝臓に流れ込みます。そして、そこでアルコールの分解が始まります。
しかし、アルコールの分解はすぐにはできないため、大部分のアルコールは心臓へ流れ込み、そのまま血液とともに、脳をはじめとする全身の臓器に向けて送り出されます。
この時に、血液に乗って運ばれてきたアルコールによって脳の機能が麻痺することで、酔いが感じられるのです。
◇血中アルコール濃度と酔いの程度
酔いの程度は脳内のアルコール濃度によって決まります。
飲みはじめで血中アルコール濃度がまだ低濃度の場合(爽快期〜ほろ酔い期)は、アルコールにより脳が麻痺しはじめ、まず大脳新皮質の活動が低下し、また、抑制されていた大脳辺縁系の働きが活発化します。
お酒を飲むと爽快な気分になったり、普段は静かな人が陽気でおしゃべりになるのは、普段理性を司っている大脳新皮質の働きが弱まり抑制が取れるためです。
飲酒量が増えて血中アルコール濃度が高まっていく(酩酊期)と、脳の働きの低下は大脳辺縁系から小脳までおよびます。
大脳辺縁系は、感情や情動に関わる部位ですが、飲んで泣き上戸になったり怒りっぽくなるのは、この大脳辺縁系の活動によるものです。
また、小脳は運動をつかさどる部位ですが、飲み過ぎてふらついたり千鳥足になるのは、小脳の機能が麻痺することによるものです。
酩酊期を越えて泥酔状態となると、脳の麻痺がさらに進行します。
きちんと立てなくなったり、意識がはっきりしなくなるのはアルコールによって脳の働きが低下しているから。
また、記憶をつかさどる海馬という部分に麻痺が及ぶと、記憶ができないブラックアウト状態となります。
飲み過ぎた翌日、「昨日の夜の記憶がない!」「どうやって家まで帰れたのかわからない!」というのはこの状態です。
そして、泥酔状態をさらに越え、麻痺が延髄を含む脳全域に及んでしまうと、呼吸中枢の麻痺により死に至ることもあります。
飲酒するうちに、意識がない、揺り動かしても起きない、失禁するなどの状態が起こった時は命にかかわる状態なので、すぐに病院へ搬送しましょう。
参考:社団法人アルコール健康医学協会のホームページ
http://www.arukenkyo.or.jp/health/base/index.html
◇血中アルコール濃度の上昇を避けるためには?
それでは、体にダメージを与えず、楽しいお酒を飲むにはどうしたらよいでしょうか?
まずは、飲み過ぎを避けること!
個人差がありますが、アルコール量に換算して20~25グラム程度が、気持ちよく酔える適量と言われています。
お酒は種類により含まれるアルコール度数が異なりますが、およその目安となるのがこちらの量です。
・ビール / アルコール度5% 500ml(中ジョッキ 1杯程度)
・缶チューハイ / アルコール度7% 350ml(1本)
・ワイン / アルコール度12% 200ml(グラス1杯)
・日本酒 / アルコール度15% 180ml(1合)
・焼酎 / アルコール度25% 100ml(グラス1/2杯)
・ウイスキー / アルコール度40% 60ml(ダブル1杯)
個人差も大きいですが、体質やその日の体調とも相談して、過剰な飲酒を避けるようにしたいですね。
また、アルコールの分解速度は、平均的に男性で1時間に9g程度、女性で6.5g程度と言われています。
アルコールの摂取量が、分解量を大きく上回らないよう、ゆっくりしたペースで飲むことも深酔いを避けるコツです。
特に、一度に大量のアルコールを摂取してしまう一気飲みは絶対ダメ!!!
アルコールを摂取して、酔いが回って来るまでには30分程度の時間がかかるため、この間に過剰な量のアルコールを飲んでしまうと、いきなり深い酩酊状態に陥る危険があり大変危険です。
それから、空きっ腹のアルコールは避けること。
アルコールは胃で約20%、小腸で約80%が吸収されますが、胃が空の状態でお酒を飲むと、アルコールが胃を通過して小腸へ流れ込みます。
腸壁からの吸収は速度が速いのが特徴。空腹状態でお酒を飲むと、胃に食物が入った状態でお酒を飲んだ時よりアルコールが速く吸収され、血中アルコール度が急速に高まってしまいます。
お酒を飲むときは、おつまみなど食べながらゆっくりと楽しめば、アルコールが胃にとどまる時間が長くなり、血中アルコール濃度の急激な上昇が抑えらるため、体にも優しいのです。
◇楽しいお酒はゆったりと。ノンアルコール飲料も活用を
ストレスを解消し、陽気な気持ちにさせてくれるお酒はとても楽しいもの。
飲むときは、おつまみやトークを楽しみながらゆっくりと。
適量を守って、体に負担をかけずに楽しく飲みたいですね。
また、時には湘南ワインのノンアルコール・ワインのようなアルコールを含まずにお酒のムードを楽しめる品の活用もGoodです!
工夫して健康な飲酒ライフを楽しみましよう!