アルコール依存症が解消されたノンベ君の物語
皆さん、飲みが多いシーズンになると、体調も崩しやすくなりますよね。
幸福を表現する言葉でよく使われるのが「 生きてるだけで丸儲け」という言葉がありますが、これは健全な心身が土台にあってこそのことです。
そこで、今回は、アルコールに依存的だったノンべ君(通称)が数年間掛けて、すっかりノンアル生活を送れたストーリーをご紹介していきます。
原因はお酒を飲むことがストレスへの対処行動(コーピング)になっていたから
ノンべ君はかれこれ数年間アルコールに依存的でした。原因は忙しさを乗り越えるご褒美がアルコールになっていたということです。
忙しい時に、一気にお酒を大量に飲む。すると、手っ取り早く一気に高揚感を得られ、ストレスが解消される。
お酒を飲む量は、1回でフルボディの赤ワインボトルを1本を開けたり、750mlのアルコール度数9度のチューハイを5缶。
もともとお酒が強いため、どんどんお酒が飲めるというのも、アルコールの依存を加速させた原因でした。
次第に飲んだ翌日に「ほろ酔い状態」になることが心地良くなっていきます。状態がどんどんお酒にハマっていき、飲み会などで大量に飲んだ翌朝は、すぐにお酒が飲みたくなり、お酒を開けるようになりました。
・朝9時~夜中1時まで仕事
・帰宅・入浴で2時半
・食事・お酒でのストレス解消 2時半~4時
・起床 7時
・通勤 8時
ストレスフルな長時間労働のため、平日のストレス解消は僅かな時間しかありません。
ノンべ君がアルコール依存症になったのは、過度なストレスとストレスへ対照する「多様な手段」と「余裕のある時間」がなかったことで、ストレスの対処行動(コーピング)がアルコールに一点集中したことでした。
そこで、ノンべ君は家で食事の時間をストレス解消に当てます。
1日のハッピーエンドを取り返すためのお酒
ノンべ君は、仕事に生きがいを感じていませんでした。つまり、ストレスフルな長時間労働は彼にとって、バッドタイム。それだけで1日が終わってしまうと、その日はバッドエンドを迎えたような感覚にさせられました。
だから、1日の終わりは楽しさを感じ、ハッピーエンドの感覚で眠りに付けたい。お酒はノンべ君にとって、最高のご褒美となり、なくてはならない存在になっていきます。
最終的にお酒なしの人生は意味がない。お酒を飲むために人生がある。そんなレベルになっていき、平日に毎日でルコール度数9度のチューハイを5缶開ける生活が染み付いていきます。
金曜日の夜はさらに酒量が多くなり、土曜日は朝から夜までひたらすら飲み続ける。
ふと、思い出した大学の頃の充実した日々
人生の泥沼にハマっていく危機感と、お酒で得られる心地良過ぎる高揚感が混ざった日々の中で、ノンべ君はふと大学の生活を思い出します。
・興味のある講義を受ける
・好きな仲間と談義を交わす
・サッカー部で運動に励む
・ジムで筋トレをする
・学食で栄養たっぷりのご飯を食べる
・好きな番組を見る
・好きなテーマのレポートを書く
・ぐっすり眠りにつく
お酒とは無縁の生活です。もちろん、数ヶ月に1度は部活の飲み会で、それもスポーツ部なので、それはそれは浴びるように飲んでいましたが、日々の生活はいたって健やかで充実感があります。
そこで、ノンべ君はやっと気づきます。
会社を辞めれば、アルコール依存が治るんじゃないか…
リズムよくいろんな物事に興味を持って好意的に取り組めた大学の日々。あの頃の生活が本当の幸せだ。
そして、ノンべ君は会社を辞めます。転職は、内容と拘束時間で選びました。転職は退職から2ヵ月で決まります。
転職後のノンベ君の生活
大学の生活を理想としていたので、ノンべ君は、早朝にジムに通うことにしました。そして、仕事が終わってから、ランニングと読書を取り入れました。
・ジムでトレーニング 朝7時~朝8時
・仕事 朝9時~18時
・帰宅 19時
・ランニング 20時~20時半
・入浴 20時半~21時
・食事 21時~21時半
・読書・就寝 22時~23時
もともと大学生までサッカーをしていたノンベ君は、ストイックに節制ができるタイプでした。
そして、このライフスタイルは見事にノンベ君のあらゆる時間をハッピーにします。
転職先の仕事内容を楽しむことができ、人間関係が充実していたことも功を奏しました。
さすがに朝のジムは毎日行くことができずに、週3~4日。ランニングが終わって風呂に浸かると、心地よい充実感があり、食事も美味しく感じ、読書をすれば、ぐっすりです。
最初は土日にお酒を飲んでいましたが、すっかりそれも辞めました。
アルコール感が欲しい時に、ノンアルコール飲料で紛らわせ、終いには、炭酸水やコーヒーへと変わっていきます。
晩酌のストレス解消が、お家カフェで事足りるようになりました。
結果、ノンベ君は、お酒を飲むのが会社の同僚や友人との飲み会の時だけになり、家でまったくお酒を飲まなくなったのです。
最後に:お酒ではなくストレスに注目しよう!
すべてのケースに言えるわけじゃありませんが、お酒を飲みまくっている方の酒量を止めようとした時に、注目するのは、お酒の飲み方ではく、ストレスの感じ方、ストレスとライフスタイルの関係性だと感じています。
ストレスへの対処となる行動を沢山持っていれば、お酒じゃなくても、ストレスを解消し、高揚感を得られます。
お酒は手っ取り早く、分かりやすい高揚感を得られますし、家で気軽に出来てしまうため、依存性があります。
そもそもストレスが過大で時間が拘束され過ぎていては、お酒にハマるのも無理はないかもしれません。
ストレスの原因となる場所から根本的に離れてみる。ノンベ君の場合は、それによって、過去に理想的だと感じていた生活を再度取り入れる努力をし、ストレス全体を減らし、コーピングを増やしたことがアルコール依存を断つことに繋がりました。
飲み過ぎにも注意ですが、ストレスの感じ過ぎにも注意して下さい。