お花の季節は桜色のワイン!ロゼワインをもっと楽しむコツ
春先、ワインショップの店頭をにぎわすワインといえば、桜の花を思わせるピンクが可愛いロゼワインですよね。
日本ではお花見シーズンのワインとしてによく見かけるものの、通常期にはあまり飲まれることのないロゼワイン。
日本ではワイン全体の売り上げのうちシェアは3%程度とまだまだマイナーな存在ですが、実は近年、全世界的に人気が爆上げ中。2002年から2017年を比較すると、世界のロゼワインの消費量は実に30%も増加しています。
特にフランスではロゼ人気が高く、現在ではフランスのスティルワイン全体の売り上げのうち、53%が赤ワイン、次いでロゼが30%、そして白ワインはたったの17%と、とうとうロゼワインの人気が白ワインを上回ってしまいました!
また、アメリカやイギリスでも、SNS映えするロゼワインは近年ミレニアル世代を中心に人気が爆増中。ロゼブームが過熱しています。
今回は、ロゼワインと食べ物とのマリアージュを中心にして、ロゼワインをもっと楽しむためのポイントを調べてみました!
◇赤でもない、白でもない。ロゼワインの味の特徴は?
赤ワインは果皮が濃紫の黒ブドウから、白ワインは緑の果皮の白ブドウから作られます。それでは、ロゼワインはどうでしょうか?
実は、ロゼワイン用のブドウ品種というのはなく、黒ブドウを原料に、白ワインの製法で、果皮からの色素の抽出を抑えるようにして作られたのがロゼワインです。なのでその味わいも、赤ワインのコクと、白ワインの爽やかな口当たりの両方を兼ね備えているのが特徴です。
色合いは製法によって変わり、ごく薄いサーモンピンクから、赤ワインに近い濃いピンクまで様々。ここでは簡単に、ロゼワインの製法についてみてみましょう。
・赤ワイン製法で作るロゼ(セニエ法、ショート・マセレーション法)
収穫したブドウのジュースを絞って、そこに果皮と種を漬け込んで色素を引き出し、ピンク色になったところでジュースのみを抜き取って発酵させる方法です。ブドウからの色素やタンニンがワインに引き出されるため、色が濃く、コクのあるロゼワインが出来上がります。
お肉などボリュームある料理や、中華、エスニック料理などにピッタリのロゼです。
・白ワイン製法で作るロゼ(ダイレクトプレス法)
収穫したブドウのジュースを絞ってそのまま発酵させる方法で、白ワインと同じ作り方です。色素やタンニンの抽出が少ないため、淡い色合いと、スッキリ爽やかな味わいのロゼワインとなります。
前菜やサラダ、魚介類に合わせるなら、このタイプのロゼをオススメします。
これら以外のロゼワイン製法として、赤ワインと白ワインを混ぜるブレンド法(シャンパーニュで使われる)や、混醸法(ジュースを絞る段階で、赤ブドウと白ブドウを混ぜる方法。ドイツワインのロートリングで使われる)
がありますか、量は多くありません。
◇どんなワインとも好相性!オールラウンダーなロゼワイン
家庭の食卓では、和食・中華・パスタなど洋食など、様々なジャンルのお料理が並びますよね。
お肉のとなりにお魚が並んでいるような場合、赤ワインにしようか白ワインにしようか悩んでしまうもの。
そんな時に、赤ワインと白ワインの両方の特徴を備えた中間的な味わいで、お肉から魚まで、様々なお料理と合わせても美味しく楽しめるロゼワインはとても便利。パーティーなどでいろいろなお料理が出る場合にも、1本あればカバーしてくれるので重宝します。
また、スパークリングワインはどんなお料理ともマッチするといわれますが、ロゼの辛口スパークリングであればさらにオールマイティーですよ!
◇ロゼワインがさらに美味しくなる、フードマリアージュのコツ
さて、オールマイティーなロゼワインであっても、その中でも特に美味しさを引き立て合う食材や調理法があります。ここでは分野別に、ロゼワインに特に相性の良いお料理を見てみましょう。
・肉料理の場合
お肉でも魚でも美味しく合わせられるロゼワインですが、優しい味わいのロゼワインに特にマッチするのは、豚肉やカモ、チキンなど軽めの味わいのお肉です。
ロゼワインはお醤油やお味噌とも相性が良いので、チキンの照り焼きや、豚肉の味噌焼きなどとの和風の肉料理と合わせてもよいでしょう。
他にも、ロゼワインと鉄板の相性を誇るのが、ハムやソーセージなどのシャリュキュトリーや、リエット、レバーペーストなどのパテ類です。
これらのお料理・食材を合わせるなら、タヴェルロゼや、ボルドーのロゼなど、辛口で色も濃い目で、飲みごたえのあるロゼワインがピッタリです。
また、フォアグラや、生ハムなど塩気がある食材の場合、ロゼダンジュのような少し甘口のロゼワインでもよいですね。
また、いくらロゼワインがオールマイティーとはいえ、さすがにステーキやビーフシチューなどのガッツリした牛肉料理の場合は、赤ワインと合わせたほうが良いですね。
・魚料理の場合
ワインにピッタリ合う食材を選ぶコツの一つに、ワインと食材の色を合わせるというテクニックがあります。
ピンク色のロゼワインにピッタリなお魚は、やはり同じピンク色のサーモンやエビ。サーモンのムニエルやスモークサーモン、エビのカクテルサラダなどはロゼワインと抜群の組み合わせです。
また、サッパリとしたロゼワインは和食とも好相性。お刺身・お寿司・お魚の天ぷらなど、ロゼワインと合わせるとお互いの美味しさを引き立て合います。
お魚と合わせる場合は、薄いピンク色で軽やかな飲み口の、辛口プロヴァンスロゼがおすすめですよ。
また、変わったところでは鰻の蒲焼がロゼワインにピッタリ。
脂を多く含む鰻と合わせるには白ワインでは味が弱すぎ、赤ワインではタンニンの味わいが強すぎて鰻の味わいをかき消してしまいます。
ちょっと濃いめの辛口ロゼを合わせると、思いがけないマリアージュが楽しめますよ!
・南仏料理
ロゼワインの名産地といわれる南仏・プロヴァンス地方。
フランスで最も古いワイン産地として知られるプロヴァンスですが、長年の歴史の中で生まれた伝統のプロヴァンス料理こそ、ロゼワインにピッタリです!
代表的なプロヴァンス料理といえば、魚介類のエキスたっぷりのブイヤベース、トマトベースの野菜の煮込みであるラタトゥイユが有名ですね。
他にも、たっぷりの野菜に、ツナやアンチョビなど海の幸と南仏産オリーブをふんだんに使ったボリューミーなニース風サラダや、トマトソースとチリパウダーでピリ辛に仕上げたクスクスなど、カラフルで食卓が華やかになる南仏料理は、ホームパーティーにもピッタリですよ!
・パスタ
ピンク色の食材であるスモークサーモンや生ハムを具に使ったパスタは、ロゼワインと相性ピッタリ!お互いの美味しさを引き立て合うマッチングです。
また、一般的にワインと魚卵は合わないといわれていますが、例外的にロゼワインはたらことの相性がピッタリ。たらこスパゲッティやタラモサラダと合わせても良いでしょう。
パスタに合わせるには、スッキリしたプロヴァンス風ロゼががオススメです。
・エスニック料理
タイ、ベトナムなどのエスニック料理が持つ、酸味、甘み、スパイシーさやハーヴィーな香りという要素は、ワインのもつ酸味・甘味・果実味とぴったりマッチします。
中でも、特にロゼワインに合うのは、エビやカニを使ったレシピ。また、ホットチリソースなどを使った甘辛い味付けや、酸っぱい味付けのお料理とも好相性です。
・中華料理
フランス人が、中華料理店で合わせるのがロゼワイン。
中華には、淡泊な味わいの上海料理、しっかりとコクのある味わいの北京料理、スパイシーな四川料理など様々なレパートリーがありますが、これらの料理を1本でカバーしてくれるのがロゼワインなのです。
また、プロヴァンスロゼの主体となっているのは黒ブドウのグルナッシュですが、グルナッシュにはスパイシーなニュアンスがあるため、中華料理に使われる五香粉などのスパイスにも良く合います。
中華料理は味が濃いので、タヴェルロゼのように力強い味わいのロゼワインや、ほのかに甘味があるタイプのロゼワインを合わせると良いでしょう。
◇ロゼワイン、美味しく楽しむグラスと温度
美味しいおつまみ・お料理はもちろんのこと、ワインを美味しく楽しむには、温度とグラスが超重要です!
ロゼワインが一番美味しく楽しめる温度は6~10℃程度。白ワインと同じ温度帯が適温です。甘口になるほど、温度が低いほうが、酸がぼけずにシャープな味わいが楽しめます。
冷蔵庫でこの温度まで冷やすには、4時間程度必要ですので、時間には余裕を持ちましょう。ワインクーラーであれば、外気温が20℃の時期で、氷水で20分程度で冷却すれば大丈夫です。
グラスについては、ワインがぬるくなってしまう前に飲み切れるよう、ボウル(ワインが入る部分)が小さいタイプが良いでしょう。
最近では、取り扱いが簡単なステム(脚)のないグラスもありますが、ロゼワインの場合は、手の熱でワインが温まってしまわないよう、ステムがあるタイプをオススメします。
夏であれば、グラスに氷を入れて、ロックワインとして楽しんでも良いですね!
◇ノンアルコールのロゼワインはあるの?
ノンアルコールのロゼワインを探しているなら、オススメはMELLOW STOREで販売中の、ノンアルコール・スパークリングワイン ”デュク・ドゥ・モンターニュ “ ロゼ。
一旦ワインを醸造した後、真空状態で蒸留して、ワインらしいアロマを損なわないようアルコールを除いた ”デュク・ドゥ・モンターニュ “ は、一旦発酵のプロセスを経るため、ノンアルコールながらもお酒らしさに溢れるリアルな味わいです。
また、アルコールを除去したためどうしても減ってしまう味わいのボリュームを、炭酸の刺激が補ってくれるため、本当のスパークリングワインに近い味わいが楽しめます。
甘さ控えめなドライな味わいと、スッキリした口当たりの、ノンアルコール・スパークリングワインです。