ワインのブドウ品種について学ぼう【赤ワイン編】
ワインの種類といえば…、赤、白、ロゼにスパークリングワイン・・・。
いえいえ、実は一口に赤ワインや白ワインでも、実は種類は色々。原料となるブドウの品種によって、できあがるワインの味わいは様々に異なります!
今日は、ブドウ品種の違いによるワインの味わいの違いについて、特に赤ワインにフォーカスして調べてみましょう。
◇赤ワイン、どんなブドウ品種があるの?
ワインといえば、イメージするのはやはり赤ワイン。
赤ワインの代表的な品種をピックアップしてみましょう。
・カベルネソーヴィニヨン
赤ワインの王様とも言えるのがこのカベルネソーヴィニヨン。
ブルーベリーやカシスのような黒果実のフレーバー、そして、ワインらしい渋みと、豊かな酸味を備えた、いかにも赤ワインらしい重厚な味わいが特徴です。
原産地はフランスのボルドー地方。ボルドーでは伝統的にメルロやカベルネフランなど他の品種とブレンドされますが、アメリカやチリ、オーストラリアなどのいわゆる新世界(歴史的に新しいワイン産地)では、単独で醸造されパワフルなワインとなります。
・メルロ
ワイン大国・フランスで一番栽培面積の多い赤ブドウがこのメルロ。
原産地はフランス・ボルドー地方で、カベルネに比べるとタンニンや酸味はやや弱く、ブラックチェリーやプルーンのような果実味と、まろやかな味わいが特徴です。
ボルドーではカベルネなどと共にブレンドされることが多く、それによりバランスが取れた味わいのワインが作られます。
また、単独で醸造される場合もおおく、絹のように滑らかな口当たりのエレガントなワインを生みます。
・ピノノワール
フランスのブルゴーニュ原産のピノノワール。
ワインの赤い色であるアントシアニンや、渋みの元になるタンニンは果皮に多く含まれていますが、ピノノワールは果皮がとても薄いブドウなため、出来上がったワインは淡い赤色。渋みが少なく豊かな酸味があり、イチゴやチェリーのような赤い果実のフレーバーをもつ上品で繊細な味わいのワインとなります。
また、その繊細な味わいから、他のブドウとブレンドされることがほとんどないのも特徴です。
赤ワインの渋みが苦手という方は、ぜひピノノワールを試してみてください。
・シラー
南フランスのコート・デュ・ローヌが原産のシラー。
色は濃い赤紫色。濃厚なブラックフルーツの味わいに、しっかりしたタンニンと黒胡椒のようなスパイシーさを備えた、力強い味わいが特徴です。
南仏とともに、近年ではオーストラリアが名産地として知られ、オーストラリアではシラーズと呼ばれています。
スパイシーな味わいをもつワインだけに、黒胡椒を効かせた肉料理などとは最高の相性を見せます。
・ガメイ
ボジョレーヌーボーに使われるブドウ品種がこちら。原産地はフランス・ブルゴーニュ地方南部です。
品種名は正式にはガメイ・ノワール・ジュ・ブランといい、「白い果汁の黒ブドウ・ガメイ」という意味です。
白い果汁というだけにワインの色合いは淡く、ボディは軽やか。野イチゴやフランボワーズなどの赤果実の香りと豊かな酸味があり、タンニンは控えめです。
一部の長期熟成タイプを除き、若いうち(2,3年以内)に楽しむのが良いでしょう。
ボジョレーヌーボーの場合は、発酵時に出る二酸化炭素と共にブドウを発酵させるカルボニック・マセレーシヨンという特殊な方法でワインが作られます。
この場合、ワインの酸味の元であるリンゴ酸が分解されるため酸味がマイルドで、渋みや苦味も少ない早飲みタイプのワインとなります。独特のバナナやキャンディーのような甘い香りも特徴。
こちらも長期熟成はさせず、若くフレッシュな味わいを楽しみましょう。
・サンジョベーゼ
有名なイタリアのワイン「キャンティ」の原料となるブドウとして知られているのがサンジョベーゼ。原産地はイタリア中部のトスカーナ地方で、イタリア国内ではもっとも栽培量の多いブドウ品種です。
突然変異しやすく、様々な亜種のあるサンジョベーゼですが、平均的なスタイルは濃いルビー色、スミレのようなフローラル香、赤いベリー系のフレッシュな果実香、豊かな酸味が特徴です。
暑い年には濃厚でアルコール度が高い長期熟成タイプのワインとなり、冷涼な年には酸味と渋みが強いワインとなる傾向があります。
・テンプラニーリョ
スペインの赤ワインを代表する品種といえばテンプラニーリョ。原産はスペイン北部のリオハ地方・ナバーラ地方で、現在ではスペイン全土で広く栽培されています。
深い紫がかったガーネット色で、豊かな酸味としっかりしたボディが特徴。カベルネソービニョンなどと比べるとタンニンはやや少ないため、渋みはマイルドです。
また、テンプラニーリョはブドウが元々持つ香りが控えめ。
そのため、オーク樽で長期熟成させる伝統的な製法では、タバコやなめし革、あるいはキノコや腐葉土のような熟成香が豊かに感じれるワインとなりますが、近年では瓶熟成によるフルーティな味わいのワインも増えています。
・ジンファンデル
アメリカ・カリフォルニアを代表する品種がこのジンファンデル。
もともとのルーツはクロアチアで、現在イタリアで栽培されているプリミティーヴォとはDNA的に同じ品種です。
アメリカに持ち込まれたのは1800年代始めと言われています。
色は濃いガーネット。プルーン、カシス、ブルーベリーなど強い黒果実のフレーバーと、クローヴなどのスパイスの香りを感じます。
酸味は控えめ、タンニンもさほど濃厚でなく、肉付きのよいボリューム感ある味わいが特徴です。熟成させなくても、早くから美味しく楽しめるワインとなります。
今日は8種類の赤ブドウ品種を見てみましたが、同じように見える赤ワインでも、 ブドウ品種によって大きく味わいが変わってくるのがワインの魅力。
皆様も、様々な種類のワインにチャレンジしてみてくださいね!