みんな大好きイタリアン!本格派カルボナーラを作ろう
世界のワイン生産地トップ3といえば、フランス、スペイン、イタリア。
中でもイタリアは、美味しいワインはもちろん、豊かな食文化を持つ美食の国として世界に知られていますよね。
今日はそのイタリアを代表する料理・パスタの中から、日本でもとても人気のあるレシピである” スパゲティ・カルボナーラ”について調べてみました。
◇諸説紛々、カルボナーラの起源
スパゲティ・カルボナーラは、チーズ(パルメザンチーズ、またはペコリーノローマノ)、黒胡椒、パンチェッタ、そして鶏卵を使って作られたソースを絡めたパスタのこと。イタリアのラティウム地方(ローマ周辺の地域)で生まれた料理と言われています。
類似した料理は古くからありますが、初めて「カルボナーラ」という名称が使われたのは1950年代といわれ、La Stampaという新聞にその名が登場したのが最初です。
イタリアを代表する伝統料理かと思っていたら、実は新しいレシピだったんですね!
スパゲティ・カルボナーラの起源としては。いくつかの逸話が知られています。
炭焼き職人起源説いろいろ
Carbonariは、イタリア・ローマ地方の方言で「炭焼き職人」を意味する言葉で、炭焼き職人や炭に関わる起源説がいくつもあります。
・卵やチーズをふんだんに使うカルボナーラはとても高カロリー。激しい肉体労働の炭焼き職人が、大量のカロリーを摂取するため、仕事の合間に作って食べていたパスタが起源という説
・炭焼き工場があるのは山の中。食べ物が手に入りにくい山の中で、乾麺と卵、塩漬け肉(パンチェッタ)という長期保存可能な材料を使って作られていたパスタが起源という説
・振りかけられた粗挽きコショウの黒いつぶつぶが、炭の色を連想させるからという説
・パンチェッタの黒く焦げた部分が炭のように見えるからという説
などなど。どれもそれっぽく思えてきますね!
米軍将校起源説
第二次世界大戦時の1944年のローマ解放以降、イタリアに駐留するアメリカ軍が持ち込んだベーコンや粉末卵が流通するようになり、それによって生まれたレシピが起源という説。
初めて「カルボナーラ」という名称を取り上げた新聞・La Stampaの記事でも、アメリカの将校の求めによって考案された料理として紹介されています。
ナポリの秘密結社起源説
18-19世紀初頭のイタリアは、地域的にオーストリアやスペインなど他国の支配を受けたり、大都市を中心とした小国に分断されていました。
18世紀後半のフランス革命に影響を受けて、自由・平等の実現と民族の独立・統一を目指すナショナリズムが高まる中、1806年頃、ナポリで革命を目指す秘密結社として結成されたのが”カルボナリ党”で、イタリア統一運動の先駆けとなりました。
カルボナーラは、この”カルボナリ党”へのオマージュとしてその名がつけられたという説があります。
その他、ナポリ地方のレシピが元になっているという説もあり、本当の起源はいまだ謎に包まれているようです。
◇えっ?生クリーム入れないの?本格派カルボナーラのレシピ
日本では、カルボナーラといえば卵にチーズと生クリームをたっぷり入れたクリーミーなパスタのイメージですよね。
ところが、本場イタリア・ローマ地方のレシピの材料は、卵、チーズ、パンチェッタと呼ばれるスモークしないハム、そして黒胡椒のみ。生クリームは使用しないんです!
というのも、日本にカルボナーラのレシピが入ってきたのはアメリカ経由だから。アメリカでは、生クリームを加えるカルボナーラのレシピが一般的です。
今回は、濃厚な卵の美味しさがしっかり楽しめる、ローマ風カルボナーラの作り方を紹介します!
レシピ:ローマ風カルボナーラ
(材料 1人分)
・パスタ 1人分100
・卵 1個(室温にもどす)
・パンチェッタ 30グラム
・パルミジャーノ(チーズ)おろした状態で、大さじ3
※よりローマ風にするなら、ペコリーノロマーノを使用。
・黒胡椒 少々
・白ワイン 大さじ1
・フライパンと大きなボウル
(作り方)
1.大きな鍋に水をはり、1%の塩を入れて火にかける。湯が沸騰したらパスタを茹でる。ゆであがる間にソースを準備します。
2.フライパンにオリーブオイルを入れ、拍子切りにしたパンチェッタを投入して弱火にかける。カリッと焦げ目がつくまで良く炒めたら、白ワインを入れてアルコールが飛ぶまで加熱する。火からおろしてフライパンの粗熱を取っておきます。
3.ボウルに室温にもどした全卵入れ、おろしたパルメザンチーズと黒胡椒を加えて、泡だて器で黄身と白身が完全に混ざるように攪拌する。
4.パスタがゆであがったら、2.のフライパンに湯を切ったパスタを投入し、ごく弱火にかけます。そして、3の卵を加えて、よく混ぜながら注意深く加熱します。
卵は60度以上で急に固まり始めるので、火加減に要注意。フライパンの淵の部分が固まりそうになったら火からおろし、余熱で卵に火を通します。
卵のソースがジェル状になったら出来上がり。スクランブルエッグにならないよう気を付けて!
◇カルボナーラに合うワイン
一般的には赤ワインと卵を使った料理の相性はNGと言われています。
卵が持つ特有の硫黄のような香りがワインの風味とケンカし、ワインの華やかなアロマががかき消されてしまうとのことです。
卵、そして、チーズやクリームなどの乳製品をふんだんに使ったカルボナーラにぴったり合うのは、やっぱり白ワイン。
特に、シャルドネ、ヴィオニエなど、酸味がマイルドでふくよかな味わいの白が良く合います。肉厚で濃厚な味わいのピノグリも良いでしょう。
ノンアルコールであれば、ノンアルコール・スティルワインの”ヴィンテンス シャルドネ(白)”と是非合わせてみてくださいね。