筋トレとアルコールの深~い関係
その昔は、スタイルをよくするためにはダイエットが定番でしたよね。
でも、最近の流行は、単に体重を減らすダイエットではなく、ボディメイク。
健康的な食生活に、筋トレをしっかり行って、単に痩せているだけではなく、しっかり筋肉がついてメリハリのあるボディが、男女ともに新しい美の基準になりつつあります。
さて、イケメンボディ&美ボディメイクに重要な役割を果たすのが筋トレ。
体にはあまりプラスの影響はないと言われることの多いアルコールですが、今回は筋トレとお酒の関係を考えてみましょう。
◇筋肉がつく仕組みとmTOR
運動などで筋肉に負荷をかけると、筋肉にミクロレベルの傷ができます。
人体の自然治癒力の作用によりその傷が修復される際、以前よりも太い筋繊維となって再生されますが(これを「超回復」といいます)、人工的にこの超回復を起こさせて筋肉を発達させようというのが筋トレです。
さて、ここで筋肉の生成にかかわる重要な物質、mTORに注目したいと思います。
mTORは哺乳類の体内に存在する、たんぱく質の生成・分解にかかわる物質で、体内のインスリン量、栄養状態、酸化還元の状態等に応じて細胞の分裂・生存を調節する中心的役割を果たしています。
筋トレにはこのmTORを活性化させる作用があり、筋肉の合成作用を高めて筋肉を肥大させます。プロティンなどのたんぱく質やアミノ酸の摂取もmTORの働きを活性化させます。筋トレ後にプロティンを摂取すると効果的なのはこのような理由によるものです。
ところが、アルコールにはこのmTORの働きを抑える作用があり、トレーニング後に飲酒を行うことで、筋肉量の増加が抑制されてしまいます。
また、アルコールは体内のオートファジー(自食作用)を活性化します。
オートファジーは元々、細胞内に必要以上のたんぱく質が蓄積されるのを防ぎ、身体の恒常性を保つ仕組みなのですが、筋トレ後にアルコールを摂取するとオートファジーの活動性が高まり筋肉細胞の細胞死を引き起すため、筋肉の分解が促進されてしまいます。
実験によると、筋トレ後のアルコール摂取で、筋肉の合成が最大37%程度阻害されてしまうとのこと。
筋肉を増やしたいなら、筋トレの後の飲酒は控えるのが賢明ですね。
◇アルコール摂取による脂肪の蓄積にも要注意!
ボディビルダーなどはしっかり食べてトレーニングして筋肉を育て、大会前にダイエットで体脂肪を落とすことで鍛えられた筋肉を浮き出させるという話を聞いたことがあると思います。
せっかく美しい筋肉を作っても、それが脂肪に包まれて見えない状態ではとっても残念。過剰なダイエットは健康を損ないますが、やはり美ボディのためにはある程度体を絞ることが必要ですよね。
「お酒はエンプティカロリー」という言葉を聞いたことはありますか?
体内に取り込んだアルコールのカロリーは体内に蓄積されず、炭水化物や脂肪に由来するカロリーよりも優先的に使われることを指してこのように言います。
しかし、これは言い換えれば、体内にアルコールがあふれる状態では、食事などから摂取したカロリーは使われることなく、そのまま中性脂肪に合成され、内臓や皮下に脂肪として蓄えられてしまうということ。
お酒を飲む際は、おいしいお料理やおつまみを楽しむことが多いですが、くれぐれもハイカロリーなおつまみや、おつまみの食べ過ぎは禁物ですよ。
さて、ボディメイクにはアルコールの摂取はマイナスの影響が多いことが分かりました。
でも、どうしても飲みたい・・・、そんな時は是非、ノンアルコール飲料を活用してストレスをためない筋トレ生活を送ってくださいね☆