イタリアのシャンパン、高級スプマンテ「フランチャコルタ」
イタリアのスパークリングワインはスプマンテと呼ばれます。スパークリングワインで有名なものには、フランスのシャンパーニュ地方で造られるシャンパンがあります。
シャンパン(シャンパーニュ)の特徴は瓶内二次発酵という製法を用いていることにあります。瓶内二次発酵とは、瓶内の酵母が糖を分解し、アルコールと炭酸ガスが発生、約2ヶ月間かけてゆっくりとワインを緩やかに二次発酵させ、ワイン独自の香りがより複雑になり、普通のワインから独自の泡を持つワインに仕上げる製法です。
数ヶ月掛けて瓶口に澱(おり)を集めるルミアージュという作業と、瓶の先端に澱を集めて、澱だけを取るデゴルジュマンという作業を行います。別名シャンパーニュ方式と呼ばれ、もちろん、シャンパンの製法の特徴(特長)になります。
イタリアのスプマンテ(スパークリングワイン)の中でシャンパンと同じ瓶内二次発酵で造られているのは、フランチャコルタです。北イタリアのロンバルディア州でつくられる高級スプマンテになります。
フランチャコルタは、イタリアワインの中で初めて統制保証原産地呼称(Denominazione Origine Controllata e Garantita)の認定(D.O.C.G)を受けたワインになります。
しかも、瓶を平衡に保ったまま18カ月以上の熟成期間が必要です。スペインのシャンパンと呼ばれるカヴァは9カ月の熟成で、本場フランスのシャンパンは15カ月以上となりますから、ファンチャコルタは熟成期間が長く、その分、しっかりとした味わいのワインが仕上がるのが特徴です。
ファンチャコルタのブドウ品種はシャルドネ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ネーロという3種のぶどうを使用されます。カ・デル・ボスコ社とベッラヴィスタ社が特に有名です。原材料が白ブドウのみのものは、「サテン(Saten)」と呼ばれ龍柱されています。フランチャコルタ・ロゼも存在します。
フランチャコルタは、シャンパンより非常に厳しい規定で作られている
熟成期間が長い事を先ほどお伝えしましたが、その他にも、フランチャコルタは、ブドウの最高の部分だけを使い、収穫量・搾汁率が少なく、生産者協会による統制がしっかりしているため、厳格な規定でワインを製造しています。
フランスのシャンパーニュ地方に比べ、フランチャコルタが造られるイタリアのロンバルディア州は、南に位置するため、ブドウが完全に成熟し、ワインも飲みやすいものとなります。
フランチャコルタはシャンパンに比べ、ワインの重みが取れているように感じ取れて、爽快でフルーティーな味を造り上げます。酸が控えめで、非常に柔らかく、女性的な調和がとれた味わいなので、ワインに馴染みのない女性でも何杯も美味しく飲めるような優しさを感じられます。
そのため、どんな料理にも合います。和食とも相性抜群です。食卓やパーティーでイタリアンを並べるのであれば、シャンパンではなく、フランチャコルタを合わせるのも良いですね。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。