【味噌の栄養成分】8つの栄養価から見る味噌の魅力
味噌の原材料と言えば、大豆。大豆の成分は、たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素に加え、ビタミン、ミネラル、食物繊維から成り立っています。
大豆は「畑の肉」と言われ、生命の維持に必要不可欠な必須アミノ酸が肉に匹敵するほど豊富でバランスよく含まれています。
味噌は大豆本来の栄養素をそのままに、「発酵」という過程を経て、もう一段進化します。アミノ酸やビタミンがさらに多く生成され、
・大豆たんぱく質
・大豆イソフラボン
・大豆レシチン
・サポニン
・リノール酸
・メラノイジン
・カルシウム
・食物繊維
の8つの栄養が取れることが魅力となっています。それでは、これらの8つの栄養が私たちにどのような働きかけをするのかについて、詳しく見ていきましょう。
1、大豆たんぱく質
大豆を味噌にする過程で、大豆たんぱく質は酵素によって分解されて約60%が水分に溶け、約30%がアミノ酸になります。味噌はたんぱく質をより吸収しやすい状態で摂ることを可能にしてくれるのです。
2、大豆イソフラボン
大豆イソフラボンには、女性ホルモンに似た働きがあります。ホルモンバランスを整えて更年期症状の緩和、カルシウムの溶出を防いで骨粗しょう症の予防につながります。
3、大豆レシチン
大豆レシチンは細胞を若々しく保つアンチエイジング成分です。コレステロールの吸収を抑制し、動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞などの予防に役立つと言われています。
4、サポニン
サポニンは脂質の酸化を抑えたり、脂質の代謝を促したりします。血流を改善し、コレステロール値お低下させ、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病予防に効果的です。
5、リノール酸
リノール酸は血中コレステロールの上昇を抑えてくれます。味噌の中のリノール酸は発酵の過程で分解され、遊離リノール酸になります。遊離リノール酸はシミの元になるメラニン合成を抑制するため、シミ予防や美白効果も期待できます。
6、メラノイジン
メラノイジンは味噌の褐色色素です。優れた抗酸化作用を持っていて、生活習慣病を予防すると言われています。
7、カルシウム
皆さんご存知のカルシウムは、ホルモンの分泌、筋肉の収縮と神経伝達に関与します。味噌は調味料の中ではカルシウムの含有量が比較的に多いと言われています。特に豆味噌(大豆、塩を原材料とする味噌)は、100g中に150mgのカルシウムが含まれています。
8、水溶性食物繊維
大豆は水溶性食物繊維を含み、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えたり、食後の血糖値の急上昇を抑えたりしてくれます。味噌は調味料の中で食物繊維の量も多く、100g中の含有量は淡色辛口味噌で4.9g、麦味噌で6.3g、豆味噌で6.5gとなっています。
最後に:味噌はがん発生のリスクも下げてくれる
味噌は多くの豊富な栄養を含んでいて、その価値は医学にも向けられています。元・国立がんセンター研究所の平山雄博士によって研究報告された疫学調査によると、男性は毎日味噌汁を飲む人と、まったく味噌汁を飲まない人では、胃がんの発生率が1.5倍も違うという結果になりました。広島大学・渡邊敦光名誉教授の研究では、みその塩分は胃がんを促進しないともしています。
また、味噌を摂取する乳がん発生率が50%も半減するとの報告もあります。2003年に厚生労働省研究班は、1日3杯以上のみそ汁で乳がんの発生率が40%減少としています。
日本人として味噌は身体の健康を担う大切な食材と言えそうです。