果実とワインのマリアージュ!サングリアの基本解説

レストランやスペインバル、ホームパーティーで人気のドリンク、甘い赤ワインに果汁やフルーツ、スパイスが入ったサングリア。
ワインと比較するとアルコール度も控えめなので、ワイン好きの方はもちろん、お酒が苦手な方でも「サングリアは大好き」という方も多いと思います。
今回の記事では、この人気のサングリアについて、発祥やさまざまな楽しみ方、ピッタリ合うレシピ、また、ノンアルコールでも楽しめるサングリアについてご紹介いたします!
知ってる?サングリアの歴史
サングリアは、スペインやポルトガルが発祥とされる、赤ワインをベースにオレンジやレモンなどの柑橘類を加え、砂糖で甘みをつけた「フレーバードワイン」です。
現在では、発祥地を超えて世界中で親しまれています。
そのルーツは、古代ローマ時代にヨーロッパで飲まれていた「ヒポクラテスのワイン」にさかのぼります。
このワインは、シナモンやクローブ、ジンジャーなどのスパイスと蜂蜜を加えて温めて飲むスタイル。当時は醸造技術が未熟で、ワインが酸化しやすかったため、スパイスや甘味で風味を整えていたのです。
中世を経て近世になると、スペイン北部のレオン王国で「レオン風レモネード」が誕生します。
これは、赤ワインにレモンジュースや砂糖、シナモン、干しブドウや干しイチジクを加えた、イースター前の聖週間に飲まれる伝統的な飲み物でした。
さらにその後、スペイン北部を中心に、夏祭りなどで親しまれる果実入りワインが生まれます。
地域の特産果物を使った、「スーラ」、「クラレテ・コン・フルータス」などがその代表で、これらがサングリアの直接的な原型とされています。
サングリアは赤だけじゃない!サングリアのバリエーション
「サングリア」という名前は、スペイン語の Sangre(血) に由来すると言われ、鮮やかな赤色が血を思わせることから名付けられました。そのため、伝統的には赤ワインベースが一般的です。
しかし、スペイン各地では古くから、赤ワイン以外を使った果実入りワインも親しまれてきました。
前章で触れたスーラには、白ワインで作られる「スーラ・ブランカ」があり、クラレテ・コン・フルータスに使われる「クラレテ」は、ロゼに近い淡い赤ワインです。
つまり、サングリアは必ずしも赤ワインだけで作られるものではないのです。
近年では、白ワインやロゼワイン、さらにはスパークリングワインをベースにしたサングリアも人気です。
果物やハーブ、スパイスの組み合わせに決まりはなく、季節や気分に合わせて自由にアレンジできる、まさに“クリエイティブなフルーツワインカクテル”として楽しまれています。
◇基本のサングリアと、アレンジアイディア
定番のレモン、オレンジやシナモンはもちろん、それ以外でも、さまざまなフルーツを使ったサングリアが楽しめます。
フルーツは単品でなく、彩りや香りのバランスを考えながら、複数のフルーツを組み合わせてもOKです。
また、香りづけのシナモンは柑橘系やリンゴが主役のサングリアには合いますが、繊細な味わいのフルーツでは香りが強すぎてしまうことがあります。
爽やかに仕上げたいときは、シナモンではなくフレッシュミントを加えると香りも彩りも楽しめます
使用するワインは、果実味たっぷりでフレッシュな味わいのワインがおすすめ。ワインを開けて飲み切れなかった時や、買ったワインの味が好みでなかった場合の救済策にもピッタリです。
また、ノンアルコールワインを使っても美味しいサングリアができますよ。
基本のサングリアレシピ (5人分)
【材料】
・お好みのワイン、もしくは、ノンアルコールワイン:1本(750ml)
・砂糖:大さじ1~2
・お好みのフルーツ(スライスする):150~200g
【作り方】
1. ワインをピッチャーに移し、砂糖を加えて混ぜる
2. スライスしたフルーツを加え、冷蔵庫で数時間なじませる。
3. 氷を満たしたグラスに注いで、召し上がれ!
おすすめフルーツとアレンジ例
ベリー類
ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、イチゴなど。赤ワインのサングリアに特におすすめ。アメリカンチェリーも相性抜群です。
トロピカルフルーツ
パイナップルやバナナ。ワインの種類を問わず、香り豊かなトロピカル風サングリアが完成します。
キウィ
白サングリアに加えていただきたいのがキウイ。グリーンの色合いが涼しげな、夏向きのサングリアです。
桃(白桃・黄桃・ネクタリンなど)
白やロゼのサングリアと好相性。フルーティーでジューシーな香りが楽しめます。
リンゴ、洋ナシ
穏やかで癖のない味わいのリンゴや洋ナシ。ロゼ、白、スパークリングワインで作るサングリアにおすすめです。
フローズンフルーツ
冷凍のイチゴやブルーベリー、マンゴーを加えると、漬け込み時間がなくても果実の香りが溶け込みます。氷なしで冷たいサングリアが楽しめるのもメリット。
果汁100%ジュース
手元にフルーツがないときに、果汁100%ジュースを加えるだけで即席のサングリア風ドリンクが完成します。アルコールに弱い方にもおすすめ。
※なお、自家製サングリアを販売・譲渡することは酒税法で禁止されています。家庭で楽しむ範囲にとどめましょう。
◇サングリアに合うおつまみは?
甘酸っぱくフルーティーな味わいのサングリアには、塩気や旨味のあるおつまみがよく合います。ここでは、サングリアをより美味しく楽しむための、ペアリングアイディアをご紹介します。
チーズ
赤ワインベースのサングリアには、パルミジャーノ、コンテ、ミモレットといったハードチーズの盛り合わせがおすすめ。チーズの塩気が、サングリアの甘さを引き立ててくれます。
アーモンドやドライフルーツを添えれば、ホームパーティーなどにもピッタリです。
一方、白ワインやロゼワインのサングリアには、カマンベールやブリーなどのまろやかな白カビチーズが好相性です。クリーミーな口当たりがフルーツの香りと溶け合い、上品でバランスの取れた味わいになります。
ハム・サラミ類
生ハムやサラミ、チョリソなどのシャルキュトリーは、塩味と旨味がサングリアの甘みを引き立てる定番おつまみ。
スペインの名物ハム「ハモン・セラーノ」は、赤やロゼのサングリアと抜群の相性です。
また、スパイスを効かせたサングリアにはチョリソを合わせると、果実の甘みと辛みが絶妙にマッチします。
ドライフルーツ・ナッツ
アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、干しブドウ、ドライアプリコット、イチジクなどのドライフルーツやナッツ類も好相性。
特に赤やロゼのサングリアと合わせると、まろやかで奥行きのある味わいが楽しめます。
サングリアの原型「レオン風レモネード」にもドライフルーツが使われていたことからも、相性の良さはお墨付きです。
タパス(小皿料理)、ピンチョス
スペインといえばタパス! 生ハムやオリーブ、スペイン風オムレツ、タコのガリシア風など、塩気と旨味のある小皿料理は、サングリアとの相性抜群です。
また、パンに具材をのせて串で刺す「ピンチョス」は、スペイン北部バスク地方の定番スタイル。食べやすく見た目も華やかなので、ホームパーティーにもおすすめのおつまみです。
いずれも、赤・白・ロゼ、どのタイプのサングリアにも合います。
デザート、スイーツ
酸味と軽やかさのある白やロゼのサングリアには、フレッシュフルーツのタルトやクリームたっぷりのショートケーキがぴったり。
果実の酸味とサングリアの爽やかさが重なり、食後のデザートタイムを華やかに演出します。
一方、赤のサングリアには、ベリーのタルトやシナモン入りのクッキーなど、スパイスや果実味を共通点に持つスイーツを選ぶと◎。甘酸っぱい余韻が心地よく広がります。
◇ノンアルコールで楽しむサングリア
「サングリア、美味しいけれど作るのは面倒…」と感じる方も多いはず。そんなときは、レディーメイドタイプのサングリアが便利です。
このタイプのサングリアは、ワインに甘みやスパイス、果汁などがあらかじめ加えられているため、グラスに注いで氷やカットフルーツを入れるだけで、仕込み時間ゼロで本格的な味わいが楽しめます。
メロウストアでは、アルコールを避けている方も楽しめる、ノンアルコールのレディーメイド・サングリアを発売中です。
本物のワインを減圧蒸留法で、低温で蒸留・脱アルコールしたノンアルコールワインをベースに作られているので、ワインの風味はそのままにアルコールは0.0%。
妊娠・授乳期の方、ドライブ前などでアルコールを避けている時はもちろん、ワイン好きの方の休肝日にもおすすめです。
おすすめ商品


こちらもご覧ください メロウマガジン過去記事
えっ、美味しい!サングリアにブランデーを加えると、どうなる?


























