ベルギービール、最初に飲むべき銘柄 7選

世界屈指のビール大国として知られるベルギー。
四国の約1.6倍という小さな国土に、人口はわずか1150万人ほどですが、国内には約430ものブリュワリーが存在し、1600種類以上のビールが造られています。
その特徴は、なんといっても多彩さ。ドイツの「ビール純粋令」のような厳しい制限を受けなかったため、大麦だけでなく小麦やスパイス、ハーブ、フルーツなども自由に取り入れ、発酵方法も上面発酵・下面発酵・自然発酵と多岐にわたります。
こうして生まれる個性的な味わいは、ベルギービールの大きな魅力です。
さらに、銘柄ごとに専用のオリジナルグラスが用意されており、その形状やデザインも味わいを引き立てる重要な要素。街のビアカフェでは地元の人や観光客が集まり、ビールを通じて交流を楽しむ光景が日常に溶け込んでいます。
このように、ビールはベルギー人にとって単なる飲み物ではなく、歴史と生活に根付いた「文化」。その価値は2016年にユネスコの世界無形文化遺産にも認められたほどです。
ただ、銘柄があまりに多いため「最初にどれを飲めばいいの?」と迷ってしまう方も多いはず。
そこで今回は、ベルギービールを初めて飲む方におすすめしたい“まず飲んでおきたい7銘柄”を厳選してご紹介します。
◇まずはこれを飲んでおきたい!ベルギービールおすすめ銘柄
ベルギービールは種類が豊富で、初心者には何を選んだら良いか迷ってしまいますよね。
今回は、数あるベルギービールの中から、「これからベルギービールを試してみたい」という方に向けて、メロウマガジンが独自におすすめ銘柄を7種類セレクトしました。
主要なビアスタイルや、人気の注目銘柄を幅広く網羅していますので、ぜひ参考にしてみてください!
1. ヒューガルデン/ Hoegaarden (ベルジャンホワイト)

おそらく、日本で最も知られているだろうベルギービールが「ヒューガルデン」。
小麦を使ったベルジャンホワイト(地元ではヴィット=小麦の意)の代表格で、ドイツの「ヴァイツェン」と並ぶ、世界の2大小麦ビールです。
ブリュッセル近郊のヒューガルデン村では、14世紀から小麦を使ったホワイトビールが造られていました。一時は隆盛を極めたホワイトビールですが、1800年代以降のビルスナ―の登場と、2度の世界大戦の影響で消費が減少し、1950年代には一時姿を消してしまいます。
それを復活させたのが、村の農夫ピエール・セリス。古い工場を買い取り醸造所を再興します。フルーティーで爽やかなホワイトビールの味わいは若者世代に大ヒットし、やがて世界的な人気ブランドに成長しました。
ホワイトビールの味わいは、ヨーグルトを思わせる酵母由来の甘酸っぱい香りに、苦みの少ない軽快な口あたり。後味にはオレンジピールとコリアンダーがスパイシーに香ります。アルコール度数4.9%、やや白濁した黄金色が特徴の、爽快に飲めるビールです。ベルギービール初心者にぴったりの「入口の1本」といえるでしょう。
ベルジャンホワイトについてもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
ホワイトビールの魅力とは?やさしい味の秘密は“小麦”
2. シメイ / Chimay(トラピストビール)

ベルギービールを代表するスタイルのひとつが「トラピスト(修道院)ビール」です。
中世ヨーロッパの修道院は、信仰の場であると同時に、自給自足の共同生活を営む場でもあり、農作物や食品の生産の一環としてビールが造られてきました。修道士にとっては、断食の際の栄養補給にも欠かせない飲み物でした。
ただし、「トラピスト」を名乗れるのは、特定の修道院で造られたビールだけです。
カトリック教会の「厳律シトー会」に属する修道院で、厳格な基準を満たして製造されたビールのみが、「トラピスト」と名乗ることが許されています。
2025年現在、世界でトラピストを名乗れるのはわずか8銘柄。その中でも最も古い歴史を持ち、世界で最も飲まれているトラピストビールが、ベルギー・エノー州のスクールモン修道院で造られる「シメイ」です。
シメイには全5種類のラインナップがありますが、代表的なのが「シメイ ブルー」。
濃い琥珀色のダークエールで、カラメルのような香ばしさに、酵母由来のフルーティーな香りやクローブを思わせるスパイス感が重なります。
アルコール度数は9%と高めで、ラガービールとは一線を画す濃厚な味わい。ラベルにはヴィンテージが記載されており、熟成によってより円熟した風味を楽しめるのも魅力です。
シメイはまさに、ベルギービール文化の奥深さを象徴する存在。
ベルギービールの歴史と伝統を味わえる1本として、ぜひ試していただきたいビールです。
トラピストビールについてもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
ベルギービールといえばコレ!トラピストビールを飲んでみよう
3. リンデマンス クリーク/ Lindemans Kriek(ランビックのフルーツビール)

ホワイトビール、トラビストビールに並ぶ、ベルギーらしいビールスタイルの代表格としてあげられるのが「ランビック」です。
現在では、ビールの製造には純粋培養されたビール酵母を使用して作るのが一般的ですが、ランビックは、空気中に浮遊している野生の細菌によって発酵させる、ビールの原型に近い伝統的な醸造方法で作られるビールです。
様々な野生の細菌で発酵・3年間もの木樽での熟成期間を経てでき上るランビックの原酒には、乳酸発酵に由来する強い酸味と、チーズを思わせる複雑な香りがあります。
あまりに強烈な味わいのため、原酒のままで飲まれることは少なく、一般的に、若いランビックと混ぜ合わせたり、チェリーや木苺などを漬け込んでフレーバーをつけたり、果汁を混ぜて飲みやすくしたスタイルで販売されています。
リンデマンスは、ブリュッセル南西に位置するブレーゼンベークという街の醸造所。
ランビックの製造に特化しており、伝統的なスタイルで作られたランビックから、様々なフルーツの果汁を加えた「フルーツランビック」まで多数のランビックを販売しています。
「リンデマンス クリーク」は、チェリー果汁を加えて熟成させたフルーツランビック。
華やかな赤い色合いと、ランビックらしい爽やかな酸味、かぐわしいチェリーの香りとほんのりした甘みがとても飲みやすく、爽やかな味わいのビールです。ホップの苦みはほとんどないため、ビールの苦みが苦手という人にもオススメ、ランビックの入門編としてピッタリの1本です。
もし、リンデマンス クリークでランビックが好きになったなら、グーズなど、より本格的なスタイルのランビックにも挑戦してみてくださいね!
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これを知らずしてベルギービールは語れない!ランビックのお話
4. デュシャス・デ・ブルゴーニュ/ Duchesse de Bourgogne(レッドエール)

ベルギー北部、オランダ語を話すフランダース地方の西部で伝統的に作られている伝統のビールが「レッドエール」。ランビックに似た酸味のある、個性的なエールビールです。
特徴的な赤みを帯びた色合いは、赤大麦麦芽によるもの。主発酵の後、オーク樽で熟成され、その間に乳酸菌や酢酸菌が働いて独特の酸味が生まれます。さらに、樽からはカラメルやタンニンなどの成分が抽出され、複雑で奥行きのある風味を形成します。
「ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ」は、西フランダース地方のヴェルハーゲ醸造所が製造するビールです。
「ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ」は、フランス語で「ブルゴーニュ公国の侯爵夫人」の意味。15世紀にフランスとベルギーの一部を統治し、25歳の若さで事故で無くなってしまった、ブルゴーニュ公女・マリーにちなんでつけられた名前で、ラベルにもマリーの肖像が描かれています。
わずか5年ほどの統治期間にも関わらず、ビール醸造を含む様々な商業活動を支援し、市民に愛されたマリーの功績をたたえて、この名前が付けられました。
ドゥシャス・デ・ブルゴーニュは、発酵後オーク樽で18か月熟成されたビールと、8カ月熟成された2種類のビールをブレンドしています。
赤みがかったダークブラウンの液色に、ランビックを思わせるような酸味、プラム、ダークチェリーやパッションフルーツのような複雑な果実香とオークの香りに、濃厚な甘みと麦芽の風味が調和して、まるで赤ワインを思わせるような奥深い味わいです。
まさに、多彩なベルギービールの世界を象徴する一本といえます。
5. デュヴェル / Duvel (ストロング・ゴールデンエール)

世界的に有名な、イギリス出身のビール評論家、「キング・オブ・ホップ」ことマイケル・ジャクソン氏が絶賛したことで一躍有名になったのが「デュヴェル」。
ラガービールを思わせる軽やかな黄金色にも関わらず、ガツンと高いアルコール度数と深みのある味わいの「ストロング・ゴールデンエール」というスタイルのビールです。
デュヴェルの前身は、第一次世界大戦の終結を記念して作られた「ヴィクトリーエール」というビールでした。しかし、試飲会でビールを口にした客が、その美味しさに感激し「このビールはまるで悪魔だ!」言ったことから、地元ベルギーのフラマン語で「悪魔」を意味する「デュヴェル」という名前が付けられたそうです。
当初はダークビールでしたが、ラガービールの人気をうけて、1970年ごろに現在のゴールデンエールのスタイルとなりました。
デュヴェルの魅力は、選び抜かれた高品質ホップが生み出す華やかな柑橘のアロマと苦みに、きめ細やかでクリーミーな泡。そして、8.5%という高いアルコール度を感じさせない淡いゴールデンカラーと、まろやかでありつつもキレのある口当たり。
冷やせば爽やかさを、高めの温度では複雑さを堪能でき、様々な表情が楽しめる深みのあるビールです。
6. デリリウム トレメンス / Delirium Tremens(ストロング・ゴールデンエール)

「デリリウム・トレメンス」は、ベルギーのヒューグ醸造所が手掛ける、1989年に登場した比較的新しいゴールデンエール。
印象的なピンクの象のラベルは他のビールにはないユニークさで、世界的に大人気のベルギービールです。
このビールは、フルーティーでスパイシーな香りが特徴で、口に含むと華やかな味わいが広がります。アルコール度数は8.5%と高めですが、爽快な飲み口で、ベルギービール初心者の方にもおすすめの1本です。
ちなみに、名前の「デリリウム・トレメンス」は、ラテン語で「アルコール中毒による幻覚症状」を意味しているそう。そして、ラベルに描かれているピンクの象は「幻覚によって見える象」という、ベルギーの「遊び心」が感じられます。
7. ビア・デザミー ブロンド/ Bière des Amis Blonde (ブロンドエール)

ビア・デザミーは、2020年にデビューした新しいビールブランドです。
名前の Bière des Amis(フランス語で「友達のビール」)が示す通り、「気のおけない仲間とシェアして楽しむ」ことをコンセプトに誕生しました。
ビア・デザミー ブロンドのスタイルは、ブロンドエール(ゴールデンエール)。
原料に100%ベルギー産を使用し、昔ながらのベルギー式エールビールの製法で醸造。麦芽由来の豊かな旨味に、エール酵母のフルーティーな香り、オレンジピールの爽やかな香りが加わります。瓶内二次発酵によるきめ細かくクリーミーな泡立ちも特徴です。
アルコール度数は5.8%で、ベルギービールとしては軽め。ラガービールに慣れた日本のビールファンにも親しみやすい味わいです。派手なIPAのような華やかさはありませんが、仲間と一本のボトルを分け合いながら楽しむのにぴったりの、シンプルで親しみやすいビールです。
さらに、ハンドルキーパーの日や妊娠・授乳、健康上の理由でアルコールを控えている方には、ビア・デザミー ブロンドをベースに作られたノンアルコールビール「ビア・デザミー0.0」もおすすめです。
ネオブュル社が長年のノンアルコールワイン製造で培った技術を応用し、減圧蒸留法でアルコールを丁寧に除去。ビール本来の華やかなアロマやフレーバーを残しつつ、アルコール度数0.0%を実現しました。香り豊かで、味わいにこだわるビールファンも納得のノンアルコールビールです。
ビア・デザミー ブロンドおよびビア・デザミー0.0は、メロウストアで購入可能です。
ビア・デザミー ブロンド
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ビア・デザミー 0.0(ノンアルコールビール)
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◇まとめ:ベルギービールの世界へようこそ!
今回は、メロウマガジンがセレクトした、ベルギービールの定番から新しい銘柄まで、全7アイテムをご紹介しました。
ベルギービールは種類が豊富で、何を飲んだらいいか迷ってしまう方も多いかと思います。
この記事を参考に、ぜひベルギービールの広大な世界への第一歩を踏み出してみてくださいね!
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