オーストラリアワイン産の味の特徴分かりやすくまとめました!
オーストラリアは世界で6番目に大きい国で、世界一大きな島国です。
オーストラリアの2017年ワイン生産量約1390万hlで、約6割が輸出を占めます。
2017年の世界のワイン生産量は、過去50年来で最低水準となりましたが、オーストラリアの生産量は前年よりも6%増加しています。
オーストラリアは、ワインにおいて、イタリア、フランス、スペイン、アメリカに次ぐ5位の生産国として定着し続けています。輸出量は世界で4番目です。
産地は、国土の南半分に相当する南緯31度から43度の間に位置しています。
第二次世界大戦まではイギリス向けにシェリーやポルト風の酒精強化ワインやブランデーの生産が盛んでした。
酒精強化ワインは、アルコールを足して、酒の精を強くしたワインです。製造過程でアルコールを加え(そのためアルコール度数が高い)、酵母の糖分分解を止めることで糖分を残した甘口系のワインです。
参考:「酒精強化ワインとは?酒精強化ワインがすっきり分かる知識集」
20世紀後半に品質の大変革に成功し、近年は、総生産量の99%がテーブルワインです。
テーブルワインとは、ヨーロッパでは「いつもテーブルにあるワイン」の意味で、低価格でカジュアルなワインを指します。国のワイン法上では最下位の日常で消費するワインに称されます。
オーストラリアでは(アメリカでも)、前述したように20世紀税半まで酒精強化ワイン(フォーティファイド・ワイン)が一般にワインとして飲まれていました。
そのため、オーストラリアでは、酒精強化ワインと区別するために、高級ワインを含むスティルワインをテーブルワインと呼びます。
先に入ってメジャーになったワインがヨーロッパとは異なったということです。オーストラリアは、18世紀ころにヨーロッパ人の移住が始まり、植民地としての歴史が始まります。航海や貿易が盛んになる植民地系の国では、酒精強化ワインが盛んになります。
オーストラリアにワインを持ち込んだのは、イギリスの海軍大佐アーサー・フィリップと言われています。
航海の途中寄港したリオデジャネイロやケープタウンでブドウの苗木を積み込ませて、入植後にすぐにシドニーのファーム・コーブで栽培を開始しました。最初は土壌が適さずに、1791年にシドニーのパラマッタ川沿いにブドウ園を設立し、その4年後の1795年にオーストラリア発のワインが生まれたとされます。
オーストラリア産ワインの特徴
オーストラリアのワインは生産者の自由な発想からユニークな品種のブレンド、産地間のブレンドなども盛んでしたが、地質的に非常に多様な土壌であるため、各産地の気候に適したブドウ品種の特長を活かしたより高品質なワイン造りにシフトする傾向にあります。
シラーを使ったフルボディの赤ワインは高品質で特に有名です。オーストラリアなどではシラーズと呼びます。シラーは、フランスのコート・デュ・ローヌ地方を原産地とする赤ワイン用ブドウ品種です。
<参考>:「【シラー】フルボディな赤ワインの種類:フランス」
白ワインなら、セミヨンやシャルドネが高品質です。セミヨンは、ブレンド用で補助役として多く使われますが、オーストラリアでは、セミヨンをメインで使って美味しいワインを作ることができます。オーストラリアのハンター・ヴァレーという産地のセミヨン100%の白ワインが有名で、「ハンター・セミヨン」と呼ばれる独特のスタイルで、セミヨン単一の素晴らしい辛口ワインを生んでいます。
<参考>:「【セミヨン】フルボディ白ワインの種類:フランス」
オーストラリアはマルチ・リージョナル・ブレンドの考え方が浸透しています。
マルチ・リージョナル・ブレンドは、複数の地域や区画のブドウをブレンドする手法です。収穫年による品質のバランスをできるだけ少なくし、テロワールよりもその醸造家の製造スタイルを重視する考え方です。
お手頃なワインから高級なワインまで、マルチ・リージョナル・ブレンドを採用しています。
最後に
オーストラリアのワインは、発祥から製造スタイルまで非常に特徴的ですよね。マルチ・リージョナル・ブレンドの手法のもと、テロワールより醸造家のブレンドスタイルに重きを置いているため、多種多様なワインが楽しめます。
赤ならシラー、白ならセミヨンから試してみると良いかもしれません。ぜひ、今回の記事も参考にしてみて下さい。